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器を無下にする身に手で粥を受けるを想うの謝国明忌
親愛なるアッティクスへ

e0027240_10343124.jpgこちらの画像は毎年8月21日に催されている大楠様夏祭の模様です。

大楠様夏祭とは、以前も何度か採り上げました鎌倉時代の中国人博多商人・謝国明遺徳を偲び、その墓所で行われる祭礼で、別名、謝国明忌とも言います。

(謝国明という人物については、2001年の大河ドラマ「北条時宗」北大路欣也さんが演じていた人物と言えば、わかりやすいでしょうか?彼の墓の傍らに植えられた楠の木が長い年月を経ると共に彼の墓塔を包み込み、以来「大楠さん」の名で親しまれるようになったとか)

この点で、私には少々、思うことがあります。
謝国明という人は博多で、針治療を教えるなどした他、貧民救済にも意を注ぎ、飢饉のときには人々に蕎麦炊き出しをやったと言われております。
(これが年越し蕎麦の起源になったという説もあるとか。)
ここで思い出すのが、マンガの神様・手塚治虫氏の傑作(私は最高傑作だと思っております。)「どろろ」の一場面です。
この作品についても、たびたび、触れておりますので、ことさら掘り下げる気はありませんが、簡単に触れておきますと、どろろというのは主人公の1人である子供の名前でして、戦国時代が舞台でした。

その、どろろという子供は、幼子の時、父と死に別れた後、母と二人で流浪の生活を余儀なくされますが、その折、飢えた貧民に対し、ボランティアの僧侶がお粥炊き出しを行っているところに出くわします。
腹を空かせたどろろに一杯の粥を与えようと、そこへ並んだどろろの母は、他の人と違い、お粥をもらうさえなく、両手を腕の形にして受け取ろうとする・・・。
そのまま、事務的に注ぎ込もうとした僧侶が慌てて手を止め、「容れ物を持ってこないとだめです。熱いから、手が大やけどしますよ」と言うも、母は、「いえ、いいんです。このまま、注いでください」と言い、煮えたぎったお粥を手のひらにもらい、焼けただれる手に顔色一つ変えず、さらに、自らは一粒も食すことなく、どろろに与える・・・と。

で、今回、色々あって、私も引っ越しをしたのですが、その際、家人は片づけるよりも二言目には「コップや湯飲み、茶碗など、全部捨てろ」と言います。
私には、壊れてもいないし、収納するところがないわけでもないのに、なぜ、捨てなければならないのか理解できません。
トヨタジャスト・イン・タイム方式が現在の考え方の主流かもしれませんが、いつでも必要なときに必要な物が買えるという保証はどこにあるのでしょうか?
一円を笑う者は一円に泣くと言いますが、私も、家人からそう言われるたびに、どろろの母のように、茶碗がないばかりに、煮立った粥を手のひらに受けなければならないということにならないとわからないんだろうな・・・と思います。
日本も、赤字国債を含め、諸情勢を顧みれば、そうならないとも言い切れないように思うんですけどね。
                                         平太独白
by heitaroh | 2009-08-21 08:33 | 社会全般 | Trackback | Comments(2)
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Commented by silku928 at 2009-08-24 14:10
こんにちは。まだまだ蒸し暑いですね。
こちら、さきほど一雨きまして、ずいぶん涼しくなりました。
蝉の鳴き声も幾分、弱弱しく..。

>焼けただれる手に顔色一つ変えず、
さらに、自らは一粒も食すことなく

まぁ、母の鏡...ですね。なかなかこうは、できません。
人間、やはりその立場、境遇にならないと、
本当のことは、何も分からないということでしょうか。
痛みも辛さも。
日常の生活にからめて、何とも、深いお話でした....♪。

Commented by heitaroh at 2009-08-26 12:39
< silku928さん

こんにちわ。
でも、一頃に比べると、かなり、涼しいですよ。
私は昨日、海水浴に行ってきましたが、結構、寒かったですから(笑)。

まぁ、母の鏡...と言ってしまえば、それまでなのでしょうが、私が生まれる少し前くらいまでは結構、あった光景だったのではないでしょうか。
もちろん、私自身は、さすがにそういう経験はありませんが、うちの母からはちょっと前まで展開していた世界という感じで、子供心に聞かされていた光景ではありましたので(今の距離感で言うなら昭和の話を語るようなものでしょうか。)、それほど、奇異には感じませんでしたよ。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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