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決断とは何かを得るために何かを犠牲にすること
親愛なるアッティクスへ

「何かを得るためには何かを犠牲にすること。それが、決断というモノだ」

これは、あるマンガの中で出てきたセリフです。

その論で言えば、もはや、「あるかないか」ではなく、「いつあるのか」・・という問題に移行してきたと言われる鳥インフルエンザなどのパンデミック(感染爆発)時に置いて、アメリカでは既に「優先的に薬を配るリスト」というものが出来ているとか。
で、当初は、抵抗力が弱い老人優先だったのに対し、当の老人らから、「我々はもう十分生きた。我々より、孫たちの世代を優先的に救って欲しい」という意見が出され、子供優先へ切り替えられたとか・・・。
無論、私がここで言いたいのは、子供と老人、どちらが大事か・・・などという問題ではなく、「アメリカではこういう非常事態での優先順位に対し、すでにコンセンサスが出来ている」ということです。

日本でも、阪神大震災以来、災害時には、「助かる可能性が高い人を優先する」という一応の目処のようなものは確立しつつあるようですが、現場での、「まだ、助かる見込みがある人の人工呼吸器を外さなければならない」という医師や看護師の「覚悟」という部分では、十分だとは言い切れないようです。

以前も、JR福知山線脱線事故の際の救護活動を特集した番組を見て、こういった災害現場で患者搬送に優先順位の札を付けていかなければならない、前線での医師や看護師の葛藤というものが理解されているのかは甚だ疑問でした。
私が医者なら、こういう現場に出くわしても、知らないふりをしますよ。
だって、次から次へと押し寄せる患者のランク付けするという行為だけで大変なのに、後で、「うちの子は本当は助かったんじゃないのか?」などといわれても迷惑なだけですから・・・。
(事実、その番組で、ある看護師さんは、「治療不可のランク付けをした直後にその患者の携帯が鳴ったのを聞いて、もの凄く、動揺した」ということを言っておられましたから・・・。)
つまり、最前線で戦う人に「覚悟」を求める以上、覚悟を決めやすい環境を作ってやるのは最低限必要なことだ・・・ということですね。

その意味では、以前、博多駅大雨により川が氾濫して水没したということが二度ほどありましたよね。
ところが、あのとき、二度とも、博多駅の対岸地域は殆ど被害がなかったんですよ。
で、嘘か本当かは知りませんが、「大阪では万一、川が氾濫した場合は梅田の方にこぼれずに十三の方にこぼれるようになっている」ということを聞きました。
どちらかを犠牲にする選択をすることは、今のニッポン社会主義共和国ではタブーな話なのかもしれませんが、しかし、やはり、どちらかにこぼれる・・・という場合は、そういう決断をしておくべきだったのではないかと思うのです。
即ち、どちらが被害額が少なく復旧も容易だったんだ・・・という問題もながら、非常時には「どこを(誰を)優先的に保護すべき」だという考え方について、もっと、コンセンサスを確立しておく必要があるということですね。

もっとも、博多駅が水没したときは、福岡市の中心地・天神は水没しなかったんですが、もしかして、しっかり、優先順位付けられていたりして・・・(笑)。
                           平太独白
by heitaroh | 2008-05-19 08:30 | 社会全般 | Trackback | Comments(2)
Commented by 芙蓉 at 2008-05-20 11:58 x
こんにちは、平太郎様。

そちら、台風の影響はいかがでございましょう?
こちら、やっと雨もあがり、風も弱まったところです。

>我々はもう十分生きた。
我々より、孫たちの世代を優先的に救って欲しい

この番組、丁度私も見ていたのですが、
老人のこの言葉、とってもリアルで、
祖国への愛情とともに、未来ある子供達への深い思い、
胸に熱く迫るものがありました。
と、同時にわが国の、危機管理・体制の甘さに不安...を通り越して、
恐怖?!を感じたほどでした。
何を最優先するか、いつも考えておかないと、
咄嗟に行動するなんて、ホント、難しいですよね...。

いざ!というときの為、覚悟だけはしておかなくっちゃ!


Commented by heitaroh at 2008-05-20 15:32
<芙蓉さん

こちらは、昨日は少々、まとまった雨が降りましたが、本日は、五月晴れの一日でした。
その意味では、福岡は天災が少ない地域のように思います・・・などと書いていたら、ほんの今し方、突然、グラッときました(笑)。
結構、揺れたんですが、テレビをつけたら山口県が震源で、福岡なんて、扱いが小さい小さい・・・(笑)。

この番組、ご覧になりましたか。
なかなか、難しいところがありますが、まずは、コンセンサスの確立に向けて、第一歩を歩み始めることでしょうか。
この点では、日本は無為無策と言って良いような気がしますので。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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