タグ:ドラッカー ( 7 ) タグの人気記事

高校野球の女子マネージャーが読むもしドラッカー その7
親愛なるアッティクスへ

先日からの続きです。

ドラッカーは言います。
「トップマネジメントがチームとして機能するには、いくつかの厳しい条件を満たさなければならない。チームは単純ではない。仲のよさだけではうまく機能しない。人間関係に関わりなく、トップマネジメント・チームは機能しなければならない」と。

その上で、それを実行するための標として、
「①トップマネジメントのメンバーは、それぞれの担当分野において最終的な決定権を持たなければならない。
②トップマネジメントのメンバーは、自らの担当以外の分野について意思決定を行ってはならない。ただちに担当のメンバーに回さなければならない。
③トップマネジメントのメンバーは、仲良くする必要はない。尊敬し合う必要もない。ただし、攻撃し合ってはならない。会議室の外で、互いのことをとやかく言ったり、批判したり、けなしたりしてはならない。ほめあうことさえしないほうがよい。
④トップマネジメントは委員会ではない。チームである。チームにはキャプテンがいる。キャプテンは、ボスではなくリーダーである。キャプテンの役割の重さは多様である」・・・という4法則を呈示しており、主人公の少女は、これに従って、他のメンバーが担当することについてはその意思決定に口を挟まないようにし、その結果、少女は、自分の負担を減らすことができ、担当分野に専念することもできた・・・と。

この辺は、参謀制度などにも通じる物があるように思いますが、特に、このうち、③などは、ドイツ帝国創業の三傑・モルトケ、ローン、ビスマルクを思い浮かべますね。
お互いに、認めてはいたものの、決して、仲は良くなかったという。
また、その点では、本田宗一郎、藤沢武夫のコンビも然り。
二人は、それぞれの領域に対してはお互いに口を挟まなかったものの、在任中は、殆ど、口をきくこともなかったと言われており、従って、マスコミは「ホンダはいずれ、藤沢に乗っ取られる」とか「いずれ藤沢はホンダを飛び出す」などということを盛んに言いたてたと言われています。
まあ、要は、そこには一定の緊張感が必要・・・ということなのでしょうが。
でも、これって、今日で言われるところの「事業部制」ですよね。
であれば、あのパナソニック松下幸之助以来、金科玉条にしてきた事業部制を廃止したわけですから、今はその弊害の方が目立ち始めたんじゃないんですか。

私も、昔居た会社で経験があるのですが、権限委譲は良いのですが、事業部の壁をあまりにもはっきりしすぎると、とかく、セクショナリズムがはびこりやすくなるもののようで・・・。
会社の存亡に関わるほどの大きな損害になることがわかっていても、「隣のことに口を出す必要はない」、「うちは、うちのことだけ、やっておけば良いんだ」・・・などとなるのはまだ良い方で、酷いときには、「あそこの成績になるようなことに手を貸すな」、「うちの部門だけが業績低迷というのは避けなければならない」などということも・・・。
要は、それらを統御するキャプテンの腕次第ということなのでしょうが、でも、それって、キャプテンも含め、事業部のTOPに「人を得ている」うちはともかく、「組織論」としては、少し無責任な話であるような気がするんですけどね。
                                         平太独白
by heitaroh | 2010-04-13 08:28 | 経済・マネジメント | Trackback(1) | Comments(6)

高校野球の女子マネージャーが読むもしドラッカー その5
親愛なるアッティクスへ

福岡市内では、さすがに、ぼちぼち葉桜になってきましたが、中にはまだまだ、今を盛りと咲いているものも。
e0027240_1611279.jpg
(↑ おそらく、桜の話題は今年はもう最後でしょうから、まとめてUPしておきます。)

