カテゴリ:国際問題( 118 )

世界は善か悪かなどで動かない!損か得かで動くんだ!
e0027240_14463579.jpg「外交センス無き国民は滅びる」とは吉田茂の言だったと記憶しておりますが、この点で、昨今の日本人の外交感覚を見ていると、「敵か友達か」、あるいは、「善か悪か」と言ったほうが良いでしょうか、そういった、いささか、安易な二者択一の硬直化した反応が伺えます。
でも、孫子に言う「兵は詭道なり」で、現実の国際社会もまた、殴りあいしている裏側で握手してたり、笑顔のハグの裏側でナイフを用意していたり・・・で、そんなに単純に割り切れるわけではないんですよね。

この点で、金子堅太郎という人が居ます。
日露戦争当時、アメリカへ飛び、学友であるセオドア・ルーズベルト大統領に和平工作を働きかけた人物として知られていますが、しかし、国際社会などというものはそもそも、情宜友情などというものでは動きませんよ。
ましてや、正しいか正しくないかなどでもなく、すべては「国益」、つまり、かで動くんです。

事実、ルーズベルトは何も金子に頼まれたから和平仲介をしたわけではなく、その手紙の中で、「日本は我々のゲームを戦ってくれている」、「果実が他国に横取りされないよう、極上のサービスをしてあげるつもりだ」などと書いているとか。
(同様に、日英同盟も、別にイギリス義侠心から出たものではありません。イギリスが、自ら犠牲を払うことなくロシアの南下を防ぐ為に、日本に開戦させるべく「強気」の材料を提供したということであって、その証拠に、イギリスは戦後、「日米争えば、我々は日英同盟があってもアメリカの側に立つ」と言ってます。ちなみに、日本陸軍の生みの親とも言われるメッケル少佐を、ドイツが維新後の日本に派遣したのは、別に友情などではなく、宿敵・フランスと同盟するロシアの背後に強国を作りたかったからです。)

それを端的に表したのが、ビスマルクが岩倉使節団に対し語った、「大国は自国に有利な場合には法を盾に取るが、不利な場合は平然と踏みにじる。だから我が国は対等な権利を獲得する為に血の出るような思いで国力の振興に務めた」という弱肉強食そのままの言葉です。
そう言うと、「そんな19世紀の話を!」と言われる向きもあるかもしれませんが、ただ、これは何も中世欧州社会に限った話ではなく、日本でもつい最近までは往々にして見られた光景ではなかったでしょうか。
日本人はとかく、一旦、紙に書かれた条約は自動的に守られるものだと思っているようですが、「大企業は、中小企業には訴訟能力がないと見越して、平然と中小企業の特許侵害してくる」という話も厳然とありましたよね。

親愛なるアッティクスへ
                                       平太独白
by heitaroh | 2013-04-08 07:12 | 国際問題 | Trackback | Comments(0)

シュミット元西独首相の「有害な愛国主義」批判に感嘆
親愛なるアッティクスへ

今日は、あの、あさま山荘事件からちょうど、40年なんだそうですね。
当時、私は小学校4年・・・。
あの、最近、AUのCMにも出てくる星飛雄馬のライバル・花形 満大リーグボール1号打倒のための特訓に利用した解体現場用の巨大な鉄球と、随分と長かったテレビ中継が印象に残ってますが、まあ、当時は繁栄の頂点であった大阪万国博覧会高度成長の終焉をもたらしたオイルショックとの間で、経済的な繁栄と裏腹に、こういう共産革命的なものを目指す血なまぐさい動きもままあり、子供心にも、今更大人は何をそんなに大騒ぎをしているのか・・・というのが正直な実感でした。

今となっては当時の彼らの行動に共感を覚える人は少ないでしょうが、ただ、あそこまで極端な行動に出ることはないにしても、今も、少し背中を押されたら一気に坂を駆け下りてしまいそうなことを言っている人は少なからずいるような気がします。
この点で、少し思ったのが、最近、ドイツでも与党議員らが、「欧州では今、再びドイツ語が話され始めている」というようなことを得意になって述べる姿が見かけられるようになってきたということです。
これは、他の欧州諸国の凋落ゆえに、対照的にドイツ人の欧州の中での比重が上がってきているということなのでしょうが、一方で、私には、「日本は本当は悪くなかった」、「日本人は素晴らしい」というようなことを述べる日本人が増えてきたのと二重写しに見えて仕方が無い気がするんです。

