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フランス暴動と「紀宮」ご成婚に見る犯罪についての考え方
親愛なるアッティクスへ

フランス暴動、なかなか、終わりそうにありませんね。
どうして、フランス政府は戒厳令を布こうとしないのか、私にはむしろ不思議でなりませんし、サルコジ内相の支持率が未だに52%もあるのかも理解できません。
シラク大統領としては、政敵サルコジが完全に行き詰まるのを待つ構えでしょうか。
(この辺り、八代将軍徳川吉宗と、ことある毎に吉宗に反した政策を実行した、政敵、尾張徳川家七代当主、徳川宗春との関係に似ているような気がします。)

思えば、フランスには、フランス革命に始まり、七月革命、二月革命、五月暴動、六月事件、パリ・コンミューン、そして、アルジェリア独立騒乱・・・と、元々、こういう事態が起こりやすい土壌があるように思えます。
フランスという国は、気位だけは高く、そのくせ実力伴っていない
そして、そのしわ寄せが、いつも弱者に向かい、暴動という形で結実する・・・。
(今や世界の共通語としての地位を確立した観がある英語に対し、「あくまで、フランス語を!」という時代錯誤に象徴されているような・・・。)
ここに、ナポレオンのような人物が登場する素地があるのが、何となく、わかるような気がしますね・・・。

ところで、「治安」という点で言えば、ひとつ、気になることがあります。
今朝の朝刊の一面は、当然のように「紀宮」改め、黒田清子さんの結婚式のニュースばかりでしたが、この後の清子さんの警備はどうなるのでしょうか?
臣籍降下した以上、都庁のイチ職員の夫人なんでしょうから、SPなんて付かないんですよね。
ご本人も気が楽と言えば気が楽でしょうが、今の日本の治安の悪さをご存じなんでしょうか?
皇籍離脱、つまり、皇族から平民の家へ嫁ぐ・・・と言うのは、45年前(昭和35年)の島津貴子さん以来だとか。
当時は、皇室に対しても、畏敬の念が今よりもずっと強かった反面、戦争による爪痕も深く、皇太子(現今上天皇)のご成婚パレードでは狼藉をはたらこうとした若者が逮捕されるといった事件が起きました。
ところが、今は治安という面では、その質が違うんです。

先日、東京町田で、女子高生が同じ学校の男子生徒からメッタ刺しにされて殺されるという痛ましい事件が起こりましたよね。
テレビの評論家やコメンテーターが色々と、もっともらしいことを言ってましたが、現実にはあのくらいの年の男の子の考えてることは、今も昔も、大体、一緒なんですよ。
ただ、当時と今と違うのは、我々の時代は、それはあくまで、「理論的に可能なこと」であって、「現実に実行する」ことではなかったことです。
我々の頃は親の目を盗んで手に入れた「エロ本」(これまた、死語!)という一種、閉鎖的な世界の中のだけであったものが、今では、インターネット時代ということもあるのでしょう、アメリカから過剰な表現のものがたくさん入ってくるようになり、(最近でこそ、R-15指定などと言い始めましたが、少し遅きに失した観が・・・。)それに触発されて、開かれた存在であるはずの普通の少年マンガなどにも、そういった行きすぎた表現の物が、多々、見られるようになってしまいました。
そうなると、これまでは、タブーであったものが・・・。
それが、この町田の事件然り、コンクリート詰め事件然り、女優山口智子襲撃未遂事件また然りです。

となると、皇室に対しても、以前の「皇太子ご成婚パレード」のときのような思想的な背景があるといった高尚なものではなく、清子さんを誘拐して、身代金を要求しようなどという低俗犯が出てくる可能性があるということです。
以前だったら、「皇室に対して云々」以前に、それを行うことへの損得勘定を計算するゆとり(?)があったのですが、今では、そういったことを考える間もなく、そこに欲しい物があるから飛びつく・・・的な、まさしく、犯罪というものが、「大人の犯罪」から、「子供の犯罪」へと、まるで質が変わってしまったと言うことがあるように思えます。
有名人の遺骨を盗んで身代金を要求するくらいですから、無いとは言い切れないでしょう。)
まあ、これまで通りの警備が行われるとか、あるいは、それなりの邸宅に住み、それなりの警備を自前で実施する・・・といったことが行われるのならいいのですが。
「取り越し苦労!」とお笑いになるかもしれませんが、私が言いたいのは、犯罪の質の変化を考慮した上での可能性の問題なのです。

結論を言うならば、やはり、私は日本人には、「(表現の)自由」というものは、少し早すぎたように思えて成りません。

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by heitaroh | 2005-11-16 08:44 | 時事問題 | Trackback | Comments(6)
Commented by carpediem at 2005-11-16 14:24 x
トラックバックから飛んできました。

