カテゴリ:文学芸術( 134 )

大河ドラマ「軍師官兵衛」での涙の名演技に思わず胸に迫るものあり。
今年の大河ドラマ「軍師官兵衛」ですが、全国的にどうかはわかりませんが、北部九州地方ではダントツ1位の視聴率を誇っております。
(最近はそうでもないようですが、一時期は本当に2位以下に大きく差をつけてのぶっちぎりの1位でした。)
地元だから・・・なのかもしれませんが、だとすれば、福岡人も変わったなあ・・・と。
地元を盛り上げよう・・・とか言ったって、まあ、1~2回はお付き合いで見るかもしれませんが、私が知るかぎり、とにかく粘りがないのが福岡人なんで・・・(笑)。

e0027240_10455295.jpgでも、黒田官兵衛孝高(如水)摂津有岡城に幽閉されてからの2話は本当に見応えありましたね。
特に、妻・てる役の中谷美紀さんの「我が子・松寿丸(後の黒田長政)が殺された」と聞いた後の、やつれ方は思わず、胸に迫るものが・・・。
戦国でも現代でも子を思う母の気持ちに変わりはないわけで、これが母の顔だ・・・と思いましたよ。
(←黒田長政愛用の兜。)

で、名演技という点では、もう一人、やはり、父・職隆役の柴田恭兵さん・・・でしょう。

実は、私はこの人が父親役と聞いた時、いや、この回の直前まで、この人の父親役にはどうにも違和感がありました。
だって、やはり、我々の世代には柴田恭兵と言えば、ドラマあぶない刑事」のセクシー大下ですよ(笑)。
でも、よく考えたら、私、あぶない刑事って殆ど見てないんですよね。
でも、「俺たちは天使だ!」とか「プロハンター」なんかにも軽いキャラで出てましたし、やっぱり何といっても缶コーヒーのCMの「関係ないね」がモノマネが流行りましたからねえ。
それだけに、「ハゲタカ」なんかでも、重厚感ある役というのがどうにも違和感がありました。

ただ・・・、今回のそれは思わず、目を見張りました。
「羽柴殿、それがしの独り言も聞いてくださらんか」と言って語り出すシーンは圧巻でしたね。
目には大量の涙・・・、しかし、絶対に零れ落ちることはしない。
武士だから。

やはり、柴田さん自身、20歳の次男に先立たれたという経験があったからなのかもしれませんが、それにしても見事でした。
江戸時代、博多には仙崖という名僧がいましたが、この人が「孫が産まれたから目出度い書を書いてくれ」と言われて書いたのが「親死ぬ子死ぬ孫死ぬ」
どこが目出度いんだと言われ、答えて曰く、「これが一番目出度い。この逆が一番不幸」と。
まったくその通りで、子が親より先に逝くというのは最大の親不孝ですよ。
                              平太独白

by heitaroh | 2014-06-09 07:33 | 文学芸術 | Trackback | Comments(4)

九州国立博物館「中国 王朝の至宝展」行ってきました。
福岡県太宰府市にある九州国立博物館です。

e0027240_144507.jpg

何をしに行ったかというと、今、「日中国交正常化40周年特別展 【中国 王朝の至宝】展」が開催されており、これはやはり、マニアとしては行かないかんやろう・・・と。

e0027240_1448234.jpg特に、の青銅の仮面は一度見てみたいと思っていたんですよ。
(←右下に写っている物です。)

(今では「商」というそうですね。)に滅ぼされた古代中国の地方文明だと言われていますが、これ一つ見ても、まったく他のどの時代のどの文明とも違う、異質な文化を持っていたことが伺われますよね。
殷の覇権確立が進む途次であったとはいえ、当時の中国大陸には国ごとに種々多様な文明が花開いていたことを雄弁に物語っていると思います。

この蜀はまったく異質な文明を持つ殷に滅ぼされたわけですが、これはある意味、国家間の覇権争いもながら、一面には異質な文明同士の文明標準化への主導権争いだったという見方も出来るのではないでしょうか。

e0027240_14562068.jpg

もっとも、そうは言ってもそこは古代のこと、この青銅の仮面も火にかけられ、地中に埋められていたということも聞きましたが、これなどは敗者に対する勝者からの徹底した文明破壊が行われたことの証でしょう。
後に、殷滅亡に際して蜀は次の覇者となる周王朝の陣営に馳せ参じて、強大な殷に立ち向かったと言われていることも、殷への怨みがどれほど激しかったかを裏付けているようにも思えます。