その、ドイツ人の姿に激しい叱責を加えているのが旧西ドイツシュミット元首相・・・、御年92歳・・・。
第二次大戦の従軍経験があり、ドイツの世論調査では度々、「最も愛された首相」に選ばれている人で、この辺り、日本での中曽根康弘元首相のような存在なのかもしれませんが、少し違うのは、この方は、好調な経済を背景に「独善的なドイツの台頭」が指摘される現状に憂慮を示すなど、その、「他の欧州諸国との連帯を常に訴える姿勢には根強い支持」があると言われている点です。
(その意味では、むしろ、故・後藤田正晴元副首相に近いのでしょうか。)

同氏は、「ドイツは今、欧州の師匠役を気取っている。欧州の盟主を目指せば必ず近隣国の反発を招き、やがて孤立する」と訴え、さらに、現在の欧州危機に際しても、「他国の債務の共同保証」に反対するメルケル首相を「有害な愛国主義」と批判し、「ドイツは再び近隣国を不安にさせている」と指摘。
また、「ドイツの輸出黒字は、他の欧州諸国の赤字の上に成り立っている。だからこそ負債は一緒に引き受けるべきだ」・・・と。
いずれも、まったくの正論ではないですか!
「ドイツ人よ、奢れるなかれ!」・・・と。

氏は、さらに「戦後ドイツの復興は、他の西側諸国の支援なしには不可能だった事実を忘れてはいけない。ドイツは今こそ、ギリシャなどに連帯を示す歴史的義務がある」と語り、欧州全体の利益を重視し、さらに資金を拠出すべきだとの考えを示した・・・と。
日本人は氏のこれらの発言と増長するドイツ人の姿をどう見るのか・・・、以って他山の石とすべしと私には思えるのですが・・・。
                                     平太独白
by heitaroh | 2012-02-28 07:52 | 国際問題 | Trackback | Comments(0)

人生初、松飾もとれぬうちからの台湾周遊行 その6
親愛なるアッティクスへ

e0027240_16644.jpg私が居たこの時期、台湾はちょうど、総統選挙の真っ最中。
ガイドさんによると、台湾では夫婦間でもうかつに選挙の話は出来ないそうで、本当に「選挙離婚」というのがあるとか・・・。
(←北回帰線です。北回帰線通過証明書というのをもらいましたが理科に疎い私はそれが何だか良くわかってません(笑)。ガイド曰く、ここを境に熱帯亜熱帯に分かれるので、この塔の中では中心線を境に温度が少し違うということでしたが、まったくわかりませんでした(笑)。)

e0027240_16334863.jpgまあ、要はそれほど選挙戦は激しいということなのでしょうが、その辺は、防弾ガラスで守られながらの遊説・・・というのを見てればわかるような気がします。
賭けの対象になってるというのはどんな不測の事態が起こってもおかしくない・・・ということでしょうから。それにあちらは徴兵制の国ですから(今も?)、皆、日本人と違い、銃の扱いには慣れており、いざ、抗争となったときはそれを鎮圧しようとする方にも多大な被害が出る・・・という話を聞いたことがあります。)

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まあ、総統選挙自体はご承知の通り、現職の勝利に終わったわけですが、ついでに言えば、台湾は親日の国として知られているものの、現政権は親中ですから先行きについては不透明ですね。
TOPが盗られて10年したらあらゆるものがガラッと変わりますよ。
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ちなみに、私は台北は3~4回くらい来ているのですが、なぜか、いつも同じホテルでして・・・。
今回は手配が違うので、いくら何でも別の所だろう・・・と思っていたところ・・・、またもや、同じホテルでした(涙!)。
「アナタにはここがお似合いよ!」という声が聞こえてきそうな気がするのですが、気のせいでしょうか?(笑)。
                                         平太独白
by heitaroh | 2012-01-21 15:53 | 国際問題 | Trackback | Comments(0)