で、本日、昼食がてら、福岡市南区にある桧原(ひばる)という所へ行ってきました。
ここは、「桧原桜」と呼ばれる地元では割と知られた桜があるところでして、かいつまんで説明しますと・・・。
e0027240_15464563.jpg昭和59年(1984年)、福岡市の道路拡張工事にともない、沿線にあった桜の大樹が伐採されることになった折、これを惜しんだ住民の一人が、当時の福岡市長宛てとして、
 「花あわれ
   せめてはあと
     二旬
    ついの開花を
     ゆるし給え」

の句を枝に吊したところ、それを見た市長が、
 「桜花惜しむ
   大和心の
     うるわしや
    とわに匂わん
     花の心は」

と返歌した札を枝に吊したことから、結果、道路拡張計画は見直され、一帯の桜は残されることになった・・・と。

で、本日、その桧原桜に行ったら、なぜか、警察の非常線が張られてました・・・。
聞けば、発砲事件だとか・・・(汗!)。
こういう粋な話題には何とも相応しくないまったく無粋な話ですので、おもむろに昨日の続きです。

「成長には準備が必要である。いつ機会が訪れるかは予測できない。準備しておかなければならない。準備ができていなければ、機会は去り、他所へ行く」

これは、岩崎夏海著、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」の中での、ドラッカーの著書「マネジメント」の引用部分ですが、私はこの部分を読んで、デビュー後、なかなか役に恵まれなかった女優・賀来千香子に対し、当時の事務所の社長であった俳優・夏木陽介が言ったという言葉を思い出しました。
はっきりとは覚えていませんが、確か、「売れるかどうかは運もあるからわからないけど、チャンスが来たときには、すぐにこれを掴めるように準備しておかなければならない。準備不足でそのチャンスを逃すと次の機会は永遠に来ないかもしれない」・・・というような内容だったと記憶しております。
賀来さんは、その言葉を胸に、売れてない頃も、ランニングであるとか、レッスンであるとか、とにかく、準備を怠らなかったんだそうですね。
もっとも、夏木さんは、そういう賀来さんの姿を間近でしっかり見ていたと言ってましたから、おそらく、機会が来たのは偶然などではなく、必然だったのだろうとは思いますが。
                                         平太独白
by heitaroh | 2010-04-07 17:45 | 文学芸術 | Trackback | Comments(4)

高校野球の女子マネージャーが読むもしドラッカー その4
親愛なるアッティクスへ

昨日の続きです。

昨日は、本田技研工業の創業当初の本田・藤沢体制を引き合いに出して、「社長が社長であるとは限らない」ということについて触れたわけですが、その観点から言えば、「この物語中の監督氏は監督というポストについているが、実際にはむしろ、コーチのポジションにいると言え、現実に監督の仕事をしているのは女子マネージャーである」という結論に達したわけです。
(実際、設定では、この監督氏は本来、「監督を補佐するポジション」ということで引き受けたのに、前任者監督が退任させられたことから、なりゆきで、現在の監督のポジションに就くことになってしまった・・・ということになってました。なかなか、凝った設定だと・・・。)

この辺のことは、現実に、会社でも、また、様々な団体・組織でも良くある話で、「実力専務」、「大番頭」、または、引いたはずの「先代社長」などから、果ては「担当者の意向」など、法的な根拠に何ら基づかない「実権者」というのが存在するわけで、良い例が、今の民主党政権でしょう。
総理総裁は鳩山由紀夫氏でも、実際に権力を持っているのは小沢一郎幹事長なわけで、つまり、「TOPの役職に就いている者が真にTOPであるとは限らない」ということです。
ロシアプーチン・メドベージェフ体制というのは、二重権力という点では、もっとはっきりしているでしょうか。)

この点、我々は、組織と相対する場合には、相手の肩書きではなく、本当の権限者を見るように心がける必要があるわけで、これが、ここまで読んで私が辿り着いた結論・・・、つまり、「監督のポストに居る者が監督の仕事をしているとは限らない」でした。
ところが、私が独り、頷いていた直後、肝心のドラッカー氏は、「マネジャーは専門家のボスではない。道具、ガイド、マーケティング・エージェントである。逆に専門家は、マネジャーの上司となりうるし、上司とならなければならない」と続けておられたんです。