ちなみに、この青銅の仮面ですが、「仮面」と言いながらも、大きさは一抱えあり、見た限り、かなり硬くて重そうな材質に見えました。
これって、焼けるとそんな感じになるんですかね?
それとも、ただの青銅器じゃないとか?
また、裏側の一部に微妙に左右対称になっていない部分があったのはなぜでしょうか?
破壊される時にそうなったという可能性があることはわかるのですが、だとすれば、復元できないほどに硬かったということでしょうか?

e0027240_1527303.jpg

・・・などなど、出来れば、触って、抱きしめて、頬ずりもしてみたかったマニアでした(笑)。
                                         平太独白
by heitaroh | 2013-09-08 18:24 | 文学芸術 | Trackback | Comments(0)

映画「レイ」にみる題材の無理と、歴史を作りたいアメリカ。
今日から7月。
あっという間に半年がおわってしまいましたね。

ところで、先般、映画、「Ray / レイ」というのを見たのですが私見で大変恐縮なのですが、映画、「アリ/ALI」ほどには、期待していたほどは面白くなかったですね。

言うまでもなく、盲目のシンガー、レイ・チャールズの人生を描いた作品でしたが、確かに彼は、盲目ということで、人にはわからない苦労もされたのでしょうし、一般人に比べ、遙かにハンディが大きかったことも疑いようのない事実でしょう。
また、子供の頃、彼の不注意で、弟が死んだことも、ずっと、彼の心の重みになっていたいうこともあったようです。

e0027240_10412916.jpgしかし、一旦、軌道に乗ってからは言っちゃあ悪いけど、順風満帆じゃないですか。
下積み時代に覚えた麻薬との葛藤という苦しみはあったにせよ、それほどの毀誉褒貶があったわけでもなく、自分の意志で、社会の不条理に立ち向かったわけでも、何らかの理不尽な挫折を経験したわけでもない。
その辺が同時代を、同じ国で、同じ黒人として生きた、モハメッド・アリとは大いに違うところだと思います。
(アリは敢えて苦難の選択肢を選んだわけで。)

つまり、レイ・チャールズの人生は起承転結がない・・・。
もっと言うならば、この映画は、題材として、盛り上がりに欠けると・・・。
(和田アキ子さんなどは、ナマのレイにとても心酔しておられましたが、これは実物とは別の、あくまで映画の話です。きっと、生レイは凄いのでしょう。)

アメリカは、歴史がないから、国民の求心力を保つ為にも、何とかして、誇れる「歴史」とその象徴となる「英雄」を作らなければならない。
リンカーンリンドバーグは、もう、歴史の範疇にいれてもいいでしょうが、「ニクソン」「マルコムX」などは、無理して映画化して、洗礼を受けさせた後に、本棚の「歴史上の人物」の欄に並べたがっているように思えて成りません。
アメリカ人は、歴史が浅いと言うことに、我々が思っている以上のコンプレックスを抱いているようにも思えますが、如何でしょうか・・・。
ちなみに、以前も言いましたが、キッシンジャーは死んだら、すぐに映画になるでしょうね(笑)。
                                平太独白
by heitaroh | 2013-07-01 07:25 | 文学芸術 | Trackback | Comments(0)

吉田松陰「留魂録」外伝 遥かなり三宅島 読了
先日から、永冨明郎著、『吉田松陰「留魂録」外伝 遥かなり三宅島』という本を読んでました。

まず、主人公は吉田松陰その人ではなく、松蔭が安政の大獄に連座し、江戸の牢に繋がれていた時に、たまたま、同じ獄にいた沼崎吉五郎という人物。

e0027240_19544684.jpgこの人物は、松蔭や他の幕末の志士たちのように国事に奔走して捕まった国事犯などではなく、たまたま、婦人切害の罪で入牢していただけの全くの市井の人で、彼は、松蔭と同房であった縁で、松蔭のその遺書とも言うべき留魂録他を託され、松蔭刑死後、流刑(島流し)を終え、明治になって、これを長州出身の高官に届けたことで、わずかに知られています。
(私的には、昭和52年(1977年)の大河ドラマ「花神」での草野大悟さん演じるイメージが離れません。)

