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中国高速鉄道事故は大きな国の主義で括れない危険
親愛なるアッティクスへ

中国高速鉄道事故は大きな国の主義で括れない危険_e0027240_10395799.jpg先般からの中国高速鉄道事故とその後のあまりに杜撰な処理についてですが、日本人の感覚からいえば何とも信じられないやり方で、かなりの人がこれを冷笑をもって見たのではないかと思います。
(←以前、重慶で見た工事現場です。左下の標語は「安全を忘れるな」・・・でしょうか。日本でいうところの「安全第一」だろうと思いますが、私には傍らの高層ビルが冷たく見下ろしているようで、何とも寒々しく聞こえます。その横は、「珍しく命を惜しめ」・・・?でしょうか(笑)。)

私も友人からそういうことを言われたのですが、実は、私には少し違う感慨がありました。
いつだったか、テレビで中国人の実業家が「小さい国には小さい国のやりかたがあるように、大きな国には大きな国にあったやりかたがある。少しくらいのミスには構うことなく前に進むことだ」というようなことを言ってましたが、私はこれは一理ある見解だと思います。

この辺の日中の違いを私は以前、トラックの荷造りに例えて申し上げたことがあったと思いますが、日本というトラックは各荷物を安定するように揃えて詰んで運ぶのに対し、中国というトラックは四角であろうが丸であろうが、とにかく片っ端から積み込み、そのままシートで被って出発する・・・。
途中でばらまこうが、散らかそうが関係ない。
しかし、その分、往復の回数を増やすことで収益を確保する・・・と。

これは日本人の感覚からすれば、何とも無様なように見えますが、でも、回数を運んでほしい人にとってはこちらの方が向いているわけで、要はニーズの問題なのだろうと思います。
その一例となるのが、カンボジアアンコールワットの修復についてだと思います。
同遺跡の修復にあたっては日本のそれは国内の文化財修復で培ってきたノウハウそのままに既存の部分との違和感がないように丹念に仕上げますが、中国のそれはとにかく、修復したという形だけあればいいというようなものでして・・・。
ところが、カンボジア政府はこれに大きく感謝していたんですよ。
いわく、「短期間でこれだけの数をやってくれたことに大いに満足している」・・・と。
(この点は万里の長城の作り方にしても然りです。日本人の考え方ではああいう作り方はしないなと思いましたが、でも、あれはのんびりした環境で作ったわけではないですからね。一方で敵を撃退しながら作ったわけで・・・。)

ただ、今回の鉄道事故についていえば、「少しくらいの」という範疇を超えていると思います。
ああいう、世界に報道されたような大事故を「壊して土に埋めて翌日から普通に走らせる」というのがまかり通るようでは、逆に暴走を招きかねず、中国のこれからのためにも良くないですよ。
温家宝首相も駆けつけてくるのが遅いし。
ご本人は病気だったと言っておられましたし、確かに顔にもやつれがめだちましたが、おそらくはそれ以上に「軍」に対する遠慮があったのではないでしょうか。
中国の鉄道省というのは要は昔の満鉄で、国共内戦当時、兵員の輸送に利用されたことから人民解放軍の一組織で、以来、軍が手放そうとしなかった権益だったのが、ようやく、最近、鉄道省になった・・・と聞きましたから。
                                         平太独白
by heitaroh | 2011-08-09 08:39 | 国際問題 | Trackback | Comments(4)
Commented by mohariza6 at 2011-08-13 14:10
要は、中国は、まだ「人間の命に多大な価値を置く」ことまで行って無い低文明国なのだと思います。
人の命より、名だけの「世界一」を求め、人間(特に漢民族以外)の命を粗末にしている国。

本当の文明国になったなら、人間の命に価値を見出すようになるでしょうが・・・、

人口が多すぎ、貧富の差が余りにも大きすぎ、経済や文化が、国(国民)の隅々まで行くには、まだまだ、時間が掛かると思います。
Commented by heitaroh at 2011-08-13 15:02
<mohariza6さん

まあ、おしゃる通りなんでしょうね。
ただ、良い悪いは別にしても、あの国にはあの国の尺度があるわけで、日本人の尺度を当てはめて冷笑するのはいかがなものかと思います。

>本当の文明国になったなら、人間の命に価値を見出すようになるでしょうが
>経済や文化が、国(国民)の隅々まで行くには、まだまだ、時間が掛かると思います。

いえ、あの国に限ってはそういう時代は永遠にやってこないでしょう。
その辺を振り落としながら、それに構わずに進むのがあの国の特性です。
Commented by sakanoueno-kumo at 2011-08-19 10:38
少し前までなら、さすがは中国と冷笑をもって見たと思いますが、この度の原発事故で露呈した安全管理の杜撰さや、その後の政府や東電の対応を見ていると、日本も大して変わらないような気がしないでもないです。
Commented by heitaroh at 2011-08-19 16:11
< sakanoueno-kumoさん

おおむね、私も同感です。あまり偉そうなこと言えた義理じゃないじゃないかと。

ただ、違うとすれば、その後の対応・・・でしょうか。
さすがに、壊して埋める・・・というのは、発想の時点で・・・。
やはり、野党がない国ならでは・・・ですね。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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