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真田太平記に見る昭和的クソ親父のあり方
親愛なるアッティクスへ

真田太平記に見る昭和的クソ親父のあり方_e0027240_14164311.jpg以前、平太郎独白録 「地震で忘れ去られたもう一つの島」でも申し上げました、博多湾を外海と隔てている福岡市民の憩いの島、志賀島に行ってきました。
(←志賀島から見る百道浜方面。ちなみに、ここが都心ではありませんから、誤解のないよう・・・(笑)。)

ちなみに、昨日はどういうわけか、対岸がくっきりと見えていましたので、思わず、シャッターを押してしまいました。
ヤフー・ジャパン・ドーム福岡タワーがおわかりになるでしょうか・・・。

ところで、もう、二十年くらい前でしょうか、NHKで真田太平記というドラマをやってました。
(原作は言わずとしれた池波正太郎です。)
当時、NHKでは、大河ドラマとは別に水曜大型時代劇というのを放送していたのですが、そこで放送されていて物で、ただ、こちらは「大型」と言いながら、大河ドラマと違い、かなりの低予算番組だったようで・・・。
が、私には、当時、置かれていた環境もあり、同時期の大河などよりも遥かに印象に残るドラマでした。
それが、先般、DVDが、それも総集編ではなく、全編BOXで発売されたと聞き、大変、意外でした。
私には印象に残った番組であっても、大河ドラマならともかく、あんな安っぽい時代劇が・・・と。

ただし、予算は低かったのでしょうが、配役の方はなかなかの布陣で、主人公、真田信之には渡瀨恒彦、その父、真田昌幸丹波哲郎御大、爽やかな次男、真田幸村に当時、人気絶頂の草刈正雄
他にも、名優として、知る人ぞ知る加藤嘉、今ではすっかり大御所の感のある中村梅雀が、当時、まだ駆け出しだったのでしょう、父、梅之助と共に家康・秀忠親子を演じてました。
さらに、夏八木勲、坂口良子、竹下景子・・・。
加えて、異色というか特筆と言うか、当時のアイドルとして、今は亡き、岡田有季子堀江しのぶも出てましたね。
中でも、特に、壮年の脂がのりきった時代の真田安房守昌幸を、これまた、壮年の脂がのりきった時代の丹波哲郎さんが演じたのは、もう絶品でした。
とにかく、味のある演技でしたよ。

くせ者ぶりを発揮しながら、大勢力の中を泳ぎ回り、その上で、徳川大軍二度にわたって撃破する・・・といった、いい仕事をしながらも・・・限界があり・・・、悲哀を感じさせながら、一方でコミカルな部分もあって、女性にもお盛んで・・・。
私には昭和中小企業親父の姿その物に見えましたね。
今でも、私にとっては、「父」という言葉が口を付いて出るときは、後に続く言葉は亡父でも自分のことでもなく、「安房守」です(笑)。

德川の大勢力と事を構えると決したときの真田昌幸が、自分より大きな息子二人を従えて、小規模ながらも、天守閣に立つ・・・というシーンがありました。
(この時代の信州の小城に天守閣があったかと言われれば、かなり、疑問ですが・・・(笑)。)
このときの丹波哲郎の姿は、私にとっては、亡父よりも、子を持つ父として、こうありたいという自分自身の姿でもあります。

このドラマでは、長男、信之と父、昌幸は、深いところでは結びつきながらも、あまり、仲が良くなく・・・。
息子は息子なりに、次の時代を見据えて家康に接近しようとし、父は父で、あくまで従来通り、独立独歩を維持しようとする。
この点は、平太郎独白録 「最大の抵抗勢力・・・「父」!」平太郎独白録 「続・幕末薩摩藩!改革者と後継者世代の葛藤!」の中でも、たびたび、申し上げてきたことでもありますが、こういった対立は、親子間の問題ということもながら、一方では世代間の路線対立という問題でもあり、これが当時の私が、他人事ではなく、身に染みて思ったことだったのですが・・・。
                                       平太独白
by heitaroh | 2005-12-23 08:24 | 文学芸術 | Trackback | Comments(6)
Commented by 寒天ゲル at 2005-12-13 04:21 x
はじめまして、こんにちは♪
トラックバックありがとうございました。
真田太平記は今読んでいて、まだ前半なのですが、昌幸と信幸(之)の本心からの言葉で語り合うことができない寂しさを自分の父との関係に重ねたりしてしまいます。そういう点からでも、この小説には生きるヒントがたくさんあると思います。今後もゆっくり読み進めて行くつもりですのでぜひまたお越しください。
Commented by heitaroh at 2005-12-13 13:49
>寒天ゲル さん

