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三国志の世界その1、「乱世の奸雄」曹操の憎いセリフ 後編 
親愛なるアッティクスへ

昨日の続きです。

曹軍は、少数とはいえ、諜報機動力と言う点で、袁軍(あるいは、大軍にありがちな寄せ集めだったのかも。)とは比べものにならないほどに鍛えぬかれていたと思います。

この緒戦のもつ意味としては、劣勢の曹操としては、とにかく、自軍の士気を保つ為にも、局地戦でも前哨戦でもいいから、勝ち続けていかねばならなかったと言えるでしょう。
優勢側は少々、局地戦で負けても、それほど心理的不安は無いのかもしれませんが、劣勢側の兵士の戦場心理は、不安でたまらないものであり、それが負け続けていると、決戦の前に崩壊してしまう可能性もあったからです。
孫子の一節に、「名将は戦いを勢いに求め人に求めず。」というのがありますが、今日でも、プロ野球の日本シリーズなどでは、対戦前に劣勢を伝えられていた方が第一戦を勝ったことにより、勢いに乗って、思わぬ善戦をする・・・ということが見受けられるようです。

その後、戦局は数度の小競り合いの後、膠着状態におちいります。
しかし、国が小さいと言うことは、兵力もながら、補給という点でも、劣勢だったようで、一時、さすがの曹操も弱気になり、撤退を検討したといいますが、ここで、戦いの行方を大きく左右する事件が起こります。
袁紹側から、部将の一人が離反して来て、曹操に「袁軍の弱点補給基地にある」と伝え、その場所までも教えたことです。
曹操は、この離将の言葉を信じ、直ちに敵補給基地襲撃を決意します。
ただ、この決断は、曹操にとっては、大変危険な賭けだったと言えたでしょう。
まず第一に、離将の言葉がであるという可能性もあり、仮に本当であったとしても、この部将の離反を知り、敵も攻撃を警戒してくるかもしれず、何より、補給基地なんてものは、当然、敵中深くにあるわけで、もし、これが罠だったら、これはもう、「殲滅」というよりは、「殺戮」ということにさえ成りかねないからです。

このとき、「誰に行かせますか?」と問う家臣に対し、曹操は苦笑しながら、こう言ったといいます。
「こんな危険な役目、人にやらせるわけにはいかんよ。俺が自分で行く。」

結局は、離将の言を信じ、乾坤一擲!袁軍の補給基地を、自ら部隊を率いて襲撃したことで、この戦いは、曹操軍の大勝利に終わり、これにより、曹操は覇者への道を一気に突き進むこととなるわけですが、この決断時のこの一言にこそ、この人物の、思わず震いつきたくなるほどの人間的魅力が伝わってくるような気がします。 
                
ということで、続きは「明日のココロだー」と行きたいんですが、三国志ファンの方には、いくら「かいつまんで」だったとしても、随分と舌足らずだとお感じになったことと拝察申します。
しかし、一昨日、書き上げた方には・・・、ちゃんと、ちゃんと・・・、資料に目を通しながら書いたんで・・・、きちんとしたものが・・・嗚呼!(泣)。
ということで、今日だけは・・・今日だけは・・・見逃して下さい。
武士の情けです(笑)。

あ、ちなみに、今日は曹操の命日だそうです・・・。
                                         平太独白
by heitaroh | 2006-01-23 07:45 | 歴史 | Trackback | Comments(0)
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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