従って、武士とはいえ、このような一般庶民の人生が克明に資料として残っているはずはなく、それなのに、読み進めるに連れて、実に生き生きと、まるで、違う誰かの人生を乗っ取ったかのように鮮明にその一生が描かれてるんですよ。
私としては、「一体、これはどこまでが小説なんだ?」といささか困惑しました。
まあ、その辺の疑問は、あとがきを読んで氷解しましたが、驚くべきは著者のその取材力・・・。
これは、これまで殆ど触れられることがなかった当時の刑罰史の一隅に灯を供する、実に興味深い「資料」でした。
ご興味お有りの方は冒頭のタイトル部分をクリックすれば、同書の電子出版のページに繋がるようになっておりますので、一度、手にとって(?)みられてください。

もっとも、同書では吉五郎は冤罪で服役した苦労人の好漢という設定でしたが、私なら、冤罪にはしなかったでしょうね。
もっと、長年の貧困と労苦の中で、性格がねじ曲がった人間・・・という設定にしたでしょう。
実際、本人は草葉の陰で面映い思いをしているのではないでしょうか(笑)。
                                         平太独白
by heitaroh | 2013-04-24 20:09 | 文学芸術 | Trackback | Comments(0)

「八重の桜」に見る会津人とアテルイの東国人の類似性
今年の大河ドラマ、「八重の桜」ですが、NHKも震災復興に対する福島県への気遣いからか、はたまた、昨年の苦い教訓からか、映像も、福島県への観光客誘致にくれぐれも支障がないように、とにかく、綺麗に描いてますよね。
毎回、作り手の細やかな「気遣い」が伝わってくる仕上がりになっていると思います。

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ただ、その割には視聴率は今ひとつのようですが、この点は、やはり、題材が少し地味すぎたのかもしれませんねぇ。
最近の大河ドラマはすっかり女性の物になってますから、女性が主人公でないといけなかったのかもしれませんが、それでも、有名な会津女性は他にも山川捨松なんかもいたわけで・・・。
その意味もあってか、少し、主人公一族が良く描かれ過ぎな気もしますけどね(笑)。

e0027240_19435751.jpg
もう一つ、思うのは、NHKは会津に対する気配りと同じくらい薩長にも気を遣ってますよね。
これは、ドラマを盛り上げる上では、一般的に良く知られたスターを登場させねばならない・・・という、制作上の意図もあるでしょうが、本音はNHKが、「会津人よ、もう、いい加減に薩長を許してやったらどうだ?」って言っているような気もするのですが(笑)。
ただ、おかげで、割りを食らっているのが、徳川慶喜と、福岡県久留米市出身、真木和泉こと、真木和泉守保臣のようです。
ちなみに、真木和泉は、私の高祖父と多少、関わりがあり・・・、と言っても、彼が自決した時、高祖父はまだ幼児でしたので、直接の関係があったというわけではなく、真木和泉の後任(?)の弟子だった・・・という、まあ、むりやり、こじつけたみたいな関係ですが(笑)。
その意味では、真木の方はともかく、高祖父の方は幼少期より、真木の話を聞かされて育ったかもしれませんね。

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もう一つ、このドラマを見ていて思ったのは、京都に出てから、健闘が裏目裏目に出る会津人についてでして・・・。
まあ、この点は主役側ですから、ある程度、ひいき目に描かれているのかもしれませんが、やはり、この、負のスパイラルに陥る様は西国人の私が見ると、どうにも、「違和感」を覚えるんですよ。
同じ事は、先日、同じくNHKでやっていたドラマ、「アテルイ」を見ていても思ったんですが、何かが、西日本のそれとは決定的に違うんですよね。

うまく言えませんが、続きはまた後日。

親愛なるアッティクスへ
                                         平太独白
by heitaroh | 2013-03-28 20:31 | 文学芸術 | Trackback | Comments(0)

昭和29年公開の映画「エジプト人」に人間臭さと原型を見る
気がつけば、いつの間にやら、3月が始まってましたね。
もう、正月などは随分前の事のように感じられます。
この辺りが歳をとったということなんでしょうか。
歳をとったといえば、先日、以前から撮り溜めしていた昭和29年(1954年)公開の映画、「エジプト人」というのを見ました。

e0027240_1442158.jpgまあ、エジプト人と言いながら、1965年公開の映画、「ジンギス・カン」同様、アメリカ映画らしく、登場人物がすべて白人ばかりなのはご愛嬌だったでしょうか(笑)。

