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ヘッジ・ファンドは政治の怠慢を促進させる苦い薬?
親愛なるアッティクスへ

ヘッジ・ファンドは政治の怠慢を促進させる苦い薬?_e0027240_8571888.jpgギリシャに続き、アイルランド危機的様相を呈してきましたね。
昨日、EU当局は「厳しい条件付き」で支援要請を受け入れたとか。
5月に、EU及びIMFによる1100億ユーロを注ぎ込んだギリシャ支援措置が打ち出されましたが、ギリシャ政府はこれと引き換えに緊縮財政措置を約束し、その結果、国民による大規模な抗議運動につながったことは記憶に新しいところでしょう。

(←いつの時代にも「格差」はあるもののようで・・・。)

まあ、これなどは何年か前のインドネシアなどの通貨危機の時と同じ構図でしょうが、支援する側が、支援される側に、金を貸す以上、節約を求めるのは当然のことでもありますが、ある意味、典型的な銀行員の発想ですよね。
国際支援と一般的な企業などへの融資と一律的に考えるのは少し、危険な気もしますよ。
今回も、アイルランドの銀行に貸し込んでいるイギリスや、同様に、巨額の財政赤字を抱えるスペインポルトガルなどのユーロ圏諸国にも波及する恐れがあると懸念されてきましたが、一方で、ドイツの財務相は、「アイルランド問題jは正しい解決策さえ見つけ出せば、他国に波及しない可能性は高い」と言い、これを重要視しない姿勢を示した・・・とも言われています。

その上で、これらの問題を語る上で、どうしても触れなければならない物に「ヘッジ・ファンド」の問題があります。
主に、欧州で「ヘッジ・ファンド元凶説」の声が高いようですが、その主な根拠は「ヘッジ・ファンドは各国の弱みにつけ込み、ハイエナのように暴利を貪る汚い連中」・・・ということではないでしょうか。
でも、その国の不備是正するのは本来、政治の役割ですよ。
言うならば、放っておけば無期限に続きかねないそれらの政治の怠慢、平たく言えば、政治が機能しないことに対して、対応を促す役目を果たしている・・・ともいう見方もできないでしょうか。
(日本政府も他人事・・・どころか、中国に依存していたレア・アースの問題、世界的な農地確保の問題などは早くから指摘されていたことであるにもかかわらず、何も対応してこなかったことを思えば、何をか言わん・・・でしょう。)

結局、通貨だけは統合しても、主権はそのまま加盟各国に置いたまま動かそうとしないEUに対し、ヘッジ・ファンドが尻を叩いたという見方も出来るわけで、その意味では、ヘッジ・ファンドは必要悪だと考えて良いのではないでしょうか。
怠慢をしてきた連中にとっては、かなり、苦い薬にはなるでしょうが、彼らがせっつかなければ、何も先に進まないようにも思えます。
ちなみに、EUについて言えば、以前から申し上げていたとおり、まずは、ドイツ=フランス連合から始めるべきだったでしょう。
まず、ドイツ=フランス連合から「連邦」にまで高めて、ある程度、しっくりしてきたら、次(イギリス、イタリア、スペイン)を加えていく・・・。
いきなり、同じヨーロッパだからといって、いきなり、ウラル以西にまで拡げようとしてしまうのはどう考えても無理がありますよ。
                                         平太独白
by heitaroh | 2010-11-22 06:48 | 国際問題 | Trackback | Comments(2)
Commented by mohariza6 at 2010-11-23 03:10
私は、「世界は一家・・・」とは、幻想で、理想でしか、無いと思っています。
EUと云うヨーロッパの統合は、<幻想>が現実化した<虚構の国>と思っています。

経済統合されても、国民性、地域性、各国の風土は、統合しようも無いものと思います。

<連合>なら、あり得ますが、その内、破綻が来るように思います。

根っこの部分から云うと、<統合>は、<理想>と云う概念だけでしか無く、
各国の民衆は、決して、喜んで無いように思います・・・。

ヨーロッパの生(なま)の空気(こえ)を知らないので、分かりはしませんが・・・。
Commented by heitaroh at 2010-11-25 15:25
<mohariza6さん

仰るとおりでしょうね。
ただ、EUに関しては、壮大な実験であるという見方をしたならば、性急に事を進めるのではなく、百年、千年のスパンで進んでいって欲しいとも思っております。
そうでないと、そもそもが無理がありますよ。

>各国の民衆は、決して、喜んで無いように思います・・・。

EU選挙には誰も興味を示していませんでしたしね。

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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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