暴動という形で真っ先に問題が表面化した理由の一つに、フランスのそういう土壌がもしかしたらあるのかもしれませんね。ただ、私が接しているフランス人(数は少ないですが…)に限って言えば、若い世代の間では意識もだいぶ変わっているようです。
暴動の原因となった移民問題は、フランスだけでなくヨーロッパ全体が抱えています。むしろ私は、今回はたまたまフランスだっただけで、他のヨーロッパ諸国でも起こりうる事態だと感じています。
Commented by へいたらう(管理人) at 2005-11-16 16:37 x
> carpediem さん

コメント有り難うございました。

私は恥ずかしながら、フランス人に知り合いはいません(苦笑)。
しかし、複数の人から、フランス人については同じようなことを聞きます。
ただ、そういうフランス人の独特の気位の高さというものは、特に「パリ」に強いみたいですね。
ニースにいた友人に聞いても、全然、そういう話はありませんでしたから。

それから、確かに移民問題はヨーロッパ全体の問題でしょう。
しかし、なぜ、それがフランスで勃発したかは考慮しても良いのでしょうか?
同じ移民問題でも、イギリスではテロという形で起こり、フランスでは暴動という形で起きる。
ここにも、両国の移民というものへの意識の違い見て取れるように思いますが如何でしょうか?
Commented by carpediem at 2005-11-16 21:09 x
へいたらうさん、返信ありがとうございます。

>移民というものへの意識
それは、国の移民政策と解釈してもよろしいでしょうか?
移民に対する国民レベルの意識はあまり変わらない気はしますが…。
政策という点では仏は同化政策、英は多文化主義を標榜しており、建前上は違いがありますね。同化政策というところに、へいたらうさんのおっしゃる「フランス人独特の気位の高さ」、国民性が表れていると考えれば、納得です。
一方で、両国とも旧植民地国系の移民を他の移民より優遇しているところは共通しています。英テロも仏暴動も、騒動の中心がこの旧植民地国系の移民であるところが興味深い。

以上から、確かに、両国の移民への意識の違いがないとは言えないと思います。ただそれをテロと暴動という抵抗の形態の違いに結びつけることには疑問を感じます。英でも、2001年7月にブラッドフォードというところで、パキスタン系住民による暴動が起こったそうですし。単にきっかけの問題ではないかと。根底に流れるものはやはり共通しているのではないでしょうか。

調べていくことでとても勉強になりました。
長々とつたない文失礼しました。ありがとうございます。
Commented by じゃかりご at 2005-11-17 02:35 x
TBありがとうございます。
「元々、こういう事態が起こりやすい土壌」「素地」といのは、案外主な要因のひとつかもしれませんね。もちろん、それだけに原因を求めるのは間違いですが、「フランスでは個性が重要。自分の意見が他人と同じであったら、あえて違う意見を言う」みたいなことを聞いたことがあります。‘国民性’っていうのは大きいかもしれませんね。
Commented by heitaroh at 2005-11-17 10:13
>carpediem さん

ご丁寧にコメント有り難うございました。
そうですね。確かに舌っ足らずなところがありましたね。
まず、重ねて申しますが、私はフランスにもイギリスにも友人はおりませんので、哀しいかな又聞き、もしくは本からの知識ということになります。
いつもどこかに行って痛感するのは、これほどマスメディアが発達しても、現地に行かないとわからないことがあるんですよね。
この点で、やはり、限界があり、不勉強のほどは伏してお詫び致します。

次に、このコメントを書く欄が非常に小さく、書きづらいということもあり、どうしても、舌っ足らずになりがちです。
私はイギリスで暴動が起きたのは知りませんでしたが、イギリスでテロ、フランスでは暴動・・・と書いたのは、そうならない為の取り組み方の問題でした。
参考→http://heitaroh.exblog.jp/916185/

フランスは暴動が起こらないように、あるいは移民がテロに走らないように、何か事前に対策を講じていたのでしょうか?
不勉強で申し訳ないのですが、あまり、この点が聞こえてこなかったものですから・・・。
Commented by heitaroh at 2005-11-17 10:21
>じゃかりごさん

コメント有り難うございました。
以前、テレビのバラエティ番組でドイツ人とイタリア人とフランス人を一台のバスに乗せて、東京見物をさせる・・・という番組がありました。
やらせかもしれませんが、ドイツ人は全員、まじめで時間に正確。
イタリア人は全員、いい加減で、明るい。
それに対して、フランス人は気取ってる・・・と思いきや、一人を除いて、皆、気さくで明るく・・・。
で、その一人というのが、本当に気取っていて、「冗談じゃない。こんなの食べられたもんじゃない。バスをカフェの前で止めてくれ。」などと言ってました。
で、苦い顔のドイツ人をよそに、平然と食べるのを見て、フランスの同胞曰く、「ああ、あいつはパリっ子だからね。」と。

その人個人の資質の問題なのかもしれませんが、結構、フランス人に対してはこういう話を聞きますね。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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