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「振り向けば 遠くへ来たり 四十雀」を想う郷愁のおきゅうと
親愛なるアッティクスへ

「振り向けば 遠くへ来たり 四十雀」を想う郷愁のおきゅうと_e0027240_14501153.jpg本日は、本当はちと忙しくしており、起稿するつもりはなかったのですが、寸暇を惜しんで、小難しいメールの返事を書いていると、どこからか聞き覚えがある懐かしい声が・・・。

「おきゅうと~に~
            豆腐!

・・・と。
思わず、耳を疑ったのですが、やはり、「おきゅうとだ・・・」と思い、慌てて表へ出て・・・、買ってしまいました。

(←これが、その、「おきゅうと」です。パック詰めされてますので、ちと、わかりにくいのですが、まあ、見た目ところてんのような感じです。)

ちなみに、「おきうと」と書いてありますが、誰が何と言おうと私的には「おきゅうと」です(笑)。
ついでに、パッケージにある「ごりょんさん」というのは、博多弁で、「おかみさん」とでもいう意味で、場所によっては酢醤油をかけるところも有るみたいですが、我が家では敢えて武骨に、削り節醤油のみをかけて食します。

で、この「おきゅうと」・・・ですが、拙稿でも、たびたび、採り上げておりますように、私が子供の頃は、博多では、いつも、早朝に「おきゅうと~に~アサリ~、おきゅうと~に~豆腐~」という独特の調子で、おばさんがリヤカー引いて売りに来てました。
声を聞くと、長屋のあちこちから、奥さん連中がぱらぱらと出てきて、それが各家庭の朝の食卓に並ぶ・・・と。
当時は、我が、下人参町に限らず、おそらく、博多じゅうで繰り広げられていた光景ではなかったでしょうか。
それが、時代が進んで、「福岡市下人参町」から「福岡市博多区博多駅前」に呼び名が変わる頃から、段々とそういう光景を見かけなくなり・・・、今や、遠い歴史上のことになってしまいました。
私としては何とも寂しい限りですが、考えてみれば、そういう光景が日常見られたのは、ほぼ、40年前くらいまでで、そう考えれば、我ながら、何とも遠いところへきたもんだなー・・・と。

で、思わず、一句・・・。

   「振り向けば 遠くへ来たり 四十雀」
                              梁庵平太

今でも、我が家では、私の誕生日には食卓に「おきゅうと」が乗ります。
数少ない、私が一家の主であることを確認できる行事です(笑)。
本当は、今夜はこれをおかずにしみじみと・・・と行きたいところなのですが、本日は、宮城県から友人が来るので、今から迎撃出撃(`´;)ゞせねばなりません(涙)。
                                         平太独白
by heitaroh | 2009-10-30 17:46 | 地域 | Trackback | Comments(2)
Commented by mimishimizu3 at 2009-10-31 09:14
おきゅうと売りがきたのですか。それはなにがなんでも買わないと・・・
スーパーで売っているのとは一味違うのではありませんか・・・
「物売り」の声はのんびりとしたいいものでした。
最近、ほとんど聞かれなくなりました。
変わりにマイクでが成り立てる「廃品回収車です」という音ばかりが耳障りにひびいています。
Commented by へいたらう at 2009-10-31 13:44 x
<mimishimizu3さん

おきゅうと売りは残念ながら、録音された物を流しているだけで、おそらく、スーパーで売っているものと大差ないものだったようです(涙)。
味も・・・でしたし。
でも、量は「え?こんなに入ってたの?」というくらいありましたよ(笑)。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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