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自社の社史を通読せずして入社するの愚
親愛なるアッティクスへ

自社の社史を通読せずして入社するの愚_e0027240_10533123.jpg先日、三鬼陽之助という、今は無き、老財界記者がオイルショック直後の昭和48年(1973年)に書いた著書を読み終えたと申し上げましたよね。

で、今、別の物を読んでいるのですが、それによれば、この方は本来、文学部志望だったそうでうすが、親の希望で法政大学法学部へ行き、その後、昭和6年(1931年)、卒業後、人に勧められて財界関係のことを扱う出版社に入った・・・のだそうで、従って、内心では嫌々ながらの就職であったと・・・。
しかし、一旦、入社するとなったからには、それまでの文学書をすべて処分し、経済関係の物に変えたそうです。

で、そこまでは私も特に驚くことはなかったのですが、少し考えさせられたのは、この方は、経済書、専門書はもとより、「入社するに当たってはその会社の社史通読・熟読して入社に臨んだ」・・・という部分でした。
これは、この方にとっては、「自分が、これから入社しようとする会社のことを知っておくのは当たり前のこと」・・・で、今は、まあ、そういう時代ではないのかも知れませんが、確かに言われてみればその通りで、一生、定年までそこで働くかもしれない会社なわけでしょ?
であれば、知って、調べて、入社するのが当然ではないかと・・・。

その意味では、本来であれば、正史である社史はもとより、ああいう財界誌などのバックナンバ-などから見える裏面史、すなわち、過去の経済事件やそこから見えてくる体質なども知るべきなのでしょう。
もっとも、就職氷河期の現代ではそんな悠長なことを言っている場合ではないのでしょうけどね。
と言いながら、私自身も、新卒の頃、当然、就職活動はしましたが、まったく、そんなことは考えませんでしたが。

ちなみに、社史に通暁しているというのは、そこの社長は凄く喜んだらしいですよ。
「そんな話、古参社員でも知らんよ」と言って(笑)。
転職するたびに、社史を読んで入社すると、やはり、どこでも社長は喜んだ・・・と。
誤解のないように申し上げると、これは、社長に気に入られる云々ではなく、如何に、自社のことがわかった上で入社してきたか・・・ということだと思うんですよね。
第一、会社の規模や内容によっては入社したからと言って社長に会えるとも限らないし、中には、先輩社員から「おまえ、暇だな」とか、「くだらねえことばっか知ってるな」とか、嫌みの一つも言われるかもしれません。
でも、これって見落とされがちなことではありますが、自分が所属している団体の過去を知るというのは大事なことではないでしょうか。
                                         平太独白
by heitaroh | 2010-05-26 07:07 | 経済・マネジメント | Trackback | Comments(5)
Commented by sakanoueno-kumo at 2010-05-27 16:11
自分が所属している国の歴史を知ることと同じですね。
Commented at 2010-05-27 20:05
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2010-05-27 20:07
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by heitaroh at 2010-05-28 10:46
< sakanoueno-kumoさん

まったくその通りですね。
社史の場合、自分の結婚相手のこれまでを知るというに相応しく、国の歴史というのは自分の家の成り立ち、自分が生まれる前の親のことを知るに等しいでしょうか。
Commented by heitaroh at 2010-05-28 10:48
<silku928さん

有り難うございます!
大変、参考になりました。
意外に近いのにびっくりしました(笑)。
むしろ、着いてからの方が遠いような(笑)。
<< 国民性比較論は黒澤明とゴルゴ1... 博多駅前史異聞 その4 字馬場 >>


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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