現代も生き続ける長州閥の恐るべき閨閥形成への貪欲性
親愛なるアッティクスへ

「二キ三スケ」という言葉をご存じでしょうか?
今更、釈迦に説法とは存じますが、戦前、日本の傀儡国家だった満州国で勢威をふるった五人の実力者、東条英機、星野直樹、鮎川義介、岸 信介、松岡洋右の、それぞれ、末尾の一文字をもじった言葉です。
つまり、「キ」「スケ」というわけですね。
ところが、このうちの2キを除く、三人の「スケ」ですが、この三人は、いずれも皆、長州人でして・・・、それは、まあ、明治の藩閥政治の名残・・・ということを考えれば、まあ、驚くには値しないのかもしれませんが、実は・・・、この三スケ、長州人であるばかりでなく、皆、縁戚でもあったのです。
(参考:平太郎独白録 : 日本の中枢で現代も生き続ける長州閥

まず、日産コンツェルンの創設者・鮎川義介ですが、鮎川の大伯父は明治の元勲・井上 馨であり、さらに、イトコの子供は、岸 信介の息子に嫁いでおり、となれば、当然、岸 信介の娘婿である安倍晋太郎安倍晋三の父子も縁戚に連なるわけです。
さらに、そこから、岸の実弟、佐藤栄作元首相の妻を通じ、三国同盟締結時の外務大臣で3スケの一人、松岡洋右にも連なるわけですね。
(ちなみに、吉田 茂元首相・・・、そして、その孫、麻生太郎前外相も縁戚関係に連なります。)

さらに、この閨閥を一層、深淵な物にしているのが鮎川の妹婿で久原房之助という人物です。
まず、久原の叔父、藤田伝三郎は維新の動乱期に、高杉晋作に師事して奇兵隊に身を投じ、明治の元勲・木戸孝允、山田顕義、井上馨、山県有朋らと親交を結び、やがて、これらの人脈を活かし、太閤園椿山荘箱根小涌園ホテルフジタ京都などでも今日も知られる藤田財閥を築き上げた辣腕実業家として知られています。
そして、久原自身は廃藩置県前の長州藩の藩都・萩に生まれ、戦前は、逓信大臣を務め、政友会総裁として政界の黒幕としても知られる一方で、日立製作所の基盤となった久原鉱業所(日立銅山)や久原財閥の総帥として「鉱山王」の異名を取っ財界人でもありましたが、閨閥を紐解くならば、彼には、妾腹の子を含めると3男10女の計13人の子宝に恵まれたことで、閨閥作りに一層の彩りを添えることになります。
即ち、長女は元衆議院議長・石井光次郎に、三女は大隈重信の孫・信幸に、四女は東急グループ創設者にして、強盗慶太とあだ名された五島慶太の長男にして、日本商工会議所会頭を勤めた五島 昇に嫁いでいます。

で、その五島親子ですが、父、慶太の東大時代の同級生は、讀賣グループ社主・正力松太郎らであったのに対し、息子、昇の東大寺代の同級生としては、中曽根康弘元首相が知られています。
その、昇氏がまだ婚約時代、当時の中曽根青年を房之助翁に合わせたところ、翁はたちまち、中曽根の才気を気に入り、是非、別の娘を嫁がせたいと言い出したとか。
あいにく、このとき、中曽根にはすでに婚約者がおり、翁は「何とかならんか」と粘ったといいますが、結局、断腸の思いで断念せざるを得なかったそうで、このとき、昇氏が「あいつのどこがそんなに気に入ったんですか?」と聞くと、翁は、一言、「彼は声が良い」と言ったとか。
すでに、中曽根青年の政治家としての資質を見抜いていたということでしょうか・・・。
ダイヤと見れば原石であろうが何であろうが、片っ端から取り込んでいく・・・、恐るべし久原房之助、恐るべし長州人・・・ですね。
                               平太独白
by heitaroh | 2008-04-07 08:00 | 歴史 | Trackback | Comments(6)
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Commented by 芙蓉 at 2008-04-07 19:58 x
こんにちは、平太郎様。
福岡の桜も、すでに花吹雪でしょうか。
前回のエントリーでの土手沿いの桜、空の青さも清々しく、
何ともほのぼのとした風景で素敵でした。

さて、中曽根青年を見て、
翁の一言、「彼は声が良い」...ですか。
なるほど~♪。
これって、凄く分かるような気がします。
もちろん好みもあるでしょうが、政治家に限らず、
声って、重要ポイントですね。私も(笑)。
声質と申しましょうか、きっと声に張りがあり、色艶良く、
当時の中曽根青年、自信に満ち溢れていたのでは??

いつも興味深いお話、
これからも楽しみにしています♪。
Commented by D-KID at 2008-04-07 22:33 x
長州藩閥ってスゴイですね、個々人の資質はさておいて。

九州ってすぐ隣県なのに、あまり名を成した政治家っていないような…
強いて言えば薩摩藩閥の流れでしょうか?
Commented by へいたらう at 2008-04-08 11:11 x
<芙蓉さん

こちらも、桜の盛りは過ぎた物の、まだまだ、頑張っている桜もありますね。
ちなみに、昨日は、昼から天気が良くなったこともあり、主婦風の人がそんな桜を一眼レフで撮影している姿が印象的でした(笑)。

ちなみに、織田信長は「声が甲高かった」とか・・・。
そして残念なことに、私も、独特の周波数をしているようで、人から、「おまえの声しか聞こえない」と言われることもたびたび・・・でした。
Commented by へいたらう at 2008-04-08 11:14 x
< D-KID さん

特に、福岡県でしょうね。
あと一歩まで行くけど、どうしても届かない・・・という。
なったらなったで、文官として唯一のA級戦犯として絞首刑という運の悪さ・・・。
さて、麻生太郎がどうなるか・・・でしょうかね。
Commented by D-KID at 2008-04-08 22:44 x
太郎ちゃん…『伏竜、深淵より出ずる日を待つ』てな感じですか?


新潟は一昨日桜の開花宣言が出ました、市内は今週末が見頃でしょう。
Commented by へいたらう at 2008-04-09 14:56 x
<D-KID さん

臥龍鳳雛・・・、とどのつまりは脇役に過ぎず(笑)。
もっとも、今、一番、ほくそ笑んでいるでしょうが・・・。

え、今頃、開花宣言ですか?!
こちらはさすがに、今日の雨で終わりみたいです。
<< 福田総理の現状にみる「名官房長... ケネディ暗殺の真犯人! >>


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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