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アジアには王様が必要
今のイラクアフガンを見ていて、つくづく思いましたが、アジアにはまだ、王様が必要なんですね。
「何をばかなことを!」と言われるでしょうが、それを端的に表すのが、蒙古来の折の鎌倉幕府執権・北条時宗の決断と、ペリー来航における江戸幕府への対応です。
戦った鎌倉幕府と戦わなかった江戸幕府。
結論を言えば、「いずれにしても幕府は滅びる」ということだったでしょう。
つまり、鎌倉幕府は強硬姿勢に出たことで、国内の威信は保てたものの、対外的には存亡の危機を招き、撃退することこそできたものの、その結果としての財政負担に耐え切れず、自らを滅亡に追い込む事となったのに対し、江戸幕府は「大人の対応」をしたがゆえに、対外戦争は回避できたものの、自らの弱体化を白日の下にさらしてしまい、それが国内諸勢力からの侮りにつながり、ひいては倒幕勢力の台頭を招き、結果的に自らを滅亡に追い込んでしまったわけです。
すなわち、北条氏にしても、徳川氏にしても、武力を背景にして成り立っている政権というものは、その君臨基盤は、端的に言えばガキ大将的なものであり、一言で言うならば「彼は強いから逆らえない」だと思います。
強いから威張っている。
そこに理屈はないわけで。
自分の村のガキ大将が強いから、誰も理不尽な事をされても文句を言わないわけで、それが隣村のガキ大将にヒト睨みで何も言えなかったりすると、いきなり、威信は地に落ち、昨日まで影も形もなかった「薩長」などという反対勢力が跋扈することになるわけです。

で、何が言いたいかと言うと、日本はアメリカ様の占領政策という、恩恵(?)を受けたが為に、やや趣を異にしていますが、アジアでは今日でも多かれ少なかれ、幕府と大差ないということです。
即ち、イランにしても、北朝鮮にしても、たとえどんな大敵でも腰を屈したりしないんだと言うポーズを取らなければならず、彼らが、わずかでも屈する姿勢をとったならば、一瞬にして、彼らの威信は地に落ち、あるいは、生命を維持することすら、おぼつかなくなるでしょう。
だから、彼らは本音とは別に、強気の態度を取り続けなければならず、この点を考えるなら、アメリカは彼らのこの点だけは立ててやる度量外交を展開するべきだと思います。
北朝鮮に対しても、今、安易に経済制裁を叫ぶ人が増えてますが、彼らがいなくなることは、その地域にとっては、とてつもない真空状態を招く事につながり、それは混乱、混迷・・・、大変危険な事だと思います。
拉致の問題にしても、不誠実でも交渉相手がいる交渉と、交渉相手さえいない状況ではどちらがいいのでしょうか?

話が横道にそれましたが、ここで、王様は誰でもいいというわけではありません。
今日でも、社長の息子が社長になっても、「仕方ない!」であきらめもつくでしょうが、ドングリの背比べの副社長の中から・・・ということになれば、「何であいつなんだ!」となるでしょう。
次の天皇には、天皇の子がなるから誰も文句を言わないわけで。
源頼朝を担いだ鎌倉の御家人たちもそういう心理であり、執権となった北条氏がその後、他の御家人衆と「仁義なき戦い」を繰り広げなければならなかったことも、これに起因するかと思います。

人間、貴種がないとまとまらない世界もあるんですよね。
まさしく、今のアフガンやイラクなどが、これに当たると・・・。
つまり、きれい事、いい悪いではなく、アジアにはまだまだ、王様が必要だと思います。
その意味では、GHQ天皇を排除しなかったのは、まさしく正解だったでしょう。
そして、それだけに、アフガニスタンやイラクのブラックホールのような混迷が心配でなりません。
                                    平太独白

