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藤堂高虎に見る「一芸」か「オールラウンドプレーヤー」かのハムレット的考察・前編
親愛なるアッティクスへ

藤堂高虎という人物がいます。
戦国時代足軽から身を起こして、伊勢32万石の大名になった人で、生涯で8人主君に仕え、「主君が自分を正当に評価しない場合、仕える価値無しとして、家来の方から見限っていい」などという遺訓を残したことでも知られる人物です。

さておき、それとは別に、今回、取り上げたいのが、この人物が遺した言葉の中にある、「侍はなるべく芸をならって、どんな道でも用に立つと覚悟するべきである。」というものです。
かつて、広島カープを率いた古葉竹識監督は、「選手は、できるだけレギュラーになりやすいように、ポジションは最低2つは出来るようになっておくべきだ」というのがありました。
まさしく、この高虎は、戦国という時代のレギュラーを目指すオールラウンドプレーヤーだったのでしょう。

なぜ、これなのか・・・と言うと、以前、平太郎独白録 「学年不要論」の中で、「今の日本は平均点である。すべてが出来ればいいが、そうでは無い人は、一芸に秀でるということをすべきだ。」という概意を述べたこところ、ある人から、「数学がすばらしくできて、数学専門の大学に入り、大学院へ進み、そんな大学院で勉強する際、一番研究に必要なのは、実は英語だったりします。数学の研究は、全世界で行われており、最先端の情報は論文として、英語でだされます。そんな英語の論文を読めない人、自分の研究を英語で表現できない人は・・・・・・といったことが生じてくるのです。『専門バカ』にならないこと。これが今後の日本の教育の目指すところだと私は考えます」という指摘を受けましたた。
確かに、私自身も、平太郎独白録 「組織を支える三本の足」の中で指摘しております通り、技術屋と呼ばれる人たちの視野の狭さには、辟易させられてきた経験がありますので、「技術屋に限らず、専門バカにならないように、他の営業や経理などの分野を経験させるべきだ。」と言ったことがあります。
で、我ながら、その矛盾に思わず考え込んでしまいました。

かつては、いずれ総理大臣をさせようとでも言うような人には党三役、外務、大蔵、通産主要閣僚を経験させる・・・という不文律があったのを思い出しました。
各省庁の次官も又然り。
いずれ、TOPになろうというような者には、全体を把握できるポジションを経験させ、スペシャリストより、ゼネラリストとしての能力を身につけさせる・・・。
一方で、特にかつての旧共産圏(旧ではない?)のような国家主導型の国でよく見られたことですが、その部門に傑出した才能を見せる子供は、不得意科目を学ばせるようなことはしないで、徹底して、その分野をやらせる。
その場合、同じ能力、同じ土俵なら、余計な科目をやることなく、得意科目だけをやっている人間の方が有利・・・なのではないでしょうか?

と言うことで、長くなりそうなので、続きは明日に。
                                      平太独白
by heitaroh | 2005-12-07 17:24 | 教育 | Trackback | Comments(2)
Commented by at 2006-03-15 08:22 x
へいたろう様へ
おはようございます。
わがまちの祖、藤堂高虎公へのお褒めの言葉(笑)
ありがとうございます。

確かに、おっしゃるように、1つにのみ特出した能力は、
必ずしもよいとはいえない場合はあると思います。

たとえば、私は土木屋なのですが、基本的に作業は職人が行います。
施工する技術はありませんが、多くのことは知っておかなければなりません。まぁ、結局は役割分担とその役割分担を形作る為の人間関係かと
思ったりします。

で、結局は、結論として、へいたろうさんのおっしゃるように、1つでも、5つでも、教育の観点でいえば、その本人次第でよいかと(笑)

それよりもそれを是であるとし、個々がお互いの価値を認めあることの出来る人間形成のほうが大事なのではないかと思います。

それは身をもって、身近の大人が示すべきなんでしょう。

ということで、頑張っております(苦笑)
Commented by へいたらう at 2006-03-15 10:29 x
>俊さん

お!土木やサンですか!
私は建築屋でした(笑)。
となれば、三原の某島の土建屋さん、ご存じでは?
火事で丸焼けになった島です。

って、全然、違うところに反応してましたね(笑)。
私自身、得意と不得意科目との差が激しい人間だったので、あの当時の平均点を求める教育には批判的だったのですが、一方で、建設現場などでの技術屋という人たちの視野の狭さにも辟易したことがあります。

まあ、結論を言うならば、ステージが上がって行くに従って、違う課題に取り組むべきで、技術屋という人たちの中には、その現実を黙殺する人たちがいるんですよね。

まあ、経営者はスペシャリストよりゼネラリストなのだろうと思います。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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