世界人口70億人突破に思う福田赳夫元総理が危惧の足音
親愛なるアッティクスへ

11月に入って初めての更新です。
気になってはいたのですが、とにかく、今、むちゃくちゃ忙しいです。
目が回るような忙しさで意識朦朧状態なのに、たった今、あっさりと、「今週までに処理しておいて戴ければ結構ですから・・・」なんて気軽に言われてしまい、絶句状態です。

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去る日本時間10月31日に世界の人口はついに70億人を突破したそうですね。
それを記念して、世界の人口問題に取り組む国連機関・国連人口基金の東京事務所から、10月31日生まれの赤ちゃんには希望すれば「70億人目」の認定書が発行される・・・と聞きました。
70億人という数字は一見、日本のような少子化が懸念されている国から身れば結構なことのようにも思えますが、これを2011年という数字の上から見ると決して手放しでは喜べない、むしろ、認定書なんて出している場合ではない、とても深刻なことであると思えます。

実は、今、河野一郎という政治家に興味があり、その一環として、先日から、「私の履歴書 保守政権の担い手」という本を読んでいました。
(河野一郎とはかつての政界の一雄として、吉田 茂をして「顔を見るのも嫌なのは河野一郎とスカルノ」と言わしめた人物にして、前自民党総裁・河野洋平氏の父、現自民党代議士・河野太郎氏の祖父になります。)
ところが、それだけの人でありながら、今、この人のことについて書かれた資料で満足いくような物があまりなく、それでやむなく、日経新聞連載の「私の履歴書」の復刻版を取り寄せた次第でした。

従って、同書には河野一郎のみならず、岸 信介から中曽根さんまでが集録されており、その中でもっとも印象に残ったのは田中角栄元総理の部分だったのですが、この辺はまた、後日触れるとして、私が申し上げたいのが福田康夫元総理の父、福田赳夫元総理の部分でした。
一部、抜粋しますと、氏は「21世紀の人類の大きくかつ困難な障害」として特に「最も困難な問題」として上げておられたのが人口問題でした。
曰く、「世界の人口はイエス・キリストのころは二億人だったといわれ、それが今世紀初めに十六億人になった。その十六億人の世界人口は今世紀末に六十四億人になる。そして、今後当分の間、一年間に一億人は増え続けること必至と見られている」・・・と。

確かに、古代ローマの当時の人口が3,000万人で世界人口の1/4を占めていたと聞いたことがありますから、キリストの時代はそんなもんだったんでしょう。
それが2000年かかって8倍になったのに、この100年でさらにその4倍・・・でしょ。
(ちなみに、氏がこれを書かれたのはまだ存命中の平成5年だそうですから、ここで言われている「今世紀末」とは20世紀のことですね。)
以前、平太郎独白録 : 自然淘汰容認論で申し上げたことですが、地球が人類を養えるキャパシティに限りがある以上、このまま、増え続けることがどういう事態をもたらすかは容易にそうぞが付くことで、今更いうことでもないのでしょうが、福田赳夫元総理が危惧していた数字が着々と現実のものになりつつあることを思うと、何だか、とても不気味に思えてなりません。
                                         平太独白
by heitaroh | 2011-11-09 19:16 | 国際問題 | Trackback(1) | Comments(6)

タイ大洪水は人災・・・らしい
親愛なるアッティクスへ

大洪水に見舞われているタイでは首都バンコクがいよいよ、大変な事態になりつつあるそうですね、
大潮と満潮が重なり、首都中心部を流れるチャオプラヤ川の堤防の高さを越えるそうで、堤防を人為的に決壊させるなど、厳戒態勢を続けている・・・とか。

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この件で、タイ人の知己に話を聞いたところ、日本の東日本大震災の時もそうでしたが、やはり、テレビではあまり伝えられない話があるみたいですね。
日本の田中角栄ともいうべきタクシン政権時代に「コブラ池」と呼ばれていた巨大な池を埋め立てて国際空港を作ったんだそうですね、
当時、国王は「あそこは調整池だから埋め立ててはならない」と言ったそうですが、タクシンさんがそれを押し切って着工してしまったのだとか。
(空港自体は地盤を高く作ってあるそうで、水没していないんだとか。)

