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三原脩の昭和35年
 三原脩の昭和三十五年―「超二流」たちが放ったいちど限りの閃光という本をご存じでしょうか?
当時はドラフト制施行以前のことですから、人気と金がある巨人はいい選手をたくさん獲れ、ほぼ毎年優勝する状態で、大洋広島のような金も人気もない球団とではほとんどプロと学生野球くらい実力の差があったように思えます。

で、智将・三原 脩が大洋に来ると決めて最初にやったことは、当時の正捕手、土井 淳を呼び、彼が感じている問題点をに黙って聞き入ったことだったとか。
土井氏は負け続けるという状況になれきったベテラン選手たちの事なかれ主義を一番に批判したそうで、それは、三原監督就任発表とほぼ同時にベテラン選手たちの大量解雇という形になって具現化されたとか。
また、その前の年まで28連敗という今も破られないプロ野球記録をつくった権藤正利という投手には食生活の指導から、中継ぎという新ポジションを与え、降格と受け取らないよう先発もリリーフもという大車輪の活躍を要求し再生。
さらに、当時の野球にはなかった完全分業制を導入し、それに特化した超二流選手という言葉まで生み出すなど、次々に新戦略を次々と打ち出していき、今年は行けるか・・・と思わせた開幕試合の直前、相手チームの杉下茂コーチのノックバットがすっぽぬけてエース秋山 登投手の頭部を直撃し、重傷を負うというアクシデント・・・。
結果、チームはそのショックから開幕6連敗でのスタートになったそうです。

ここで三原監督は立て直しに取り組み、その結果、徐々に、チーム状態は上向き、首位戦線に顔を出すようになった・・・と。
こうなると、エース秋山はチームの大健闘に絶対安静の病院を脱走してまで、戦列に復帰し、完投勝利を挙げる・・・と。
これでチームは勢いに乗るも、さらに三原翁は、シーズン中盤での失速を見越し、チームに刺激を与えるべく、近鉄で干されていた鈴木 武遊撃手をトレードで獲得。
その後、曲折はありながらもリーグを制し、さらに、ミサイル打線を売り物にパ・リーグを圧倒的な力で制した大毎をも日本シリーズで4連勝のストレートで下し、日本一になってしまった・・・と。

その三原監督の闘争心の原点・・・。
それは戦後、戦争で弱体化した巨人を率い、見事優勝させるも、翌年、シベリアから帰ってきた水原 茂に監督の座を奪われ、閑職に追いやられたことでしょう。
三原は、単身、福岡へ下り、発足したばかりの西鉄ライオンズを育て上げ、昭和31年からと3年連続で水原巨人を完膚無きまでに破り、そして仕上げとして同リーグである大洋に移り、前年の最下位から一転日本一になったわけで・・・。
(前年最下位から翌年優勝というのは、昭和50年の広島、51年の巨人とありますが、日本一にまで成ったのはこの年の大洋だけだと記憶しております。)
大洋優勝と同時に水原翁は巨人の監督を辞任・・・。
その後、三原翁は一度も優勝しておりません。
                                         平太独白

by heitaroh | 2009-04-17 08:48 | スポーツ | Trackback | Comments(0)
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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