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耐震強度偽造問題その3 設計監査という結論。
親愛なるアッティクスへ

今、世上を騒がせている姉歯建築士と、ヒューザー小島社長というのは共に宮城県北部出身同郷だそうですね。
で、小島社長の方は置くとして、姉歯建築士は宮城県立古川工業高校卒で、1976年に高校を卒業後、東京中堅ゼネコンに就職したと言います。
彼は私の四歳上であり、まあ同世代と言っていい年代ですが、それだけに、何となく、これまでの姉歯という人の半生が透けて見えたような気がします。

実は、私の同級生にも、同じく工業高校卒設計士をやっている者が何人かいるのですが、(いずれも大変そうです。)そのうちの一人が、以前、ぽつんと言った言葉があります。
「設計士で高卒というのは、なかなか、大変なものがあるんだ・・・。」
まあ、安藤忠雄さんの例もあるわけですし、何より、違法行為をした姉歯建築士を擁護するつもりは、さらさらありませんが、地方の工業高校を出て、東京の中小企業に就職した人間が、自分で設計事務所を始める・・・ということがどういうことであったか。
同世代だけに、彼が上京後に生きてきた道程がわからないうでもなく、そう考えれば、マスコミに追いかけ回され、晒し者にされているあの姿は、自業自得とはいえ、何とも、哀れに思えて成りません。

で、前回の続きですが、「やはり、『審査される方が客』という構図の民間審査はダメだ!」という意見があるようですが、役所が審査していたら、見逃さなかったかと言えば、必ずしもその保証もないようです。
着工前の建築確認はうるさいくせに、竣工検査は受けないでも何も言われないという・・・(笑)。
すでに、制度自体が形骸化していたということでしょう。
となれば、必要なのは、「こういうことをしたら割に合わないよ。」と一罰百戒で教えることではないでしょうか。

この後、一度、民間建築審査会社で確認したものを、再度、役所が審査するのであれば、二度手間でまったく意味がないことになりますし、再び、「やはり民間には任せておけない・・・」ということで、すべて官がやるというのも規制緩和という主旨からすれば、時代の流れに逆行することになるのではないかと思います。
(そういえば、今思い出しましたが、以前、私の知人が勤務する化学工場の隣にマンションが建つことになったとき、役所などに「危険だ。」ということを申し入れに行ったそうですが、役所は、「これまでだったら、こういう近隣交渉問題が片づかないうちは、何だかんだ言って建築確認を降ろさなかったものが、今では、民間建築審査会社で確認が下りてしまうのでどうしようもない・・・。」と言っていました。)

元々、この件は、以前、平太郎独白録 「耐震データ偽造事件にみるヒルズ族性善説への期待。」でも申しましたように、権限を委譲した官の側にも、「指名停止、営業停止になりかねないことをするようなバカなやつがいるわけがない。」という思いこみがあったように思います。
となれば、今後は制度の破れている部分を繕えば済むことであり、あるいは、宅建業界のように、万一の時に備え、審査業者には、保証料として一定額を供託させるか、それとも保証協会加入を義務づける・・・などというのも一つの方法でしょう。

むしろ、この問題は、これまで散々言ってこられたことでしょうが、日本人には未だに馴染めない「自己責任」というものの一種であり、昨今、あちらこちらで起きている事件と同質のものだと言えるでしょう。
そういう視点で見てみたならば、今後も規制緩和というものの方向が変わらないと仮定すると、官が持っていた権限を民間に委譲すると言う流れに変化がないことが予想され、そうなると、施主・住宅購入者と言った人たちの側も、引き渡し前に、自分で選んだ第三者設計士監査依頼する、いわゆる「設計監理」ならぬ、「設計監査」という考え方が必要になってくるのかもしれません。
by heitaroh | 2005-11-30 00:52 | 時事問題 | Trackback(4) | Comments(0)
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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