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中山素平翁に見る「男の顔は領収書」
親愛なるアッティクスへ

ぼちぼち、喪中ハガキが届く季節となりましたね。
ところで、元日本興業銀行頭取・中山素平さんが死去されたニュースを聞いたとき、私は驚きを持って迎えました。
元より、知り合いであるはずもなく、驚いたのは、「えー!この人、まだ生きてたの!」ってことで。
ドラッカー(世界的に著名な経営学者)が亡くなったときにも同様の驚きを隠せませんでしたが、ただ、ドラッカー氏に関しては、亡くなる少し前にも日経新聞に連載などを載せられてましたから、亡くなった時点での驚きはそれほどまではありませんでした。
でも、この中山素平という人物については、晩年はあまり、表に出て来られなかったこともあり、失礼ながら、とっくの昔に亡くなってるもんだとばかり思ってました・・・。
だって、この方が日興銀の頭取に就任されたのは、私が生まれた年ですから。
まあ、実際に、享年99歳だったと言いますが、マジで結構、驚きました。

で、私がここまで驚くのには、もうひとつ、伏線があります。
それは、以前、平太郎独白録 「財界四天王の遺訓にみる五十年前の経営者の気概!」の中で親戚宅より三鬼陽之助という老財界記者の著書をもらってきたと申しましたが、その中の一冊にこの人のことが載っていたからです。
本の内容自体は、おそらく、戦前戦後から昭和30年代くらいまでの、様々な財界人、企業人のことが教訓として述べられたものでした。
(つまり、中山翁は本田宗一郞、松下幸之助、五島慶太、小林中・・・といった人たちと同列に取り上げられていた言うならば、歴史上の人物だったのです。)

で、同書の中でこの中山素平という人について覚えていることがあります。
戦局悪化著しい昭和20年3月、遂に軍部より、「日興銀の中からも招集することとなった。ついては、最低限、銀行業務に必要な人間だけ除いて、招集していい者の名前を順に書いて差し出すよう!」という命令が来たそうです。
そして、その招集者名簿作成を命じられたのが、当時、日興銀の人事部長であった中山素平その人であったとか。
突然の業務命令に中山部長は、大いに悩みます。
部下たちに順番を付けて、明日をもしれぬ戦場に放り出さなければならない。
中山翁のような好人物にとっては、我が子の命に順番を付けるようなものだったでしょうか。
で、どうしても書けずに、遂に提出日の前日となります。
世が白々と明けてきた頃、中山人事部長、意を決して、ある人物の名前を第一行目に書き込んだところ、それからは、不思議とすらすらと書き上げることが出来、その足で招集者名簿を総裁に提出したところ、総裁は、中山部長の腫れた目と、その第一行目に書かれた人物の名前を見て、何も言わず、一言、「よかろう」と。
その第一行目に書かれてあった名前・・・それは、「中山素平」だったそうです。

ここまで書いて、思うことがあります。
かつて、「男の顔は領収書」という本があったのを覚えておられますでしょうか?
別にこの本を読んだわけではないのですが、この年になってくると、何となく、言わんとすることが思い当たるようになりました。
人を騙したり陥れることばかり考えてきた人間は、年とってくると、そういう顔になっちゃうんですね。
ちなみに、私は同業者のおじさんたちを、心の中で、「一癖二癖・・・どころか無くて七癖おじさん」と呼んでいました(笑)。
                           平太独白
by heitaroh | 2005-11-24 17:50 | 思想哲学 | Trackback(1) | Comments(4)
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Tracked from 世の中の想定外な事 at 2005-12-13 20:02
タイトル : 無くて七癖、欲は七欲?−その1完結編
私にとっての目下、一つ目の「欲求」   あのカメラ付き携帯電話! 買いたいという欲求は、満たされた!去ること3日前12月8日、カミサンを誘い出し劇はスタートした・・・。 鉄は熱いうちに打て!ということになりますね(^.^)・・・カミサンの気が変わらないうちに?...... more
Commented by サワディ at 2005-11-25 00:53 x
トラバありがとうございます 中山素平さんの人事部での話は始めてです 何となく中山素平さんらしい話だと思い改めて鬼籍に入るには早いなと思っております 企業のトップの姿勢こそがその企業の風土や業務に反映すると思いながらヒュ-ザー社長の顔を思い出して苦笑いする自分自身がいました これからも小気味良い内容をお願いします
Commented by へいたらう(管理人) at 2005-11-25 14:53 x
>サワディさん

コメント有り難うございます。
ヒュ-ザー社長みたいな顔、あの業界にはたくさんいますよ(笑)。
すっかり、魑魅魍魎背負ったみたいな人。
あの業界は通称、「千三つ屋」と言いまして、まあ、千に三つ当たればそれで飯が食えるという意味なんですが、同時に「千に三つしか本当のことを言わない。」とも言われております・・・。
Commented by Chokmok at 2005-11-30 01:15 x
こんにちは。はじめてコメントします。しかし、う~ん、どうなんでしょう。悪者顔をしてたしかに悪い人間よりも、無味乾燥な中立的な顔をして実は悪い人間のほうが、はるかにたちが悪いと思います。それは、ある意味で、われわれ誰しもなりうるものだと思います。あまりにもごく普通に、そして結果として大変な大罪を犯してしまう、-- 偽造設計を放置していた政府の人たちが、まさにそういう存在の典型例ではないかと感じます。
Commented by へいたらう(管理人) at 2005-11-30 17:45 x
> Chokmok さん

はじめまして。

コメント有り難うございました。
確かに、無意識で悪いことしているという輩が一番、始末におえませんね。
また、悪人顔していても、実はすごくいい人・・・という事例も、実際に知ってます。

しかし、人は多かれ少なかれ、一定の年齢まで来ると、半生が顔に出るようですね。
顔が怖いだけで実際には好人物というような人は、よく見ると目が優しかったりするようです。
むしろ、はっきりと顔にでてしまうのは、その逆の人の方でしょう。
実際に、そういう人を少なからず見てきましたから・・・。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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