おそらく、当時もB級映画だったのだろうと思いますが、ただ、意外に、時代考証は割合しっかりしており、当時からすでにホルエムヘブアメンヘテプ4世などの事跡や、深刻な宗教対立や権力闘争などがこれほどまでに特定されていたというのは少し意外な観がありました。

物語は老いた主人公が僻地で自らの人生をふりかえるという形で始まるのですが、主人公は、孤児として生まれながらも、医師である養父に拾われ、医師を志し、高い教養を見につけながらも、一転、女に溺れて転落し、その後、失恋、破産、放浪、殺人、別離と、まあ、そこだけ見れば、一通りのことはやってるじゃん・・・と(笑)。
何となく、この年になってくると、人間臭くて親近感(?)を持ってしまったのですが、それとは別に、時代を考えれば、この映画、意外に元祖・・・とまでは言いませんが、色々なものの原型のようなものが散見されるんですよ。

まず、とかく、この手のストーリーにはお決まりの観がある「実は前国王の息子だった」・・・みたいなオチ。
当時の日本の時代劇全盛時代の映画にも、とかくありましたよね。
それから、女の色香に狂ったあげく、破産して、各地を放浪する際には、それまでと人が違ったように、金持ちしか診療しないという、金の亡者みたいになってしまう・・・というところは尾崎紅葉「金色夜叉」よろしく・・・でしょうか。
(もっとも、こちらは尾崎紅葉の方が先でしょうが(笑)。)
でもって、一番、注目したのは、この主人公の生い立ちの部分。

漁師結びされた葦船に乗せられ、川に流されてきた孤児を医師が拾い養育する・・・というくだり。
手塚治虫原作の名作「どろろ」の主人公、百鬼丸の生い立ちとまったく一緒じゃないですか。
おそらく、手塚はこの映画を見ていたんじゃないですか?
あるいは、小説を読んだのかもしれませんが、原作の刊行は昭和20年だそうで、翻訳されたのは昭和30年台に入ってからと聞いてますから、であれば、おそらく手塚は当時はもう既に超売れっ子ですから、ゆっくり読書などしている暇はなかったように思えるんですけどね。

親愛なるアッティクスへ
                                         平太独白
by heitaroh | 2013-03-02 07:36 | 文学芸術 | Trackback | Comments(0)

三十年一昔で今頃見る世界の「おしん」 その2
昨日の続きです。

その「おしん」ですが、実は、全部、まともに見たんじゃ時間的に無理だろうという考えから・・・、本心を言えば、まあ、それほど熱心に見る必要も無いだろうという安易な考えから・・・、当初から総集編を録画しておりました。
ところが、それでも1本1時間半が4本ですから、全部見てたら6時間かかるわけで、6時間はさすがにそれは連休中でもまともに見るのは無理があるな・・・と思い、当初は、結構、早送りで見ておりました。
(確かに、幼少期も、成年期も、理不尽なまでのおしんの苦労が描かれてましたが、正直言って、その辺は、「もう十分聞いてるから」という思いもあり・・・。)

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おしんと言えば、年代ごとに3人の女優で演じられたものの、当時、事実上、子役の小林綾子ちゃんの代名詞になっていたように記憶しておりますから、やはり最初の方が一番、見せ場なのでしょうが、ところが、案に相違して、私が一切、早送り無しで見てしまったのは乙羽信子さんが演じた最後の1本の部分でした。

昨日も申しましたとおり、おしんは設定では明治34年(1901年)生まれ・・・ですが、実はこの年は20世紀の始まりの年であり、つまり、おしんは昭和天皇と同年ということになるわけです。
まあ、この辺は意図的に設定されたわけではないのでしょうが、いささか象徴的なような気がします。
(昭和天皇も当時、このドラマを視聴していたらしく、「ああいう具合に国民が苦しんでいたとは知らなかった」と述べたという話も聞いたことがあります。少し、出来すぎてるような気もしますが。)
ちなみに、老年を演じた乙羽信子さんは大正13年(1924年)生まれで、この時、60歳、おしんよりは随分、若かったわけですね。

