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良すぎる環境に棲むのも考え物の是非
親愛なるアッティクスへ

良すぎる環境に棲むのも考え物の是非_e0027240_11461536.jpg

最近、天気が良い日は運動を兼ねて、少し遠くまで歩いて昼飯を食べに行くようにしております。
で、生まれてこの方、地元には丸々半世紀近く住んでるものの、まだまだ、初めて見る景色、見知らぬ土地などもあり、改めて、福岡市も狭いようで結構広いなぁということを実感しているところですが、上掲(↑)の風景もその一つ・・・です。
ここは、私にとっては、昔は「地の果て」みたいな所だったのですが、ここも、今ではしっかり住宅街になっておりまして、その奥地に足を踏み入れたところ、おそらく、昔は単なるため池だったのでしょうが、今では宅地化と共にすっかり綺麗に整備されており、天気が良かったこともあって、思わず、その景色の見事さに見とれました。

で、ふと、傍らを見れば、このロケーションを活かした豪邸が幾つか目に付くようになっており、確かに、場所はちと辺鄙だけど、定年退職した人や通勤を気にしない人などはここに住むのも良いかもなー・・・と思いましたが、そのうち、ふと、ある友人のことを思い出しました。
その友人宅は福岡市の一等地、都心に近いとは思えないほどの閑静な高級住宅街の一角にあり、何年か前の年末にその友人のお宅で一献傾けたことがありました。
で、その晩は飲み明かして、そのまま友人宅に泊まり、翌朝、細君に朝食を振る舞って頂いたのですが、友人は朝から、缶ビールをプシュッとやり、当然のように私にも1本・・・(笑)。

私はその日は仕事納めの日でもあり、結構、仕事も溜まっていたこともあり、それに何より、本来、朝から飲むことはないので、飲むつもりはなかったのですが、そのとき、リビングから見える風景は高台から都心部が一望でき、反対側に目を向ければ、ただ、笹が「ざざざざー」と鳴っているだけ・・・。
何か、その風景を見ていると、「ま、今日はもう良いかぁ・・・」みたいな感じになり、差し出されるままにビールを何本か飲んで帰宅したところ・・・、こちらは庶民の街ですから、周囲はざわざわしているし、「仕事しよう」という気になり、結局、その日は終わらなくて残業でした。
その友人は今、引きこもりではないのでしょうが、数年前に会社を辞め、最近では誰も連絡が付かない、何をしているかわからないようになっていると聞きます。
私は、いつも、その友人のことを聞かれるたびに、「良すぎる環境というのも考え物だ。『住む』が『棲む』になってしまうから」・・・と答えております。

生前、司馬遼太郎さんは、東大阪に自宅を構えておられましたが、ここは確か、町工場などが軒を連ねるようなところらしく、「どうして、アナタのような方がこんな所に?」と聞かれ、「私はこういう所で育ったので、こういう所でないとダメなんです。静かな所では、一行も書けません」と答えられていたという話を聞きました。
私も、福岡市下人参町という、立派な下町の生まれですが、それでも、こういう所に住みたいなぁとは思いますが、同時に、「住んじゃいけない」とも思います。
ま、住めませんけどね(笑)。
                                         平太独白
by heitaroh | 2010-05-14 08:10 | 社会全般 | Trackback(1) | Comments(4)
Tracked from 南の国の会社社長の「遅れ.. at 2010-05-18 00:16
タイトル : 天国か地獄か
4月にインド(ニューデリー)に行ったときに、観光バスでの ミニツアーがあって、インド人のガイドの人が渋滞の時間つぶし の時にマイクで喋っていた話です。ちょっと面白かったので、 このブログご紹介します。もとは英語で、細かいところまで覚え ...... more
Commented by 南の国の会社社長 at 2010-05-17 02:20 x
何だか天国(まだ実際に訪問したことはないですが)のような景色ですね。たしかにこういうところに住んでしまうと、あくせく働くことが馬鹿らしく思えてしまうかもしれません。私も生まれが田舎の町の駅前商店街なので、雑音がしていないと仕事ができないという体質になってしまいました。大学の時もレポートを書くときは、ジャズ喫茶のガンガン音が鳴り響く所とかでないと集中できなかったです。東京で住んだ場所も、池袋、渋谷、下北沢、新宿と繁華街ばかり。こういう写真のようなところに住んだら、静かすぎて、適応できるか心配です。
Commented by heitaroh at 2010-05-17 12:36
<南の国の会社社長さん

良く、田舎の人は都会は騒がしくて眠れないと言うけど、その人の家に行ったらカエルの声がうるさくて眠れない・・・なんて話がありますよね。
どの程度、真実なのかは存じませんが、ある程度、そういうところはあるんじゃないですか?
砂漠生まれのチンギス・ハーンは結局、死ぬときは、砂漠に帰りたがりましたしね。
まあ、住めば都・・・といところでしょうか(笑)。

ちなみに、天国は私の方が先に行くと思いますので、こういう所かどうか確認しておきます。
もし、お見えになったときに私が見あたらないようだったら、違う方に行ったとご認識ください(笑)。
Commented by 南の国の会社社長 at 2010-05-18 00:23 x
いやいや天国には私のほうが先に...そうですね、昔、親戚の農家の家によく泊まりに行ったことがあるのですが、静けさの中に虫の声が聞こえてきて気になって眠れませんでした。ところで、このテーマに触発されて、天国と地獄の話を私のブログにアップしました。よろしければご覧ください。
Commented by heitaroh at 2010-05-18 15:35
< 南の国の会社社長さん

私は天国ではあまり歓迎されないと思いますので(笑)。

拝見します。
<< 狭いようで結構広いぜ福岡市。 旧跡に始まり遺跡に終わる今年の... >>


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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