皮肉にも、タクシンさんの妹が首相に就任し、タクシン復権に向けて法整備に動こうとした途端、この洪水だそうで思わず、「コブラの呪いじゃないの?」と・・・。
さらに、知己いわく、「今の洪水は結局、人災ですよ」と。
どういうことかというと、現首相は政治の経験が大幅に不足しているそうで、的確な対策が打ち出せなかったことが被害を拡大させたのだとか。
なるほど、それって、我々日本人にはよくわかるんじゃないですか。
まったく、東日本大震災で的確な政策を打ち出せないでいる、どこかの民主党政権と一緒じゃないですか。
                             平太独白
by heitaroh | 2011-10-29 07:24 | 未分類 | Trackback | Comments(2)

歴史は勝者が作るの理
親愛なるアッティクスへ

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     「稜線に 釣瓶落として 闇侍り」 梁庵平太


先日、新聞を見ていて、ふと目に付いた記事がありました。
うろ覚えなのですが、曰く、「ベトナム人の友人から『歴史は勝者が作るもの。負けた戦争について今更、とかく言っても仕方がない。それよりも、これからのことに力をそそぐべきだ』と言われた。如何にも、長年、中国と戦ってきた経験を持つベトナム人らしい言葉である・・・」と。
これは、私もまったく同感でして、私の周りにもよく、「日本は悪くなかった」とか「日本がいかに素晴らしかったか」を力説する友人諸兄が多々、いらっしゃるのですが、私は毎回、この手の「正論」に対して無味乾燥なものを感じておりました。
言ってることは正しいのかもしれないけど、今、それを言ってどうするの?・・と。

その辺のことを端的に言ってくれたのが、この、ベトナム人の方の言葉で、私も、拙著の中で、武田勝頼、毛利輝元という人たちを描いていく上で、つくづくそのことを思ったことがあります。
歴史は勝者によって作られるんだ・・・と。
であれば、負けた側がそんなことを百万遍唱えても自己満足以外の何物でもないわけで、そんなことするよりも、もう一度、戦争して勝てば良いじゃないか・・・と。
そういうと、「また、そんな出来もしないことばかり言う!」と友人は怒りますが、そうでもないでしょう。
「勝てる時に、勝てる場所」で戦えば良いんですよ。
ただし、アメリカと事を構えるのなら、尖閣諸島竹島は放棄しないといけないでしょうし、逆に、中国を脅威と思うのなら、アメリカの無理難題にも耐え忍ぶしかないでしょう。

ていうか、それ以上に懸念されるのは、勝ってしまうと弊害の方が大きいということです。
この辺は、以前からたびたび言っている通りで、武田信玄「戦いは五分の勝ちで上とする。六分で驕りを生じ、七分勝つともう弊害の方が大きい」という言葉は至言だと思います。
(日露戦争後の「一等国日本」や、近い例ではジャパン・アズ・ナンバーワンと言われた頃の日本・・・。また、「外交的失敗の3ヶ月を軍事的成功の3日で取り戻した」と豪語した時のラムズフェルド米国防長官などが好例でしょう。)
そもそも、日本人というのはA型民族ですから、かえって、現実を直視したほうが良いんですよ。
「最高!」「最強!」などと言われると、大体、良かった試しはないですしね。

また、「素晴らしい」などとは他国の人が言ってくれる分にはともかく、自分たちで言うのはいかがな物かと。
「人は見たいと思う事実しか見ようとしない」と言ったのはカエサルでしたが、この点で、ある印象に残っている光景があります。
少し前のことなのですが、上海コンビニ業界日本企業に押されまくった中国国営系のコンビニが、閉店後、店長・店員が集まって対策会議をしていたところ、最初は、「どうする?」「どうしようか?」だったのが、「我々でも勝てる部門があるかもしれない」から、最後には皆で自分たちに言い聞かせるように、「まだ、我々は負けたわけではない」「日本企業、恐るるに足らず」という結論に至り、散会・・・と。
これって、私には、まるで、敗色濃厚となって以降の帝国陸海軍の姿に見えましたよ。
何の根拠もない・・・、そのことは皆知っている・・・けれど・・・と。
                                         平太独白
by heitaroh | 2011-09-28 16:52 | 国際問題 | Trackback | Comments(2)

