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ドラマ「ゲゲゲの女房」に日々黙考 その4
親愛なるアッティクスへ

昨日の続きです。

ドラマでは、いよいよ、水木しげる翁が世に出る運が向いてきましたね。
その一方で、南 明奈ちゃん演じる若き女流漫画家が受け入れられず、消えようとしていますが、水木翁はいくら世間から「こんなゲテモノ」と酷評されようとも自分のスタイルを変えず、対して、彼女は売れるために世間に合わせて、小さくまとまった物に変えてしまった・・・と。
この、水木翁とアッキーナちゃんの差、この辺は、私には良くわかります。
私も色々、言われましたから。
あるメルマガには、「出版とは営利事業であり、商業ベースで売れる物が要求される」・・・という記事もありましたが、確かに彼らの言うことはもっともなことなんですよ。
ただ、そういう話ばかりを聞いていると、あまりの無機質さ気が滅入ってくるんです。
もっと、ロマンが無いと・・・と。

また、私は「売れるように作った物だけが売れる」とは考えておりません。
それは、「市場に合わせて作っただけで、市場を創造したわけではない」・・・というケースが多いからで、市場とは常に流動的な物であると考えれば、「売れるように作った物」は「すぐに売れなくなる物」だともいえるでしょうか。
事実、このドラマでも、編集者氏が「ザラッとした物がないとダメ」ということを言ってましたが、これなどは私も実に同感だと思います。
(まあ、この辺は何ら実績がない私如きが言うのも何なんですが(笑)。)
その点で言えば、「ジョジョの奇妙な冒険」などは絵を見た瞬間に、「あ、これは売れる」と思いましたよ。

で、その水木翁の代表作とも言える「ゲゲゲの鬼太郎」ですが、これがテレビアニメ化されたのは昭和43年(1968年)1月だといいますから、まさしく、私の小学校入学前後の時期に当たるわけで、当時は白黒でしたので、その辺の質感もあったのかもしれませんが、その後のカラー作品には無い、間違いない、「ザラッとした物」がありましたよ。

ドラマ「ゲゲゲの女房」に日々黙考 その4_e0027240_18185833.jpg特に私が覚えているのが、「昔の木造家屋の窓外にあった小さな出窓のような所に夜ごと光り輝く不思議な花が咲いたことから、相談を受けた鬼太郎たちが行くと、その花の茎が見る見る伸び、鬼太郎たちに絡みついて締め上げようとする。が、なぜかそこに住む少女のみには花は攻撃しようとはせず、触れるとすぐにほどける。で、この謎を解くべく鬼太郎らは、この花の種が飛んできたと思われる南方の孤島に向かい、苦労して、ついにジャングルの中で妖花の大木を発見。すると、この大木は戦死した少女の父親の遺体の養分を吸って成長した木だったことがわかった」・・・という話です。
(たぶん、第32話の「妖花」ではないかと思いますが。)

ドラマ「ゲゲゲの女房」に日々黙考 その4_e0027240_18194756.jpgつまり、娘を独り遺して、望みもしなかった最果ての孤島で散らなければならなかった兵士の魂が、娘心配さのあまり、一粒の種として娘の元へ飛んで来た・・・というわけです。
子供心にも、他の単なる勧善懲悪のストーリーと違い、何かしら感じる物がありましたよ。

この辺は、絶望的な戦場で片腕を失わざるを得なかった水木翁としても、何らかの感慨があって描かれた作品ではなかったでしょうか。
                                         平太独白
by heitaroh | 2010-07-07 08:34 | 時代観 | Trackback | Comments(5)
Commented at 2010-07-08 09:53
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2010-07-08 09:53
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by heitaroh at 2010-07-08 12:55
<非公開コメントさん

大変、失礼致しました。
委細はそちらへコメントさせて頂きました。
Commented by エリモジョージ at 2010-07-09 16:10 x
戦争体験者がどんどん少なくなっている昨今、全体論より個人的な意見を素直に、かつ多く聞く必要があると思っています。
よく戦争の話、特に当時の軍国主義や神風特攻隊の話をタブー視する人を見かけますが、二度と同じ過ちを犯さないためにも胸襟を開いて聞くように心がけておくべきじゃないでしょうか。
政治や相撲界などに通ずる「隠蔽体質」が今の日本の最も悪い流れを作っていると思いますが。
Commented by heitaroh at 2010-07-09 17:53
<エリモジョージ さん

この問題については、私も自分なりの考えは持っているのですが、右からも左からも受け入れられない考え方でして、それを言えば、色々な方からこれでもかとお叱りを受けますので、ここでは差し控えさせて頂きますが、「個人的な意見」の一端としては、こちらをご覧頂ければと思います。
   ↓
http://heitaroh.exblog.jp/3496779
<< 久々の金さんだ ドラマ「ゲゲゲの女房」に日々黙... >>


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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