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出版人よ、自信を持て!
親愛なるアッティクスへ

昨年三月に、拙著「傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯」が店頭に並んでから、ぼちぼち、一年が経ちます。

出版人よ、自信を持て!_e0027240_18173283.jpgこれはまあ、力不足という面をご指摘されるかとは思いますが、私は一方で出版業界自信喪失という物も一因にあるように感じます。
(現に、拙著にしたところで店頭に並んでから、撤去されだすまでが3~4ヶ月程度。これで、知名度もない作者がどうやって結果を残せと言うのでしょうか?)

これはある意味、今の日本の産業界の象徴的な事例だと思います。
即ち、産業の中心的な存在である銀行がいい例で、最近でこそ、少し変わってきたのかもしれませんが(果たしてそうか~?)、未だ多くの銀行が会社の業績経営者の能力も見ようとせずに、ただひたすら「担保!」だけを求め続けたのと同じ現象ではないでしょうか?
出版業界における担保とは、即ち、知名度です。
だから、内容より、芸能人や有名作家などの作者の知名度があるものに集中し、その結果、作者の知名度は高いが、あまり内容があるとは言えない本が書店に並ぶことになる。
そして、それがまた、読者の足を遠のけることに繋がり、それがまた、出版不況になるという悪循環に繋がっているのだと思います。
その根拠として、私の周囲で、「最近、作家の知名度は高いが、読むに値しない作品が増えてきた。」と言う声をよく耳にします。
この点は、私も全く同感でした。
それは、我が身に置き換えてみればよくわかるのですが、書けと言われても、そうそう次から次に書ける物じゃないんですよ。
充電という物が必要なんですよね。
作家に充電の時間を与えようとせず、「何でもいいから、あんたの名前の載った物があればいいんだ」という姿勢こそが自分たちの首を絞めているのではないでしょうか?

さらに、出版不況と呼ばれる昨今だからこそ、出版人たちは自分たちの眼力を信じようとはせずに、「より確実に売れる物」という意味で、より薄く、より安い物を、より追い求める・・・。
薄くて安い物は売りやすいかもしれませんが、売れると決まったわけではないでしょう。

「出版人よ、勇気を持て!」と言いたいです。

担保に頼らずに案件その物を見る勇気を。
薄かろうが厚かろうが、売れる物は売れるという見識を。
消費者が欲しているのは値段と厚みではなく、中身なんだということを。
しかし、やはり、銀行業界のように国際競争にさらされないと目が覚めないんでしょうね。

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by heitaroh | 2005-03-30 19:29 | 社会全般 | Trackback(2) | Comments(5)
Tracked from 世の中の想定外な事 at 2006-01-30 16:16
タイトル : 書籍流通の激変−書店はどうなる?
懐かしい本、子供が必要とかで注文しました。本屋に頼むと2週間かかるって言われたんですよね。ネットだと在庫在りで早い!アマゾンが伸してくるのも無理もなしってとこですね。しかし・・・。... more
Tracked from 世の中の想定外な事 at 2006-02-01 08:37
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Commented by mogu_mogu at 2006-01-30 17:07 x
>>店頭に並んでから、撤去されだすまでが3~4ヶ月程度。
これで、知名度もない作者がどうやって結果を残せと言うのでしょうか?

でも、私には知名度がぐーんと上がりましたよん(^_-)
>>消費者が欲しているのは値段と厚みではなく、中身なんだということを。

そうだ、そうだ!
Commented by heitaroh at 2006-01-30 17:41
> mogu_mogu さん

師匠!いつもながら、暖かいお言葉有り難うございます!

ちなみに、ヨン様と一緒に並んでいるのがおわかり頂けますか?(笑)。

Commented by mogu_mogu at 2006-01-30 22:03 x
←側ですか、→側ですか?
小さくて、よく見えません。
でも、どっちかってことですね。
でも、ブームもさったのではないんですかねぇ?
今では、さっぱり、関心の外です。
でも、中央にあるっていうのはいいですね!
ん?てか、写真の上での中央?
ε=ε=ε=ε=ε=ε=(;-_-)/ゼンリョクダッシュ
Commented by mogu_mogu at 2006-01-30 22:05 x
でも、良く見ると一番、厚み(積上げた厚さ)が低いですね!
ということは、売れているってことじゃないですか!!!!!
よかったぁ。フォローできて_笑。
Commented by へいたらう at 2006-01-31 14:38 x
>mogu_mogu さん

←側です!
この書店、レジの真ん前だったもんで、写真撮るの、恥ずかしかったんですよー(笑)。
だから、こっそりと上着の中に隠して携帯で撮ったもんで、こんなに小さくなってます・・・。

ていうか、この記事は昨年の3月、でもって、文中で一年が経過しましたと書いているように、画像は一昨年の3月のものです。
もう、今は拙著を置いている本屋はありませんよ(笑)。
だから、絶滅危惧種です。

師匠には、何卒、是非、保護して頂きたいと伏して御願い奉る次第であります(^ー゚)ノ
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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