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「私の履歴書 保守政権の担い手」読了雑感 その2
親愛なるアッティクスへ

昨日の続きです。

で、これらの中でまず、興味深かったのが田中角栄元首相・・・。
この人は、苦学独行で総理まで上り詰めた苦労人でありながら、そこは、やはり天性の陽性の人らしく、どんなに酷い目にあわされてもあまり恨んだりせず、殆ど、人の悪口や非難めいたことを書いてなかったのが印象的でした。
が、それだけに、そういう人が「憤慨」した記述を残すということは相当、許せなかったんだろうな・・・と思いましたね。
その部分は、戦時中、一兵卒として従軍したものの、まもなく高熱が出て内地に送還され、生死の境をさまよった際のこと。

医者が財布の中の札の番号を控え、時計の番号を記録しながら、「食べられたら何でも食べて良い」と言って去って行った・・・という記述の後で、珍しく、「こんなことをされたら、生きる病人も死ぬ」・・・と。
角栄さんは、早春の上野駅のコンクリートの上に担架に乗せられたまま半日も放っておかれても、また、移送された仙台で運搬役の下士官たちが残雪の上に病人を放置したまま、長々と報告を続けていた時でも、実に淡々と延べるに止めておられましたし、後にも先にも、非難めいたことを述べられたのはこの部分だけでしたので、なおさら、氏の憤然とした想いが伝わってくるような気がしましたね。

この辺は同じく、軍の病院に入れられた後藤田正晴氏もその環境の酷さについては言及されてましたが、要は、病院に収容されたような兵士はもう、不用品だった・・・ということなんでしょう。
ただ、ここで少し思い出したのが、以前、知己より聞いた話ですが、終戦直後、国共内戦(?)で負傷した中国兵は自国の看護婦ではなく、皆、日本人の看護婦に看護してもらいたがったという話でして・・・。
まあ、真偽のほどは知りませんが、要は日本人の医療は中国人のそれに比べ清潔であり、中国兵もその辺を皆、知っており、それゆえに日本人の看護婦が重宝された・・・ということのようでしたたが、でも、少なくとも、田中、後藤田両氏の回顧を読む限りでは、とてもとてもそんな風には思えませんでしたけどね。
まあ、内地と外地では違ったのかもしれませんが。

その、後藤田氏が筆を執ったのは角さんが寄稿してより四半世紀経った後のことでして、少し、隔世の感が無きにしも非ず・・・という感じでしたが、この人の回顧の中では、かねてより疑問だった部分について、一端ながら触れて戴いてたのが一番、有り難かったですね。
それは、中曽根康弘内閣の官房長官時代、ペルシャ湾への海上自衛隊派遣を推し進めようとする総理の意向に真っ向から反対し、「閣僚としてこの法案にサインしない」とまで言い、結局、総理を翻意させた・・・という有名な話についてでして・・・。
私はかねてより、他者ならともかく、後藤田さんほどの人がどうして、この、一見当たり前のように見えることにそこまで反対したのか・・・が疑問だった次第です。

また、次回に続きます。
                            平太独白
by heitaroh | 2011-12-17 18:14 | 歴史 | Trackback | Comments(0)
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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