この辺は、以前、平太郎独白録 : 理論が先か実践が先かで申し上げた「智将の下に勇将が付く」べきか、「勇将の下に智将が付く」べきかに共通する部分なのかもしれませんが、(とかく視野が狭い嫌いがある技術屋(スペシャリスト)がTOPに立つよりも、経理(財政)、営業(外交)などとの兼ね合いを視野に考えることが出来る、バランスのとれたゼネラリストがTOPに立つ方が無難だと・・・。)でも、翻って考えてみれば、確かに、本田・藤沢コンビもその方式に則っている・・・どころか、まさにその好例だったわけで・・・。
この小説でも、「技術屋」である監督氏を、「マネージャー」である少女がうまく使いこなしていく・・・という設定になっておりました。
確かに、この方式も無いわけではないでしょうが、私は、現実には少し無理があるように思います。
普通、こういう少女の立場の人が実績を残すためには、まず、「無私」である必要があるでしょう。
しかし、無私であっても、この少女の評判が高まることにTOPはいい顔をしません。
左遷されたり、追放されたり、果ては、殺されたり・・・で、その意味では、実績を残さないといけない・・・、残しすぎてもいけないという、大変、危険なポジションでもあるわけです。
その意味では、少女は名実共に実権者になるべきで、そちらの方が無難だと思います。

明日に続く。
                                         平太独白
by heitaroh | 2010-04-06 08:10 | 経済・マネジメント | Trackback | Comments(0)

高校野球の女子マネージャーが読むもしドラッカー その3
親愛なるアッティクスへ

先週よりの続きです。

次に私の興味を惹いたのが「専門家」についての部分でした。
この物語では、野球部マネージャーである少女マネジメントに目覚めて、甲子園に向けて奮闘するわけですが、ただ、そうなると問題になるのが、本来、マネジメントをする役割である「監督」の立場です。
もし、監督がばっちりマネジメントをやっているのなら、この少女の出番はなくなるわけだし、かと言って、能力も、少女に奮闘させる雅量もない人物であれば、これまた、物語は成り立たないわけで・・・。
で、この物語では、監督を「マネージャー」ではなく、「技術屋」として描いており、この辺の作者の設定の巧みさには思わず、感心しましたね。
(この部分を、ドラッカーは「専門家」という言葉で顕し、私は常々、「技術屋」と表しておりました。)

曰く、「 専門家にはマネジャーが必要である。自らの知識と能力を全体の成果に結びつけることこそ、専門家にとって最大の問題である。専門家にとってはコミュニケーションが問題である。自らのアウトプットが他の者のインプットにならないかぎり、成果はあがらない。専門家のアウトプットとは知識であり情報である。彼ら専門家のアウトプットを使うべき者が、彼らの言おうとしていること、行おうとしていることを理解しなければならない。
 専門家は専門用語を使いがちである。専門用語なしでは話せない。ところが、彼らは理解してもらってこそ初めて有効な存在となる。彼らは自らの顧客たる組織内の同僚が必要とするものを供給しなければならない。
 このことを専門家に認識させることがマネジャーの仕事である。組織の目標を専門家の用語に翻訳してやり、逆に専門家のアウトプットをその顧客の言葉に翻訳してやることもマネジャーの仕事である」

物語での監督は、この指摘通りに、知識に関しては並外れたものを持ちながら、自らの意図を人に周知させる説明能力、部員の欲求をくみ取るコミュニケーション能力に、決定的に欠けている典型的技術屋として描かれており、その欠けた部分をマネージャーである少女が補うことで、物語は進み始める・・・と。
(おそらく、この部分の設定こそが作者がもっとも苦心した部分ではないかと。)
ただ、一方で、この部分では私的には未だに理解しきれていないものを感じています。

