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正月に久々に読書三昧にさせられた明治の人物誌 その6
親愛なるアッティクスへ

昨日の続きです。

星 一星製薬を金融面から支援した岩下清周ですが、その名前の読み方は星 新一の著書「明治の人物誌」には「せいしゅう」とありましたが、実際には「きよちか」と読むのが正しいようですね。
実は私も「せいしゅう」と読んでいたのですが、何かで「きよちか」と読むのが正しい・・・というようなことを目にした記憶があり、以来、私は「きよちか」と呼んでいたのですが、この点は、源 義経の伝記「義経記」は「よしつねき」ではなく「ぎけいき」で、織田信長の伝記「信長公記」は「のぶながこうき」ではなく「しんちょうこうき」と読むのと同じ理屈で、偉人の名前を本来の訓読みではなく、敢えて音読みで読み表す、いわゆる有職読み(ゆうそくよみ)の例もあり、著者も、単に間違えたのか、それとも意図的に「せいしゅう」と読んだのかはわかりません。

ただ、この点で、個人的な事情で私は声を大にして言いたいことがあります。
「頼むから、はっきりしてくれ」・・・と。
その「個人的な事情」となったのが岩下の次に「明治の人物誌」に出てくる伊藤博文という人の名前についてです。
伊藤博文・・・、もちろん、言うまでもなく、明治の元勲の一人であり、昔はお札の顔にもなっていた人で、この人のことは、私などは、随分と長いこと「ひろふみ」と呼んでましたが、正式には「ひろぶみ」と読むのが正しいようですね。
ところが、これを、時々、「はくぶん」と読む人がいるんですよ。

実際、私が小学校の頃持っていた参考書には、「はくぶん」とふりがなしてあり、「え?ひろふみじゃなくて、はくぶんが正しいの?」・・・と思ったものの、あまりにもはっきりとそう書いてあるもので、翌日の授業で、「いとうはくぶんが・・・」と発表したら、先生が、「ん?はくぶん?ああ、それはひろふみね」と言われ、「ハクブンげな!」とクラス中の笑い物になりました。
「何だ?やっぱり、ひろふみで良いのか?制作者のミスか」と思っていたのですが、最近では、時々、識者を自称するような人などから、やはり、「いとうはくぶんが・・・」などという言葉が聞かれたりするんですよ。

でも、有職読みの理屈はわかるんですが、もし、試験に、「伊藤博文に読み仮名を打ちなさい」と出た場合、「はくぶん」と書いた人は不正解になるのでしょうか?
もし、それが正解と言うことになれば、徳川家康を「かこう」と書いても正解ですよね?
第一、その有職読みでさえも、すべての人に適用するわけでもありませんでしょ。
(あるいは「松陰」「南州」と言った雅号を持っていなかった人をそう呼ぶのか・・・とも思いましたが、「松菊」と号した木戸孝允は「たかよし」なのに「こういん」と呼ばれるけど、「甲東」と号した大久保利通を「りつう」と呼ぶ人は聞いたことがありません。)
であれば、少なくとも、先生は「あ、はくぶんでも必ずしも間違いではないのよね」くらいは言うように指導要綱を改めろよ・・・と。(←結構、根に持ってる?(笑)。)

ちなみに、岸 信介は「しんすけ」ではなく「のぶすけ」、平松政次は「まさつぐ」ではなく「まさじ」・・・で、更に言えば、星 一は「ほしはじめ」ですが時には「ほしぴん」とも呼ばれていたそうで・・・、嗚呼、「はくぶん」と読んだ小学生が救われる日は訪れるのだらうか・・・。

もやもやは解消されないまま、明日に続く。
                                         平太独白
by heitaroh | 2010-01-26 19:44 | 社会全般 | Trackback | Comments(2)
Commented by silku928 at 2010-01-28 08:14
おはようございます。
とっても興味深い話題でした。
はくぶん、ですね。(私も記憶にあります。)
人名の読み方、本当に難しいと思います。
私も何と読めばいいのか、迷うことしばしばありました。
大人になって、えっ!そうだったの?と知ることも多々。
(恥ずかしい~!誰にも言えず、自分で赤面)
平太郎さんは、小学生の頃から歴史好き!だったのですね。
先生より、博識(^^)。
小さい頃のこういう思い出、結構忘れられないものです..よね。

余談ですが、かなといいますと、
最近の子供の名前、とくにかなが必要かも!読めません..。
Commented by へいたらう at 2010-01-28 11:24 x
< silku928さん

おはようございますです。

まあ、小学生の頃から歴史好きではあったのですが、このときのは授業中のことですから、授業を私の趣味に合わせてくるはずもなく・・・(笑)。

人の名前は本当に難しいですよね。
私の親戚でも、結婚式で「かわもと」を「こうもと」と呼ばれて、カチンと来た・・・という人もいますし、何より、私も「ひらたろう」と呼ばれるのには結構、驚きます。

子供の名前・・・、確かに少し行きすぎの観はありますよね。
私の周囲でもそういう名前を付けて、誇っているやつもいますが、読めなくて何のための名前なのかな・・・という気はします。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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