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小林繁氏の急逝に振り返る「空白の一日」事件
親愛なるアッティクスへ

元プロ野球投手の小林 繁さんが急逝され、葬儀の模様がニュースで流れてましたが、この人は、やはり、我々の世代にとっては記憶に残る選手の一人でしょう。(合掌・・・)
昭和53年(1978年)11月に、あの「空白の一日事件」があったとき、当時、阪神ファンだった私が真っ先に思ったことは、「いずれにしても、巨人に批判の矛先が向かうことは間違いない」ということで、その後、世論の後押しもあって強行(?)されたドラフトで阪神が江川卓投手の交渉権を獲得し、さらに、コミッショナー裁定で当時、巨人のエース格だった小林氏との三角トレードとなったときには、「海のものとも山のものともつかぬ江川を獲るよりも、確実に15勝以上、うまく行けば22勝くらいはいけそうな小林が獲れた方が阪神にとっては効果的だ」と思いましたね。
(当時、江川投手は前年に我が福岡クラウンライター・ライオンズにドラフトで指名されたものの、それを拒否して、一年間、アメリカ野球留学しており、このブランクにより実績を残せないまま終わるのではないか・・・ということが言われてました。)

移籍一年目、小林投手は22勝を挙げ最多勝を獲得し、特に古巣・巨人には8勝0敗という大活躍だったんですが、この22勝というのは結構、凄いことなんですよ。
おそらく、私の記憶では、この時以来、22勝以上というのは出てないはずなんですよね。
(前年に、近鉄の鈴木啓示投手は25勝挙げてますが。)
一方で、阪神はこの年、掛布雅之選手が球団の本塁打新記録を更新する48本本塁打王に輝き、投打の主軸が最多勝と本塁打王という最高の結果を残しながらも4位・・・。
まあ、それも仕方がない話で、掛布さんも48本も打ちながら、打点はわずかに95で、やたらとソロホームランばかりの48本でしたからね。

ただ、翌年以降は江川投手との直接対決には見事に勝てなかったのですが、この組み合わせは明らかに小林投手には不利でしたよ。
小林という投手は2点くらいに抑えるものの、殆ど、完封というものがない投手で、つまり、完封できる能力を持った江川と対戦すると、いくら良い投球をしても打線が完封されてしまうと勝てない・・・という構図が出現するわけです。
(この点は、少し前の松坂大輔投手に対する和田 毅投手などがそうでしたね。)

ついでに言うと、あのときの阪神は、元々、江本孟紀、古沢憲司、上田次郎・・・と、主力投手陣がサイドスローの投手ばかりでしたから、小林投手の加入によりサイドスローの投手ばかりになってしまったんですよ。
こういうことは、時々、編成上、まれに起こるみたいで昭和56年(1981年)の大沢啓二監督に率いられてリーグ優勝したときの日ハムがそうでしたね。
高橋一三、間柴茂有、木田 勇、江夏豊・・・と左投手ばかりになってしまい・・・。
まあ、それでも皆、それなりの成績を残したわけですから構わないのでしょうが、相手チームからすると対策が立てやすかったことには違いないように思うのですが。

ちなみに、小林投手と巨人で同僚だった高田 繁現ヤクルト監督は「投手という人種はあまり、付き合いたくない人が多いが、唯一の例外が小林 繁」と言ってましたが、その小林さんでも、子供の頃はメンコで負けたら、下駄で相手をぶん殴っていたそうですから・・・(笑)。
                                         平太独白
by heitaroh | 2010-01-21 08:32 | スポーツ | Trackback(1) | Comments(4)
Tracked from 坂の上のサインボード at 2010-01-21 20:13
タイトル : 小林繁氏の訃報に思う。
 小林繁氏の突然の訃報にただただ驚いている。享年57歳。野球ファンとしては残念でならない。現役時代の最後も、その年13勝をあげながらも31歳という若さで突然の引退を発表して世間を驚かせた。人生の最後もまた、あまりにも早すぎる引退である。  小林繁氏といえば、沢村賞2回、最優秀投手2回、最多勝利投手1回と、短い現役生活だったとはいえ輝かしい実績を残しているのだが、そのどの功績よりも世間の知るところは、やはりあの球史に残る「空白の一日」における悲劇の人物ということに尽きるだろう。国会にまで取り沙汰さ...... more
Commented by sakanoueno-kumo at 2010-01-21 20:31
小林と古沢は重なってませんよ。小林が阪神にきた年に、古沢は田淵とともに西武へ行きましたから。揚げ足とってスミマセン。

小林がきた1979年といえば、その前年後藤監督で初めて阪神が最下位になった翌年で、ドン・ブレーザーが監督に就任した年です。小林や掛布の活躍があっても、田淵・古沢が抜けて藤田平や上田次朗はケガをしていて、そんな年だったと思います。小林が来てなかったらおそらく最下位だったでしょうね。

翌年の小林と江川の直接対決は、ただ小林が負けただけでなく、たしか江川本人にヒットを浴びてるんですね。(たしかタイムリーだったような・・・。)
おそらく悔しくて眠れなかったでしょうね。

とにかく、阪神と巨人の両チームでエースを張った投手は小林だけです。
そのことだけでも貴重な存在だったと思います。
Commented by heitaroh at 2010-01-22 11:30
<sakanoueno-kumoさん

あれ?そうでしたっけ?
そう言えば、小林が投げてたとき、田淵はもう、いませんでしたよね。
人の記憶とは何ともいい加減なものです(笑)。
でも、そしたら、もう一人、誰かサイドスローがいませんでした?
古沢が抜けて、小林が入ってきたからサイドスローの数は一緒か・・・みたいな扱いだったのかもしれません(笑)。

江川にヒット・・・、打たれたような・・・。
そこまでは覚えてませんでした。

小林さんは、巨人での8勝の分だけ勝ち星が前年比で伸びただけで、それを引けば結局は普通の投手だったんだ・・・と自分で仰ってたように記憶しているのですが(またもや、記憶違いかも(笑)。)、そりゃ、誰だって、カモにしていたチームの勝ち星を引いたら、多かれ少なかれ、普通の投手になるのでは・・・と思いましたよ。
Commented by sakanoueno-kumo at 2010-01-22 12:14
たぶん山本和行ではないでしょうか?
後にクローザーになった彼ですが、この当時はまだ先発ローテの一角だったはずです。
この年は小林、江本、山本のほとんどこの三人でまわしていたように記憶しています。
そして抑えは右の池内豊でした。

そうそう、その池内が今年から関西独立リーグの神戸ナインクルーズの監督として指揮をとるそうです。
Commented by heitaroh at 2010-01-22 14:34
<sakanoueno-kumoさん

いえ、山本は左ですから違いますね。
工藤?長谷川?だったでしょうか。
サイドスローばかりになったな・・・という気がしたんですけど、おそらく、古沢が抜けて、また、サイドスローが入ってきた・・・と思ったんでしょうね。
失礼しました。

池内・・・。
確か、彼はサイドスローでしたね。
中継ぎ中心でローテには入ってませんでしたが。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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