インドと中国は日本にとって地球における木星と土星の理
親愛なるアッティクスへ

昨日、また、インドテロがあった・・・というニュースが流れましたよね。
また、パキスタンが絡んでいるようですが、これを聞いて私は、以前から日本の安全保障について思っていたことを改めて強く感じております。
それすなわち、「一つの脅威の消滅は新たな脅威の登場にほかならない」ということです。

唐突ですが、太陽系に置いて、地球が巨大隕石の衝突などが比較的、少なくて済んでいるのはなぜかご存じでしょうか。
それは、地球の外側に、木星土星という巨大惑星が存在していてくれるからです。
つまり、太陽系の外から飛来した巨大隕石などは確率的に、地球に衝突する前に木星か土星に衝突してしまう可能性が高く、地球なら壊れてしまったかもしれないような巨大隕石でも、木星や土星だと生態系(?)に影響はあったとしても、星自体が大きいから衝撃は充分に吸収できてしまうわけで・・・。

で、なぜ、私がそんなことを言うとかというと、常々、日本東アジアに置けるインド、中国というのは、まさしく、地球に置ける木星と土星なのではないか・・・と思っていたからです。
昨今、安易に、「大国はけしからん!」などという人がいますが、中国とインドという巨大な人口を擁する巨大国家の存在は、確かに、周辺諸国に圧迫感を与えながらも、一方で、西方からの狂信的過激派などからの防波堤の役割も果たしているという一面もあるわけです。

e0027240_12282170.jpg(←台北の博物館で見つけました。親日国としてしられる台湾ではこうやって、戦前の「菊の御紋」の修復も手掛けてくれているわけですが、これもその後の国民党支配の記憶と中国の脅威という物がなかったなら、また、違う形になっていたようにも思えるのですが。)

すなわち、安易に中国を取り除くと、今度はソ連崩壊後、イスラム教徒の攻勢にさらされているアメリカのように、もっと、やっかいな敵に遭遇してしまうことも考えられるわけです。
ロシアも含め、中国やインドは国家として存在してますから、まだ、和平の道も探れますが、統率なしに襲来してくる蛮族の襲来というものがどれほど厄介なものなのかは古代ローマの歴史が如実に示してくれていると思います。)

このことは、かつて、ヒトラーは第二次大戦の最終局面で、「アメリカはこれ以上、私を排除しないはずだ。共産主義の台頭を考えたら・・・」と言い、メッテルニヒも「ナポレオンを取り除くことは革命運動者の台頭を許すことになるので歓迎しない」と言ったという言葉に表されているように思います。
事実、その後の彼らの警鐘が現実の物となったことを見ると、今の敵を取り除くことは、もっと厄介な敵の台頭を許すことに繋がりかねない・・・、つまり、「一つの脅威の消滅は新たな脅威の登場にほかならない」ということが見て取れるような気がします。
それが、私には「ディプロマチックセンス(外交感覚)なき国民は滅びる」という、故吉田 茂元総理(某元総理のお祖父ちゃん)の言葉が思い出されてならぬ所以です。
                                          平太独白
by heitaroh | 2011-09-08 06:20 | 国際問題 | Trackback | Comments(0)

中国高速鉄道事故は大きな国の主義で括れない危険
親愛なるアッティクスへ

e0027240_10395799.jpg先般からの中国高速鉄道事故とその後のあまりに杜撰な処理についてですが、日本人の感覚からいえば何とも信じられないやり方で、かなりの人がこれを冷笑をもって見たのではないかと思います。
(←以前、重慶で見た工事現場です。左下の標語は「安全を忘れるな」・・・でしょうか。日本でいうところの「安全第一」だろうと思いますが、私には傍らの高層ビルが冷たく見下ろしているようで、何とも寒々しく聞こえます。その横は、「珍しく命を惜しめ」・・・?でしょうか(笑)。)

私も友人からそういうことを言われたのですが、実は、私には少し違う感慨がありました。
いつだったか、テレビで中国人の実業家が「小さい国には小さい国のやりかたがあるように、大きな国には大きな国にあったやりかたがある。少しくらいのミスには構うことなく前に進むことだ」というようなことを言ってましたが、私はこれは一理ある見解だと思います。

