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オイル・ショックの本質!
親愛なるアッティクスへ

昨夜、夜更かしして撮りダメしていた昭和47年の人気番組「木枯らし紋次郞」をみてしまいました。
昔、あれの主題歌が好きだったんですよ。
で、今見たら、色がきれい。特に青々とした緑がきれい!
「あ、これって、あの時代の色だ!」って思いましたね。

ところで、それを見て改めて思ったのですが、あの番組は暴力、貧困、因習・・・等々、人間の不条理というか不寛容というか、そういったものが、かなり前面に出てる作品でしたが、さすがに、私の身近では、あそこまでのことはもう無かったものの、今ではすっかり死語になった観がある「ひもじい」「人さらい」などという言葉が、まだまだ生きていた時代でもあり、あの当時は、それほどの違和感を持つことはなかったように記憶しております。

今でも暴力や不条理を描いたモノはありますが、それを突き動かす原理は主に「欲望」であり、「貧困」とか「因習」などというものはかなり少ないように思えます。
それだけに、今の子供たちにとっては、そういう世界って、もの凄く現実感がないものだろうな・・・と。
そして、そう考えれば、もし、今、また戦後みたいになったら、我々の世代はともかく、今の子供たちは対処できるのだろうか・・・と。
そこまで考えて、ふと思ったことがあります。
それが、この翌年、昭和48年(1973年)に起こった「オイルショック」です。

私は、かねがね、このオイルショックというものが、イマイチ、よくわかりませんでした。
当時の政府の実務担当者たちの証言番組も見ましたし、様々な回想録なども読みましたが、やはり、どうにも説明としては判然としないものを感じていました。
あの騒然とした世の中・・・、トイレットペーパーに群がった人々・・・、まるで、日本という国そのものが顔面蒼白になったような雰囲気だったように記憶しております。
「オイルショック」とは一体、何だったのか・・・。

で、それこそが、まさしく、「木枯らし紋次郞」の放送当時の時代背景・・・、即ち、日本にまだ「「貧困」というものの記憶が残っていた最後の時代の怯え」だったのではないでしょうか・・・。
私には今でも鮮明に覚えている、その時の記憶があります。

小学校から帰ってきた私に、母が深刻な顔で言いました。
「大変な世の中になった・・・。これからは、今までのようにはいかないんだ。とにかく、今までが良すぎたんだ・・・。いつかこんな時代が来ると思っていたんだ・・・」と。
戦後の貧困の時代から、一転、バブル以上と言われた未曾有の好景気、高度経済成長を謳歌しつつも、それでいて、皆、心のどこかで、「いつか反動が来るのではないか?」、「出来すぎなんじゃないか?」と、この良すぎる時代に怯えがあったのではないでしょうか?
単なる産油諸国の「脅し」にすぎなかったものが、「見積有効期限1時間」などという、狂乱物価へと成ってしまった本当の原因だったのではないかと思えてなりません。
「貧困への怯え」の残滓・・・、これこそが「オイルショック」というものの本質だったのではないでしょうか・・・。
                                 平太独白
by heitaroh | 2007-06-29 18:05 | 思想哲学 | Trackback | Comments(6)
Commented by りつ at 2006-03-23 17:49 x
平太郎さま。訪問がすっかりおそくなりました。

トイレットペーパー騒動は記憶に残っています。当時の記憶がクリアに残っているというより後からの情報で濃くなっていったような気もしますが。

「貧困への怯え」の残滓・・・。
なーるほど、面白い見方です。自分たちが義務教育の時代ころまでは、今では公で使用できない差別的な表現がまだまだ普通に使われていた、そんな記憶もあります。

貧乏、という言葉も「ビンボー」なんでカタカナで軽く使えない雰囲気が残っていた感覚があるのです。

ところで、「木枯らし紋次郞」は当時も今もほとんど見たことがなく、「あの時代の色だ!」にピンとこないのがすごく残念です。
Commented by heitaroh at 2007-06-30 21:49
>りつさん

コメント有り難う御座いました。
さすがに、同世代(笑)。
よくおわかりです。
まあ、木枯らし紋次郞は女性には・・・ですねー。
ただ、あの当時、男の子は皆、口に焼き鳥の串をくわえてましたけどね(爆!)
Commented by D-KID at 2007-07-01 13:00 x
なるほど『貧困へのおびえ』の残滓ですか。
オイルショック後に生を受けた者として当時の混乱は『教科書内の出来事』と言う感覚なんで、実感が殆どないのですが…

余計な話ですが、僕らの小学生の頃は『必殺仕事人』を真似てバーベキューの串やら釣り糸くわえたりしてました(^^;
Commented by へいたらう at 2007-07-01 14:43 x
< D-KID さん

ちなみに、「必殺仕事人」は「木枯らし紋次郎」を始末する仕事のために作られたって知ってましたぁ?(笑)。
Commented by D-KID at 2007-07-02 22:41 x
え?へいたらうサン、それってまぢですか(??)

初耳ですよ、そんな話!!
と、週末の仕事人SPに期待するD-KIDでございます。
Commented by heitaroh at 2007-07-03 09:41
<D-KID さん

まじですよ。
木枯らし紋次郎は、主演の中村敦夫が怪我して、一旦、間が空いたわけです。
で、2が再開されたときに、他局が「打倒!紋次郎」として、打ち出したのが仕事人(仕掛け人?)だったわけです。
当初は圧されていたようですが、途中で見事に逆転して、その後の仕事人シリーズが始まったというわけですね。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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