で、当時はまだ、祖父母は健在だったのですが、ある時、このドラマを見ながら、明治生まれの祖父が、傍らに居た大正生まれの祖母と戦前生まれの母に対し、「お良く見ておけ!昔のおなごは、こげん苦労したとぞ。おまえたちはまだ苦労が足りん」・・・と(笑)。
私からすれば、我々の世代ならともかく、戦前生まれの母もまあ、ともかくとして、大正初め生まれの祖母はあんまり変わらんだろう・・・と苦笑した記憶がありますが、祖父から見れば明治生まれの苦労はもっと凄まじかった・・・という思いがあったのでしょうねぇ。
だから、近所にいる同世代の従姉のお婆ちゃんとは同志的な思いが共有された・・・と。

明日に続きます。

親愛なるアッティクスへ
                                         平太独白
by heitaroh | 2013-02-14 18:14 | 文学芸術 | Trackback | Comments(0)

三十年一昔で今頃見る世界の「おしん」 その1
この連休中、撮り溜めしていたNHKドラマ「おしん」を見ました。
これが放送された当時、私はまだ大学生、殆ど見た記憶はないんですが、当時は、「オシンドローム」などという言葉を生み出す一大ブームになり、さらには、世界各国でも感動と称賛の嵐をもたらしたといわれる作品だけに常々、一度、きちんと見ておきたい・・・と思ってました。
ちなみに、ご存知ない世代の方の為に少し説明いたしますと、「おしん」とは、昭和58年(1983年)4月4日から翌昭和59年3月31日まで放送されていたNHK連続テレビ小説で、少女期を小林綾子、青春・成年期を田中裕子、中年から老年期を乙羽信子が演じ、平均視聴率52.6%、最高視聴率62.9%のテレビドラマ最高視聴率記録を樹立、さらに世界66か国や地域で放送され、特に、アジア、中東で根強い人気を誇るというドラマです。

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おしんは設定では、明治34年(1901年)生まれとなっており、世代的には私の祖父と同世代・・・ということになります。
おしんの出身である山形県と、私の祖父の福岡県の違いはあったにしても、また、男女の違いはあったにしても、そこに映し出される風景はおそらく祖父が見てきた世界と大きく違ってはいないんだろうなと思います。
で、ラストシーンで渡瀬恒彦演じる老人が、「私たちが死んでしまったら小作民運動弾圧で苦しんだ人間がいたことなど忘れられてしまう」と言うと、乙羽信子さんのおしんも「奉公の辛さ戦争の残酷さは話では残っていても痛みがわかる人はいなくなってしまう」と語る部分がありました。
二人にはおそらく、同じ時代を生きてきた・・・という同志的な感情があったんでしょうね。

そういえば、祖父の存命中、近所に住んでた祖父の従姉のお婆ちゃんが毎日のように我が家に来てたのを思い出しました。
いつも、何を話すわけでもなく、ただ、来て帰っていくだけで、祖父の方もごく当然のような感じで接していましたが、でも、近所で親戚とはいえ別に姉弟ってわけでもないのに、毎日のように来てたのを見て、「この婆さん、何しに来てるのかな・・・」と思ってましたよ。
でも、思えば、同じ地域で生まれ、共に、同じ十代にして親元から離され、遠く博多の養家と婚家に出され、同じ地域で生きてきたわけで、他の人にはわからない同志的な結びつきがあったんでしょうね。

明日に続く。

親愛なるアッティクスへ
                                         平太独白
by heitaroh | 2013-02-13 18:02 | 文学芸術 | Trackback | Comments(0)

映画看板の神様に昭和を見た
e0027240_15122954.jpg先日、ちょっと所用があり、久しぶりに旧博多部(いわゆる本当の「博多」と呼ばれる所です。)に行って来ました。
わかりやすくと言うと、博多駅から博多港に向かう間の地域・・・といったところで、旧市街という点では、ちょうど東京で言えば神田みたいな感じでしょうか。
でも、この辺はまだ、私が子供の頃の世界、下人参町時代の雰囲気が残ってますねぇ。
で、所用が午前中で済んだので、昼飯がてら、ちょっと行ってみたい所があり、ちょいと行ってきました。

それが、ちょうどこの日まで「博多百年町家 立石ガクブチ店ギャラリーで開催されていた、「映画看板の神様」と呼ばれた城戸久馬之進画伯の作品展です。
まず、こちらの立石ガクブチ店さんは、如何にも、この地域らしい老舗で、築100年を超えるという店内にはまだ、昔の防空壕(↓)が残ってました。

e0027240_16122666.jpg

深さは当時の半分くらいになっているそうですが、この辺りは、元々、平安時代頃からの埋立地で、戦前までは井戸が使えず、飲料水は売りに来ていた物を買っていたというような地域ですから、当然、乾燥した土地柄とは到底考えられず、良くぞ朽ちもせずに残っていたなぁと感心。