この辺の日中の違いを私は以前、トラックの荷造りに例えて申し上げたことがあったと思いますが、日本というトラックは各荷物を安定するように揃えて詰んで運ぶのに対し、中国というトラックは四角であろうが丸であろうが、とにかく片っ端から積み込み、そのままシートで被って出発する・・・。
途中でばらまこうが、散らかそうが関係ない。
しかし、その分、往復の回数を増やすことで収益を確保する・・・と。

これは日本人の感覚からすれば、何とも無様なように見えますが、でも、回数を運んでほしい人にとってはこちらの方が向いているわけで、要はニーズの問題なのだろうと思います。
その一例となるのが、カンボジアアンコールワットの修復についてだと思います。
同遺跡の修復にあたっては日本のそれは国内の文化財修復で培ってきたノウハウそのままに既存の部分との違和感がないように丹念に仕上げますが、中国のそれはとにかく、修復したという形だけあればいいというようなものでして・・・。
ところが、カンボジア政府はこれに大きく感謝していたんですよ。
いわく、「短期間でこれだけの数をやってくれたことに大いに満足している」・・・と。
(この点は万里の長城の作り方にしても然りです。日本人の考え方ではああいう作り方はしないなと思いましたが、でも、あれはのんびりした環境で作ったわけではないですからね。一方で敵を撃退しながら作ったわけで・・・。)

ただ、今回の鉄道事故についていえば、「少しくらいの」という範疇を超えていると思います。
ああいう、世界に報道されたような大事故を「壊して土に埋めて翌日から普通に走らせる」というのがまかり通るようでは、逆に暴走を招きかねず、中国のこれからのためにも良くないですよ。
温家宝首相も駆けつけてくるのが遅いし。
ご本人は病気だったと言っておられましたし、確かに顔にもやつれがめだちましたが、おそらくはそれ以上に「軍」に対する遠慮があったのではないでしょうか。
中国の鉄道省というのは要は昔の満鉄で、国共内戦当時、兵員の輸送に利用されたことから人民解放軍の一組織で、以来、軍が手放そうとしなかった権益だったのが、ようやく、最近、鉄道省になった・・・と聞きましたから。
                                         平太独白
by heitaroh | 2011-08-09 08:39 | 国際問題 | Trackback | Comments(4)

世界に地殻変動を起こしかねないエジプトでの反政府デモ
親愛なるアッティクスへ

ムバラク大統領退陣を要求する反政府デモが続いているエジプトですが、デモ開始から8日目、反体制政治グループが「100万人行進」を呼び掛けたことから、民衆が首都カイロ中心部のタハリール広場に続々と集結しているそうで、いよいよ、大きなヤマ場を迎えようとしている・・・とか。
鍵を握ると見られるは、昨31日、「民衆に対して武力を行使しない」と宣言する声明を出し、中立の姿勢を打ち出したことで、これにより、ムバラク政権はますます、窮地に追い込まれる可能性が出てきたようですね・・・。

チュニジアの政変に端を発する今回の騒乱ですが、おそらくは、エジプトでこの政権が倒れたときのインパクトは先のチュニジアの比ではないはずで、近隣のアラブ諸国はどこも同じような問題を抱えるだけに、反政府デモのドミノ化を招きかねず、リビア、サウジからイラン、そして、中国まで巻き込んだ一大地殻変動を巻き起こす可能性があると思います。
特に、中東一帯が大産油地帯でもあることもあって、世界は固唾を呑んでその成り行きを見守っているようですが、私がもっとも懸念するのはこれが中国に波及することです。
今回の騒乱は、これまでこの地域で見られたような、宗派間の対立でも、民族間の紛争でも、国家間の抗争でもなく、民衆の生活苦への不満、格差への憤りが爆発した形になっていることを思えば、同様の問題を抱える中国に飛び火しないとは言い切れないでしょう。