by heitaroh | 2005-06-22 00:49 | 国際問題 | Trackback(5) | Comments(6)
Tracked from 時事を考える at 2005-07-16 16:20
タイトル : 北朝鮮拉致家族首相官邸に座り込み
北朝鮮拉致家族の皆様が北朝鮮への経済制裁を求めて首相官邸に座り込まれるそうです、... more
Tracked from PARDES at 2005-07-26 06:56
タイトル : 核と拉致 - 北朝鮮とイラン
拉致被害者の曽我ひとみさんの証言によって、昭和55年(1980年)に大阪府在住の原 敕晁さんを宮崎県の海岸で拉致したとされる北朝鮮の大物工作員、辛光洙(シン・グァンス)が曽我さんと横田めぐみさんの朝鮮語の教育係をしていたことが判明した。今度の6カ国協議で日本が拉致事件を取り上げる態度を示し、アメリカが支持している。いまだ生死不明のめぐみさんら拉致被害者の安否確認をどうして北朝鮮が渋るのか、不可解だったのだが、めぐみさんと辛光洙が結びついたことで謎が解きかけはじめたのではなかろうかというのが私の考えであ...... more
Tracked from PARDES at 2005-07-27 05:48
タイトル : アメリカ VS 北朝鮮(1)
ついに6カ国協議が開始された。アメリカは北朝鮮の「主権」を認定し「侵攻の意図がない」と表明し、一応話し合いによる解決を図る姿勢で望むようである。一方の北朝鮮は、しょっぱなから「核保有宣言」しながらも「戦略的決断の準備がある」と言明、硬軟おりまぜた態度をみせた。 まず一方の主役たるブッシュ2世の立場からみると、北朝鮮に軍事カードを切るのは得策ではない。現在、アメリカは ・イラクの治安回復 ・アルカイダの壊滅 ・パレスティナ問題 の3つの巨大な「宿題」を抱えている。ブッシュ2世はイラク・イラン・北...... more
Tracked from PARDES at 2005-07-30 13:31
タイトル : アメリカ VS 北朝鮮(2)
6カ国協議で不思議なことが起っているようである・・・。今回の協議では「参加各国の合意事項を盛り込んだ共同文書を作成する」ことを努力目標にしている。日米の核廃棄要求に北朝鮮は、当然のごとく強く反発し、何と朝鮮半島の非核化ばかりではなく、 <極東地域の非核化> を要求した。これは北東アジア地域を制圧している在日米軍、とりわけ第7艦隊の空母、巡洋艦、潜水艦などに装備されている戦術核、戦略核に言及したものである。もっとおかしなことを言い出したのが、当のアメリカである。米首席代表であるヒル国務次官補は、 ...... more
Tracked from PARDES at 2005-08-04 20:57
タイトル : アメリカ VS 北朝鮮(3)
6カ国協議で北朝鮮、というか北の将軍様が得意の「パルチザン戦法」を炸裂させたようである・・・。 【中国の草案に5カ国合意 北朝鮮説得が焦点 - 毎日新聞2005年8月4日】 「北朝鮮の核問題をめぐる第4回6カ国協議は9日目の3日、共同文書作成に向けた第4次草案の調整がつかず、予定された首席代表会合は開かれなかった。北朝鮮が「核の平和利用」に関する表現に難色を示したためとみられ、議長国・中国が説得を続けた。北朝鮮が4日、説得にどう応じるかが最大の焦点になった。  米首席代表のヒル国務次官補は3日...... more
Commented by ジンマーマン at 2006-03-23 15:52 x
コストパフォーマンスとはいえ慧眼でしたね。日本においては中空構造がずっと、スタビライザーでした(笑)。歴史的年代区分は西洋の歴史の普遍性を前提していますから、それへの一撃ですね!
Commented by へいたらう(管理人) at 2006-03-23 15:56 x
>ジンマーマンさん

コメント有り難うございます。

「欧米には欧米の都合が御座ろうとも、アジアにはアジアの事情がござる!」ですよ。
「イギリス人は靴を履かない民族には靴を履かせなかったが、アメリカ人は靴を履かない民族に靴を強要して嫌われる」と言います。
彼らの民主主義という物が、如何に金科玉条であろうとうも、皆が皆、それを心地よいと思う物ではないんですよね・・・。
ここら辺が、アメリカはわかってないと思います。
Commented by D-KID at 2007-04-23 21:44 x
つまりは、米国の“民主主義、お仕着せ戦略!”がここに来てボロを顕してきている、と見て良いんですかね?
Commented by heitaroh at 2007-04-24 09:37
<D-KID さん

米国のお仕着せ戦略の破綻・・・といえば、そうなんですが、それ以前に、ギリシャ・ローマの頃から、国民主権というものの歴史がある西洋社会と違い、東洋では、王権支配を容認する空気が強く、つまり、民度の高低が違うということです。
だから、民度の低いところに、突然、良い物だからといって、民主主義を持ってきてもだめで、その意味では、まだ、王様があったほうが無難だということですね。
Commented by silverjihn at 2007-07-26 11:28
>民度の高低

経済圏など文明の衝突というよりは、思想、宗教圏をめぐる情緒面に起因する衝突が中東で起きているものであり、双方が重要視しているフィールドが全く違うのが問題かも知れませんね。

外交は、相手との相互的関係が成り立つから、有意義なものとなるわけで、共同体を重視する国に対しては、度量ある態度を持って望むべきだと思います。これは紛争の主体双方に言える事だと思いますが。
Commented by へいたらう(管理人) at 2007-07-26 17:39 x
< silverjihnさん

確かに。
かつて、イギリス人は靴を履かない民族には靴を履かせなかったが、アメリカ人は靴を履かない民族にむりやり、靴を履かせて嫌われた・・・と言う話がありましたよね。
とかく、欧米西洋社会に限らず、人間というのは、自分がごちそうだと思ったものは、他人もごちそうだと思うもののようで・・・。
でも、相手によっては、立派な箱物作るよりも井戸を掘ってくれというところもあるわけで・・・。
<< 空想 妄想 瞑想に迷走・・・ 軍事的能力は銀、政治的能力は金。 >>


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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