初めまして。
コメント有り難うございました。

そうですね。
ちょうど、その頃、私もオヤジと同じ状態でした(笑)。

家業を一緒にやってましたけど、見解の相違以前居に結構、大変でしたよ。
Commented by 烏まる at 2005-12-16 21:38 x
トラバありがとうございましたv旅行記の方は、あまり更新していなかったので、見てくださった方がいてうれしかったです。
「真田太平記」は、リンクしているブログの方にも話題を書いていますが、全編DVDを買ってしまったバカです(笑。リアルタイムで観た事なかったので、原作ファンとして買わずにおれませんでした。予算はかかってませんが、今のNHK大河(真田は日曜8時枠ではないですが)より見ごたえがありました。俳優さんなども知らない方が多かったのですが、加藤嘉さんという方は、ほんとに貫禄あって良い役者さんだと思いました。どうりで名優さんだったのですね。若い頃はどんな役者さんだったのでしょうか?丹波哲郎さんの昌幸も素晴らしかったです。ではでは、乱文失礼しました。
Commented by heitaroh at 2005-12-17 12:59
> 烏まる さん

初めまして。
コメント有り難うございました。

私はまさか、これのDVDが発売されることはないだろうと思ってましたので、以前、ケーブルで再放送があったときに、全部、録画して、いらないところを切り捨てた自分だけのダイジェスト版を作ってしまいました・・・。
その為、実はボックス買おうか買うまいかと迷っています。
それに、ブルーギル・・・じゃなかった(笑)、ブルーレイになったら・・・とも考えるし・・・。

まったくですね。
予算が掛けられれば、いいものが出来るというわけではないんですよね。
私も今の大河なんかより、はるかにいいと思います。
名優、加藤嘉・・・、良い味出してたでしょう!
痩身ながら、一徹者の存在感がありましたよね。
若い頃は、私も存じ上げませんが、私のイメージでは、かなり前から、老け役でしたよ。
Commented by at 2006-01-28 03:17 x
はじめまして。随分と御挨拶が遅れましたが TBをありがとうございました。

DVD『真田太平記』は 発売後それほど時間を置かずして 第壱集・第弐集共に購入したのですが 実は未だ第弐集の一巻目までしか観てません。原作の方は全12巻 数日でペロリと平らげたにも関わらず です。
単刀直入に申せばDVD版は 原作を読み進める中で築き上げられた 僕なりの『真田太平記』と 大きな・譲り難い 情緒の相違があるからなのです。

己の内に 文章によって強大に築かれた城が在るならば 最早大枚叩いてまで映像を欲する必要はないのかも知れない——そう思いつつ 次いで今度はDVD大河『武田信玄』を揃えてしまいました(苦笑)。こちらには素直に引き込まれて居ります。
Commented by へいたらう at 2006-01-28 11:54 x
>憐さん

コメント有り難うございました。

なるほど、私にもそういう身に覚えがありますね。
司馬遼太郞さんの高田屋嘉兵衛を読む前に、似ても似つかない竹中直人が主演したドラマをみてしまい、以後、どれだけ読み進んでも、高田屋は竹中しか浮かんでこないもので、まるで、読むのがはかどりません(笑)。

真田太平記は、私は逆にドラマを先に見てしまったもので、(元々、見るとも無しについてたから見てた・・・という流れから入って、はまってしまったということもあり。)あまり、そういうことを考えずにすんだみたいです。

ということで、今後ともよろしくお願いします。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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