私が、ここまで読み終えた時点で感じたのは、「監督をやっているからと言ってその人が監督であるとは限らない。社長が社長の名札を付けているからと言って社長であるとは限らない」ということでした。
つまり、その人は適任だから、そのポジションにいるとは必ずしも限らないし、そのポジションにいる者が、そのポジションに相応しい役割を果たしているとも限らない・・・と。
そして、その意味での好例こそが本田技研工業の創業当初の体制でしょう。
ホンダの社長は本田宗一郎でも、実際に「経営」の職を担っていたのは藤沢武夫副社長であり、事実、当時のホンダの手形は「代表取締役副社長 藤沢武夫」の名前で振り出されていたことを考えれば、経営者=社長という観点から見る限りでは実態は「藤沢社長」に「本田(技術担当)副社長」・・・だったと思うんです。

次回に続く。
                                         平太独白
by heitaroh | 2010-04-05 15:33 | 経済・マネジメント | Trackback | Comments(0)

高校野球の女子マネージャーが読むもしドラッカー その2
親愛なるアッティクスへ

昨日は「死にかけて」平太郎独白録 : 佐賀大生一気飲みで死亡は幽明境を異にする私参照。)以来、初めての実戦(?)でした。
あれ以来、まったく飲んでなかったんですが、どうにか、本調子に戻ったようです。
おかげで、今日は完璧な二日酔いですけどね(笑)。

e0027240_1529778.jpg

で、昨日の続きです。

次に考えさせられたのが、「顧客とは誰か?」ということです。
主人公の少女はドラッカー「マネジメント」という本を買ってきて、読み始めて早々に壁にぶち当たります。
まず、「己が事業の定義づけ」を求められたのですが、このとき、この問題について同書は以下のように回答してました。

『 企業の目的と使命を定義するとき、出発点は一つしかない。顧客である。顧客によって事業は定義される。事業は、社名や定款や設立趣意書によってではなく、顧客が財やサービスを購入することにより満足させようとする欲求によって定義される。顧客を満足させることこそ、企業の使命であり目的である。したがって、「われわれの事業は何か」との問いは、企業を外部すなわち顧客と市場の観点から見て、初めて答えることができる。』

では、顧客とは何か?と言われれば・・・、実は、私もすぐには答えが出ませんでした。
ドラッカーも、「やさしい問いではない。まして答えのわかりきった問いではない。しかるに、この問いに対する答えによって、企業が自らをどう定義するかがほぼ決まってくる。」と言っているように、簡単な問いではないんですよ。
従って、主人公の少女も、私も、ここで躓きました。
確かに、この少女ならずとも、「顧客」という言葉の意味は分かっても、それを営利団体ではない野球部にどう当てはめるかということになれば、「・・・」なわけです。

で、この少女は色々と試行錯誤を繰り返しながらも結論に辿り着くのですが、結果、この少女が出した「顧客の定義」・・・、それは「感動」ということでした。
曰く、「親も、先生も、学校も、都も、高野連も、全国のファンも、そして私たち部員も皆、野球部に感動を求めている」と。
なるほど、これはおそらく、作者が辿り着いた結論でしょうし、今のプロ野球選手などにも聞かせたいような話で、これはこれで間違いではないし、立派な一つの回答なのでしょう。

ただ、この点では、私も私なりに少し考えましたので、私なりの答えを申し述べさせて頂ければ、まず、この問題を解く鍵・・・、前提は、「誰のためにその行為をやるのか?」ということなのだろうと思います。
そう考えれば、答えは、「自分たちを必要とする人たちのため」・・・であり、そして、すなわち、それが顧客なんだろうと・・・。
これが、私の辿り着いた私なりの「顧客の定義」ですが、如何なものでしょうか?、御同輩。

明日に続く・・・と思います(笑)。
                                         平太独白
by heitaroh | 2010-04-01 17:21 | 経済・マネジメント | Trackback | Comments(0)