でもって、本題ですが、ご承知の通り、昭和30~40年代の映画看板という物は基本的に使い捨てでしたから、今でも殆どが現存しておらず、(今残っていたら、結構な芸術作品扱いになるんじゃないでしょうか。)それは、この方とて例外ではなく、現物は残ってなくて、あるのは弟子が勉強の為に撮影していたという写真のみだそうです。
それでもこの世界では東京はおろか、アメリカからも視察に来たというほどに、日本一の呼び声高かった人のそれですから、 さすが!と思わせるものがありましたね。
(アメリカにもこういう物はあったそうですが、実にざっとした物だったそうで、それをここまで昇華させる辺りが如何にも日本人らしい・・・と。)
当時の日本人は4階建てビルに相当するスタイル抜群のブロンド美女の看板を見て、腰を抜かしたんじゃないでしょうか。
(あるいは、戦争に負けたことを実感したのかも(笑)。ちなみに、こういう、フレームから飛び出すようなことをやったのも、この人が日本で初めてだそうです。)

これらの映画看板については、ご興味お有りの方はこちらをどうぞ。
一見の価値在りと思いますが。
                  ↓
http://www7b.biglobe.ne.jp/~kidomuseum/koukoku/index.html

親愛なるアッティクスへ
                                         平太独白
by heitaroh | 2013-01-24 07:56 | 文学芸術 | Trackback | Comments(2)

登場人物の基本に見るルパン三世とワン・ピースとの相似
e0027240_12233186.jpg当方、この4日間はとにかくお雑煮三昧で、餅は間違いなく、歳の数は食べたでしょう。
おかげで、やや、一部、体調不良のようですが。
で、どうにか昨日で原稿の方にケリを付けまして・・・、と言っても、後半はもう、諦めました。
・・・年取ると、やはり根気が続きませんねぇ。
で、今から昨年来、溜まっていた通常業務にとりかかります。
(←そんなこんなで、まだ、初詣行ってませんので、とりあえず、それっぽい画像で満足するとします(笑)。)

ところで、今や世界的な大ヒットとなっているアニメ、「ワン・ピース」ですが、あれって、登場人物の基本というのはルパン三世と一緒ですよね。
主人公の両脇を黒服のダンディズムと剣の達人が固め、スタイル抜群の美女が絡む・・・と。
まあ、銭形警部に当たるようなキャラがいるかどうかまで知らないのですが。
でも、そう言うと、「どこが一緒なんだ!ルパンよりワン・ピースの方が圧倒的に仲間が多いじゃないか!」と言われる方もあるかと思いますので申し上げておきますと、あくまで、「基本」は主人公に黒服に剣の達人に美女の4人なんでしょう。
最初の方はその連中だけだったように記憶しておりますので。

e0027240_11435545.jpg
(↑福岡市近郊にある不思議博物館です。以前から気になっていたのですが、年末、思い切って、ちょっと行ってみました。思ってたより、ファンタジーで良い感じでしたよ。)

で、ルパンと違い、どんどん、仲間が増えていくのはワン・ピースが少年ジャンプ連載だからでしょう。
確か、少年ジャンプのコンセプトは「友情・勝利・勝利(努力?)」だったように聞いており、従って、創刊以来、同誌の連載漫画には一貫して、仲間との共闘傾向があるようです。
(創刊時にこういうコンセプトを掲げ得たというのは結構、斬新な事だったと思います。特に、創刊当時は結構、売れ行きが悪く、苦労したようにも聞いておりますので。普通、そういう状況なら、背に腹は代えられないで、売れれば何でも良いってことにハンドルを切ってしまいがちなんですけどね。)
もう1つ言えば、ゲーム界からの要請という、如何にも今時の事情もあるんでしょうね。
少年ジャンプはそっちの方にも積極的なようですから。 
つまり、ルパン三世も今の時代に少年ジャンプで連載していたならば、仲間はじゃんじゃん、膨れ上がって行ってたんじゃないか・・・ということですね。

親愛なるアッティクスへ
                                         平太独白
by heitaroh | 2013-01-05 08:25 | 文学芸術 | Trackback | Comments(0)


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
S M T W T F S
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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