今回のエジプトでのデモがフェイスブックを元に惹起されている点は見落とすことが出来ない事態で、この点は中国政府は早速、国内の情報を遮断する方策に出ましたが、少々、遅きに失した観があるように思いますし、こういう時代にもう、情報を完全に遮断してしまうこと自体、難しいことなのではないでしょうか。
もし、これにより、中国国内の不満分子がデモを企てようとすれば、どうしても、取り締まりが厳しい以上、「反日」ということを名目にせざるを得ず、今、日中間にお願いだから波風を立ててくれるなよ・・・と誰よりも思っているのは他ならぬ中国政府当局でしょう。
その一方で、政権移行期にある中国ではこの時とばかり、波風を立てたい集団があると思われ、またまた、一方では、国内の不満を外へ向けるというオーソドックスな手法を試みる人たちも出てくると思われ・・・。

e0027240_19582613.jpgそれにしても、ムバラクという人は随分、長いこと、大統領をやってますよね。
私はこの人が政権の座についたときのことを覚えてますよ。
昭和56年(1981年)、キャンプデービット合意の立役者、サダト大統領が暗殺された後、当時、副大統領だったムバラク氏が後継の大統領になりましたが、そのときの印象では前任者と違い、随分と地味な人・・・という印象で、このとき、花も恥じらう(?)20歳の若者だった私が、まさか、それから30年後に、こんなに見事な50のおっさんになるまで、大統領を続けているとは夢にも思いませんでした。

(←この電車もまだ、現役ですけどね(笑)。)
                                       平太独白
by heitaroh | 2011-02-01 19:50 | 国際問題 | Trackback | Comments(2)

FTA(自由貿易協定)推進の是非以前の苦渋の選択
親愛なるアッティクスへ

昨今、「貿易自由化をうたう環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」に関する論議が取りざたされていますよね。

e0027240_1352043.jpgで、このTPPですが、それでなくとも、国内の食糧自給率が落ちている一方で、長引く景気の低迷と、周辺諸国、特に、FTA(自由貿易協定)網の構築を国家戦略に掲げる韓国の快走ぶりは際だっていることを思えば、確かに、軽々には結論を出せない何とも悩ましい問題だと思います。
(特に懸念されるのが、韓国の攻勢で、輸出する韓国製の乗用車の関税が協定締結国との間でゼロになるということでしょう。)
ただ、韓国の快走ぶりに心惑わす必要はないと思います。

確かに、韓国はこれにより目覚ましい輸出面での成功を得るでしょうが、まず、これは一歩間違うと、「FTAで国内農業を犠牲にしていた経済偏重政策が裏目に出て・・・」ということになりかねない諸刃の剣だと思います。
(ちょうど、江戸時代に行き詰まった藩の財政再建を担わされた人たちが、現金収入を得るため、直接の食糧とはならないなどの栽培を奨励した結果、一度、飢饉が来ると、悲惨な事態を招いたことと同質のものだではないでしょうか。)

で、それらを踏まえた上で、敢えて結論を申し上げれば、私は、日本は経済自由化を推し進めざるを得ない・・・と思います。
それ即ち、以前から申し上げていることですが、もう、今の日本には物を売ることによってしか、国民に食糧を行き渡らせることが出来なくなっていると思うからです。
以前から申し上げていることですが、江戸時代の日本の人口は3千万人、戦前は6千万人で、しかも、人口の大半が農民だったことを考えれば、たとえ、農業技術の発展や、品種改良などの成果はあったにしても、そもそもが1億2千万人の人口を養っていくには日本の国土では無理があるわけです。
(その意味では、40%の食糧自給率・・・というのはある意味、至極、当然の数字だともいえるわけで。)

であれば、良い悪いは別にして、分母は変わってないのに分子だけが増えすぎていることを考えれば、もはや、日本は外国が欲しがる物を外国に売って外貨を稼ぎ、その外貨で外国から食料を輸入しないことには国内の人口を維持できなくなっているのではないでしょうか。
つまり、ある程度、危険に目を瞑ってでも、自由化に向かって足を踏み出さざるを得ないという苦渋の選択しかない・・・と。
ただ、誤解の無いように申し上げれば、私はFTAの理念という考え方では賛成なのですが、TPPということになると「FTAを押し広げていった結果」という意味での方向性という点では間違ってないとしても、性急に特定の国だけの囲い込みには軽々に参加する必要はないと思っています。
たとえ乗り遅れても、枠組みが決まってしまっても、しないほうが良い・・・と。
                                         平太独白
by heitaroh | 2010-12-17 07:41 | 国際問題 | Trackback | Comments(0)


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
S M T W T F S
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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