高校野球の女子マネージャーが読むもしドラッカー その1
親愛なるアッティクスへ

先週まで、岩崎夏海著、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という本を読んでました。
結構、売れてるそうですので、ご存じだと思いますが、まあ、文章自体は、私と五十歩百歩というところで、決して、こなれたものではなかったのですが、なかなかに楽しんで読め、かつ、考えさせられましたよ。

e0027240_11431586.jpg

実は私は、ドラッカーというのはそれなりに早い時期から親しんだ名前だったのですが、と言いますのも、私が若い頃に愛読した元帝国陸軍参謀で兵法評論家の大橋武夫氏の著作に、たびたび、その名前が出てきたからで、ところが、人は「とても読みやすい」・・・などと言いますが、訳が悪いのか、私的にはちと難解ホークス(古い!)で、敬って遠ざける・・・、早い話が敬遠しておりました。

事実、同著においても、引用部分はかなり直訳気味の嫌いがあり・・・。
まあ、そういうこともあって、恥ずかしながら、まだ、面と向かって、ドラッカーは読んだことがなかったんですよ。
(実は、以前、ドラッカーの本は読んだことがあったのですが、内容はドラッカーのまったくの自伝でして、彼の理論には殆ど、触れられず終いでした。その意味では、これはこれで、入門書としては良かったと思います。)
で、この本を読んで、私なりに思ったことがありましたので、備忘録的な意味も兼ねて、少し列記させて頂きます。

まず、この本を読み始めてすぐ、冒頭部分で感心したことがあります。
それは、主人公の女子高生野球部マネージャーになって最初に何をしたか・・・ということですが、何と、この女子高生、まず、手始めに「マネージャー」の意味を調べたんですね。
これには私は率直に驚きました。
普通、日本の高校野球でマネージャーなんて言えば、「雑用係」という認識で疑いませんよ。
それを、まず、「定義を調べてみる」などと考えるところが斬新で、ハッとさせられました。
実際、「課長」に昇進したときに「課長」の定義を辞書で調べた人がいるでしょうか?

で、この少女は広辞苑を引いて、「マネージャーとは支配人・経営者・管理人・監督」、一方、「マネージメントとは、管理・処理・経営」であることを知る・・・と。
作者的には、この少女の勘違いを利用して、突き進むことを主軸に描いていくわけですが、私は決して、勘違いなどとは思いません。
つまり、こちらが、本来のマネージャーの姿であり、「マネージャー=雑用」と思い込む必要はないのではないか・・・と。

明日に続く。
                                         平太独白
by heitaroh | 2010-03-31 08:15 | 経済・マネジメント | Trackback(1) | Comments(6)

中山素平翁に見る「男の顔は領収書」
親愛なるアッティクスへ

ぼちぼち、喪中ハガキが届く季節となりましたね。
ところで、元日本興業銀行頭取・中山素平さんが死去されたニュースを聞いたとき、私は驚きを持って迎えました。
元より、知り合いであるはずもなく、驚いたのは、「えー!この人、まだ生きてたの!」ってことで。
ドラッカー(世界的に著名な経営学者)が亡くなったときにも同様の驚きを隠せませんでしたが、ただ、ドラッカー氏に関しては、亡くなる少し前にも日経新聞に連載などを載せられてましたから、亡くなった時点での驚きはそれほどまではありませんでした。
でも、この中山素平という人物については、晩年はあまり、表に出て来られなかったこともあり、失礼ながら、とっくの昔に亡くなってるもんだとばかり思ってました・・・。
だって、この方が日興銀の頭取に就任されたのは、私が生まれた年ですから。
まあ、実際に、享年99歳だったと言いますが、マジで結構、驚きました。

で、私がここまで驚くのには、もうひとつ、伏線があります。
それは、以前、平太郎独白録 「財界四天王の遺訓にみる五十年前の経営者の気概!」の中で親戚宅より三鬼陽之助という老財界記者の著書をもらってきたと申しましたが、その中の一冊にこの人のことが載っていたからです。
本の内容自体は、おそらく、戦前戦後から昭和30年代くらいまでの、様々な財界人、企業人のことが教訓として述べられたものでした。
(つまり、中山翁は本田宗一郞、松下幸之助、五島慶太、小林中・・・といった人たちと同列に取り上げられていた言うならば、歴史上の人物だったのです。)

