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三十年一昔で今頃見る世界の「おしん」 その3
先日の続きです。

「おしん」の劇中、終盤の部分で、乙羽信子演じる老年のおしんと渡瀬恒彦演じる老人とが、会話の中で、「豊かさに慣れてしまうと本当の幸せがわからないから不幸」と言うシーンが有りました。
曰く、「私たちは白いごはん1杯にも、コッペパン1つにも幸せになれた時があった」・・・と。
大正生まれの老漫画家、水木しげる翁も同じようなことを言ってましたね。
「今の人は自分は不幸だと嘆くけど、私に言わせれば幸せのレベルが高すぎるんじゃないか」・・・と。
悲惨な戦場の中で隻腕となりながらも帰還を果たした人だけに「生きていられるだけで幸せ」という言葉には何とも説得力があります。

この点で、「世界全体が幸福にならないかぎりは、 個人の幸福はありえない」とは宮沢賢治の言葉だそうですが、人は生まれながらの幸福を最低限の幸福としてとらえる生き物であるとすれば、世界全体が幸福になるためには、世界大戦などで一斉に世界中で幸福のハードルが下げられる必要があるといえるのでしょうか・・・。
で、このおしんの会話ですが、実はその前段には、「子どもや孫らが贅沢な暮らしをしているのを見ていると、一度、どん底に落ちてみるのも悪いことではない」という台詞がありました。
おしんが言う「孫」とは、紛れもなく、当時、大学生だった私の世代でして、当時は、こう言われると、すぐに「そんなの知るかよ!」と反発してましたが、ところが、これは今、私が自分の家族に思うことでもあるんですよ。

思えば、私の世代は、おしん放送終了と同時に大学を卒業し、社会に出たものの、何年も経たないうちにバブルに踊り、バブル崩壊後は、世の中が悪いと嘆いては、ただただ右往左往するばかりで萎縮していくに任せていたわけじゃないですか。
つまり、おしんに指摘されてた通りの事態であり、これで息子たちの世代に対し、果たして「無気力」「ゆとり」「草食」などと批判する資格があるのか・・・と。
結局、日本を今のような状況にしてしまったのは他ならぬ我々の世代なんじゃないか・・・と。

e0027240_172223.jpg

とういうことで、このシリーズ、これまでと致したいと思うのですが、実は画像はすべて、ある共通点を持ってました。
まあ、地元以外、わかるはずもないことでしょうが、成年期のおしんの舞台となった佐賀県の物でした。
放送当時、佐賀県の回では嫁姑の確執が描かれたことから、「県のイメージダウンになる」とNHK佐賀放送局に抗議の電話が殺到したとか・・・。

親愛なるアッティクスへ
                                         平太独白
by heitaroh | 2013-02-16 18:15 | 社会全般 | Trackback | Comments(4)
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Commented by sakanoueno-kumo at 2013-02-18 22:22
>世界全体が幸福になるためには、世界大戦などで一斉に世界中で幸福のハードルを下げる必要がある

過激な表現ですが、的を射ている気がします。
今の幸福のハードルの高さだと、明治生まれの人は殆ど自殺ものですね。
もちろん、現代には現代の、昔の人には理解できない苦しみがあるでしょうけど。

「いまどきの若者はダメだ」とは、古代エジプトの書物にも記されていると聞きます。
また、「昔は良かった」という言葉も、奈良時代の書物にあるそうですね。
幸福も不幸も、その時代、その人の価値観によって違って当然だと思いますし、それを責めたり批判したりするのもナンセンスだと思います。

ちなみに「おしん」が放送していた頃の私は高校生でしたので、朝ドラなんてまったく興味がありませんでした。
田中裕子さんは好きでしたが(笑)。
Commented by heitaroh at 2013-02-19 15:09
< sakanoueno-kumoさん

以前、日本統治時代に日本軍として過ごした韓国人の老人が酔うとなぜか、ひどい目にあったはずの日本の軍歌を口ずさむのを見たことがありますが、私も同様に、泥酔すると口をついて出るのは、嫌というほど殴られながら覚えさせられた高校応援歌だったりします。
いつの時代も「昔は良かった」と思うのは人間の本能なのでしょう。
ノスタルジー映画が流行るのも頷けるような気がしますが、それはそれとしても、我々の世代に息子たちの世代を責める資格があるのか・・・と自分に問うております。

ちなみに・・・・田中裕子さん・・・はですねえ・・・、私は当時も今も、何が良いのかさっぱりわかりません(笑)。
Commented by 総集編だけじゃなく全編見よう at 2013-03-02 22:27 x
わたしは
あれだけ佐賀の姑から嫁いびりされたおしんが
息子の仁の嫁をいびり倒すようになる姿に感動しましたWWWW
Commented by heitaroh at 2013-03-03 13:43
<総集編だけじゃなく全編見ようさん

すみません。なかなか、前編見るほどの時間がなく・・・。
老後の楽しみにとっておきます(笑)。

息子の嫁、田中美佐子さんですよね。
まあ、今時の生意気な嫁・・・って感じの設定でしたので、おしんの時と違い、時代が違ったということを伝えたかったんでしょうが、それでも・・・ですねえ。
その辺は総集編ではあまり出てませんでしたが、当時、少しだけ見た記憶があります。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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