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冬が文明と国家を作った
親愛なるアッティクスへ

当方、目下、大変、多忙にしており、まあ、それはそれで適度な肉体労働は健康にも良く、夜も気持ちよく眠れる・・・ものの、一方で、こういう生活を送ってみて、改めて感じたことがあります。
まず、肉体的には、やはり、人間は本来、自らの身体を使って生活するように出来ており、こういう生活をしてみるとホワイト・カラーなどというものが、如何に人間本来の姿への欺瞞であるかという気さえします。
その意味では、健全な姿なんでしょうね。
ところが、肉体的にも、精神的にも健全であるはずなのに、今のような生活を送っていると一日中、誰とも顔を合わせない日もあるわけで、そういう生活を送ってみると、改めて、「自分は市井の中に居るべきだ」・・・ということを痛感します。

こういうと、「あいつは本当は寂しがり屋なんだ」などと言われそうですが、それとはまったく次元が別の話で、つまり、寂しい云々ではなく、「人は本来、外敵に襲われることが前提で身体が出来ている」・・・ということですね。
すなわち、人は絶えず、新しいストレスを感じていることが前提で身体が作られているのではないか・・・と思ったわけです。
だからこそ、新しいストレスを受けないで良い状態になると、人は呆けたり、以前の嫌な話を思い出したりして、新たなストレスを作ろうとするのではないか・・・と。
まあ、私の場合、元々、ネガティブな人間ですから小人閑居して不善を為す・・・ということでご理解ください(笑)。

で、この点で、最近、気に入っている言葉があります。
松下幸之助翁の「好況良し、不況また良し」という言葉です。
私はたびたび、触れておりますように、松下幸之助という人物はあまり好きではないのですが、この言葉だけは無性に気に入ってますね。
私も、現在の不況で少なからず追い込まれている身ですが、ある意味、この不況は私に「冷水」を浴びせかけてくれたと思います。
人は「危地」に追い込まれてしまえば、ストレスがどうのとか言ってられないですね(笑)。

その意味で思い浮かぶのが、「温帯で文明が発達したのは冬があるからだ」という説です。
つまり、は何だかんだ言っても、山にでも入ればそれなりに食物にありつけるけど、食物が乏しいはそうはいかない・・・と。
だから、昔は、その冬をどう乗り切るか・・・は大変な課題であり、人は冬の間の食物を確保しようとし、各人が確保している食物を奪われないために共同体を作り、リーダーを選出し、それが文明を作り、やがて、国家を作った・・・と。
まあ、インドメソポタミアなどを温帯に入れて良いのかという気もしますが、「冬」というストレスが人類発展の礎を築いたと言われれば、なるほど・・・という気もしますね。
                                         平太独白
by heitaroh | 2009-07-09 19:40 | 思想哲学 | Trackback | Comments(4)
Commented by ウララ里 at 2009-07-10 22:49 x
>肉体的にも、精神的にも健全であるはずなのに
 関係ありませんが「健全なる精神は健全なる肉体に宿る」というのがありましたよね。尤も、大昔に読んだ本で確か三島由紀夫だったと思うけれど、あれは「健全なる肉体には健全なる精神よ宿れかし」というのが本来の意であると書いてあったような気がしますが・・。古代ローマの弁護士で風刺を得意とした詩人ユェナリスの詩の一節にあるのでしたっけ? どちらにせよ私の肉体は健全とは程遠い状態ですけれどね。(笑)
これまた関係ありませんが独立や起業をするのは不況の時にするのが良いそうですね。景気の良い時にすると失敗する場合が多いとか。まあ分かるような気がしますけれどね。
Commented by silku928 at 2009-07-10 23:12
こんばんは。
暑い中、移転は大変でしょうが、どうぞ御身体ご自愛くださいませ。

>元々、ネガティブな人間ですから、小人閑居して不善を為す・・・

ネガティブ、素晴らしいことです!



Commented by heitaroh at 2009-07-11 14:39
<ウララ里さん

私も健全なる肉体にはほど遠いので、お気持ちはよくわかります(笑)。
同類相哀れむ・・・というやつでしょうか・・・、あ、失礼!

>独立や起業をするのは不況の時にするのが良い

なるほど。
確かに、私の学生時代も、「不況時に苦労して就職した奴は我慢して、なかなか、辞めないけど、好況時に楽して就職できた奴はすぐに辞める」と先生が言っていたのを今でも覚えています。
まあ、今は一つの会社で骨を埋める時代ではなくなってきたんでしょうけどね。
Commented by heitaroh at 2009-07-11 14:40
<silku928さん

おお!貴女は何と素晴らしい人だ~(滝涙!)。
ネガティブを素晴らしいと言ってくださる。
まるで、聖母マリアのような御方のようです(笑)。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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