で、同書の中でこの中山素平という人について覚えていることがあります。
戦局悪化著しい昭和20年3月、遂に軍部より、「日興銀の中からも招集することとなった。ついては、最低限、銀行業務に必要な人間だけ除いて、招集していい者の名前を順に書いて差し出すよう!」という命令が来たそうです。
そして、その招集者名簿作成を命じられたのが、当時、日興銀の人事部長であった中山素平その人であったとか。
突然の業務命令に中山部長は、大いに悩みます。
部下たちに順番を付けて、明日をもしれぬ戦場に放り出さなければならない。
中山翁のような好人物にとっては、我が子の命に順番を付けるようなものだったでしょうか。
で、どうしても書けずに、遂に提出日の前日となります。
世が白々と明けてきた頃、中山人事部長、意を決して、ある人物の名前を第一行目に書き込んだところ、それからは、不思議とすらすらと書き上げることが出来、その足で招集者名簿を総裁に提出したところ、総裁は、中山部長の腫れた目と、その第一行目に書かれた人物の名前を見て、何も言わず、一言、「よかろう」と。
その第一行目に書かれてあった名前・・・それは、「中山素平」だったそうです。

ここまで書いて、思うことがあります。
かつて、「男の顔は領収書」という本があったのを覚えておられますでしょうか?
別にこの本を読んだわけではないのですが、この年になってくると、何となく、言わんとすることが思い当たるようになりました。
人を騙したり陥れることばかり考えてきた人間は、年とってくると、そういう顔になっちゃうんですね。
ちなみに、私は同業者のおじさんたちを、心の中で、「一癖二癖・・・どころか無くて七癖おじさん」と呼んでいました(笑)。
                           平太独白
by heitaroh | 2005-11-24 17:50 | 思想哲学 | Trackback(1) | Comments(4)


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
ライフログ
最新のコメント
> sakanoueno..
by heitaroh at 20:01
いいですね、胴上げ。 ..
by sakanoueno-kumo at 00:13
> sakanoueno..
by heitaroh at 19:21
わたしは小学生の頃、少し..
by sakanoueno-kumo at 10:11
> sakanoueno..
by heitaroh at 10:46
ようやく読み終わりました..
by sakanoueno-kumo at 19:09
> sakanoueno..
by heitaroh at 17:31
12周年おめでとうござい..
by sakanoueno-kumo at 03:47
> sakanoueno..
by heitaroh at 18:12
光を当てられていない人に..
by sakanoueno-kumo at 15:14
>sakanoueno..
by heitaroh at 11:09
あけましておめでとうござ..
by sakanoueno-kumo at 15:22
>Mさん  そうだ..
by heitaroh at 20:52
壊れた時計が動く理由もネ..
by M at 20:38
> sakanoueno..
by heitaroh at 12:35
検索
タグ
(65)
(54)
(54)
(51)
(50)
(46)
(42)
(41)
(41)
(36)
(32)
(31)
(30)
(30)
(29)
(28)
(26)
(26)
(25)
(25)
(24)
(24)
(24)
(24)
(23)
(23)
(21)
(21)
(21)
(20)
(19)
(19)
(18)
(18)
(18)
(18)
(17)
(16)
(16)
(16)
(16)
(15)
(15)
(15)
(15)
(14)
(14)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)
(12)
(12)
(12)
(11)
(11)
(11)
(11)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(10)
(9)
(9)
(9)
(9)
(9)
(9)
(9)
(9)
(9)
(9)
(9)
カテゴリ
以前の記事
2017年 12月
2017年 11月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
最新のトラックバック
八犬傳(上・下)
from 天竺堂の本棚
2016年NHK大河ドラ..
from <徳島早苗の間>
明治日本の産業革命遺産の..
from 坂の上のサインボード
明治日本の産業革命遺産の..
from 坂の上のサインボード
時~は2015年♪。
from <徳島早苗の間>
フォロー中のブログ
ブログパーツ
  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