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野暮用でやむなく行った東北の旅 その6 賊軍の子弟
前回の続きです。

そんなこんなで米内光政の墓に詣でたわけですが、ここで「ほう!」と思ったのが、墓に名刺受け(↓)があったこと。

野暮用でやむなく行った東北の旅 その6 賊軍の子弟_e0027240_1128989.jpg


こういう形式はどこかで見たような気もするのですが、珍しいといえば珍しいですよね。

野暮用でやむなく行った東北の旅 その6 賊軍の子弟_e0027240_11245312.jpgこの日は暑かったこともあり、何より、こんな所で名刺が必要になるとは思ってなかったこともあって、不覚にも名刺を所持しておりませんでしたので、断腸の思いで墓に手を合わせただけで辞去し、次いで、その足で原敬の墓に詣でたわけですが、両者の距離は徒歩で10分ほどの所にあり、前回も申しました通り、岩手県は他にも齋藤實、鈴木善幸と4人も総理を輩出している、東北では極めて異色な総理輩出県なわけで、歩きながら、この辺のことに少し思いを馳せてみました。

まず、賊軍の子弟ということに対する反骨精神が岩手にはあったのしょう。

野暮用でやむなく行った東北の旅 その6 賊軍の子弟_e0027240_11481757.jpg総理にこそならなかったものの、岩手には、有力総理候補の呼び声高かった後藤新平、「椎名裁定」で知られる自民党副総裁・椎名悦三郎、それに、岩手県に入れていいのかどうかわかりませんが現在の小沢一郎と総理になってもおかしくなかった人材を輩出しています。
が、何より、際立っているのは板垣征四郎 、及川古志郎、斎藤実、栃内曽次郎、山屋他人、米内光政、多田武雄、東條英教(東條英機の実父)といった中将、大将目白押しの軍人連の顔ぶれでしょう。

確かに、賊軍の子弟ということで官界への道を絶たれ、軍人への道を進まざるを得なかったという一面はあったのでしょう。
しかし、それは何も岩手県に限ったことではなく、東北諸藩はもとより、薩長土肥以外の諸藩はどこも多かれ少なかれ同じ境遇だったはずです。

野暮用でやむなく行った東北の旅 その6 賊軍の子弟_e0027240_11555017.jpg

(↑原敬が眠る原家菩提寺。屋根瓦がえらくツヤツヤしていることが印象的でした。)

次に思ったのが、総理四人の年齢差、わかりやすいように西暦で行くと、原1856年、齋藤1858年、米内1880年、鈴木1911年で、年齢差はそれぞれ、2歳、22歳、31歳で一番上の原と一番下の鈴木で55歳。
ほぼ、祖父と孫の年齢差ですね。
ただ、原と齋藤は2歳差とはいえ齋藤は仙台藩出身、齋藤と米内は22歳差とはいえ同じ海軍の先輩後輩、原と米内は24歳差ながらも互いの墓が歩いて行ける範囲にある、同じ盛岡藩士族、無論、互いに面識はあったでしょうね。

と、ここまで来た所でちょうど時間となりました~で、次回に続きます。
                                         平太独白
by heitaroh | 2013-07-30 07:18 | 地域 | Trackback | Comments(2)
Commented by 芙蓉 at 2013-08-03 10:46 x
おはようございます。
気が付けば葉月。早いものです。お変わりございませんか?

原さんを尋ねて盛岡への旅?
いつもながら考察が素晴しいですね。
瓦にまで目が行き届き。
分かりやすく読みやすくて。
続き楽しみにしています。

暑さ厳しき折り、そろそろ無理できぬお年頃(^.^)。
ご自愛くださいませ。
Commented by heitaroh at 2013-08-03 11:18
<芙蓉さん

おはようございます。
まったく、毎度のことながら月日が経つのは早いものですね。

いえいえ、初回の方に書いておりましたが、盛岡へ原さんを訪ねて行ったわけではなく、主目的は秋田、盛岡での第一目標は栗山大膳の墓でした(笑)。

確かに、無理が効かなくなってきており、自重を考え始めた夏です(笑)。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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