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昭和43年の全共闘にみる親の立場の学生の分際論
以前、BSで、昭和43年を振り返る番組をやってましたが、そこで採り上げられていたものこそ、「全共闘」でした。
と言っても、実は私も全共闘世代・・・などという言葉で、その名前だけは知ってましたが、それ以上の詳しいことはまったく知りませんでした。

当時、私は、これら全共闘を含めた一連の学生運動というものについては、テレビで祖父、父も含めた三世代で見ていた記憶があります。
(ちなみに、私は小学校入学間もない7歳。父は30代半ばで祖父は60代半ばでした。)
ただ、うちの家族は、まあ、九州という土地柄もあるのかもしれませんが、皆、これらの学生運動には批判的でしたね。
父が、「昔は、学校など、行きたくても行けなかったんだぞ!」、「親に養ってもらって勉強はしないで、こんなことばっかりやって!」、「やるんなら、自分で稼ぐようになってやれ!」と厳しい言葉を浴びせていたことは、はっきりと覚えています。
(ましてや、明治生まれの祖父が、どういう理解を持っていたかは、想像に難くないでしょう。ちなみに、これら学生運動を弾圧した、当時の佐藤栄作首相は、私の祖父と同世代に当たります。)

昭和43年の全共闘にみる親の立場の学生の分際論_e0027240_2104236.jpg

これは、当事者であった団塊の世代の人たちからすれば、もちろん反論もあるでしょうし、私自身も、あの場にいたら、果たして、無関係でいられたかどうか少し疑問なところでもあります。
しかし、親の立場になった今だからこそ言えることでしょうが、私には、父や祖父らの言い分もわからないでもないんですよ。
現在でもそうですが、地方から、東京の大学に子供を通わせるというのは、やはり、大変な負担なんですよね。
先般、私の先輩が、子供を東京の大学に通わせることになったところ、親の出費は、一人当たり年間400万円になる・・・と嘆いておられました。
となれば、もし、これが2人なら年間800万円になるわけですよね。
800万円となると、少々、裕福な家庭でも大変な負担ですよ。
(一例を挙げるならば、年収2千万円の家庭と言えば、地方では「高額納税者リスト」の上位にランキングされる、押しも押されぬお金持ちなのでしょうが、ここでさえ、年収の半分近くを持って行かれる事になるわけですから、改めて、その負担の大きさがおわかりいただけると思います。)
ましてや、当時は、日本全体が今ほど裕福ではなかった時代ですから、親の負担たるや、いかほどのものだったでしょうか・・・。
食うや食わずやで生活している親からすれば、「そんな学生運動なんかやってるんだったら、田舎に帰ってきて農作業手伝ってくれよ!」というのが本音ではなかったでしょうか。

ちなみに、当時、同じく、私の父が言っていた言葉があります。
それが、「今時の若い奴らは男のくせに髪を伸ばして!これじゃ、男か女かいっちょん(まったく)わからん!」。
・・・間違っても、この世代の人たちに限って、「今時の若い者は」などとは決して言わないだろうなと思いましたよ。
ということで、今時の若い者の皆さん、安心してください。
あなた方の親御さんたちは絶対、「今時の若い者は!」と言わないはずですから・・・(笑)。
平太独白
by heitaroh | 2008-02-13 08:06 | 社会全般 | Trackback | Comments(8)
Commented by Count_Basie_Band at 2008-02-14 14:47
ヒト」という動物は、発生以来、ずーっと「今時の若いモンは」と言い続けてきた、という説があります。確かに解読可能になった古代の文書には必ずそういった記述があるそうです。

もし「今時の若いモンは」と言わなくなったら、そこで「ヒト」絶滅するのではないでしょうか。
Commented by へいたらう at 2008-02-14 15:18 x
<Count_Basie_Bandさん

そうらしいですね。
私も古代エジプトの象形文字に「今の若い者は・・・」という記述があるというのを聞いたことがあります。

いつの時代も、若い者のすることは危なっかしくみえるもののようで(笑)。
Commented by チョットだけですが。 at 2008-02-15 21:45 x
当時。大学生でした。
自分の家計簿を見てみましたが、400万は有りえませんね。
年に50万送って貰ってました、残りはバイトですね。これでも
かなり楽な方ではないかな~。下宿は3畳一間です。

今では想像出来ないと思いますが、世間普通のおじさん
小母さんには学生の運動にある種の好意的な感情が
ありましたね。それなくてはあんなに盛り上がる事は
なかったと思っています。先鋭的な人と一般学生とは
また違うのです。 また、当時の政権に違和感を持つ人は
とても多かったのです。農村でもです。
Commented by D-KID at 2008-02-15 23:05 x
Count_Basie_Bandも仰るように、『今の若いモンは…』という大人の感覚が無いと、反対に若い衆に元気が無い・反骨心が無いというあらわれにもなりそうな気がします。

僕のオヤジも『今の若いモンは…』とぼやくクチですね。
因みに携帯電話が普及し始めて僕も持ち出した頃、『そげん携帯電話やらいらんやろ、今のわっかもんは皆持っとるけど』(あえてニュアンスが伝わるよう長崎弁)と言っていたのですが、今や仕事を含め手放せなくなっているようです(苦笑)

良くも悪くも若い衆がムーブメントを起こさないと。
Commented by heitaroh at 2008-02-16 13:44
<チョットだけですが。さん

まあ、物価も違いますでしょうしね。
当時の50万というのは、今の500万くらいに相当するのでは?
ただ、当時と今とでは、平均所得がかなり違うでしょうから、家計への負担という点ではもっと大きな数字になったのではないでしょうか。

なるほど。
私は、当時、子供でしたから、実際の市井の意見がどうだったのかは知りません。
ただ、九州という土地柄もあるのでしょうね、当時、我が家だけではなく、私の周りにいた大人たちは批判していた人たちが多かったのは事実ですね。
Commented by heitaroh at 2008-02-16 13:50
<D-KID さん

確かに(笑)。

携帯電話に限らず、そういう話は往々にしてあるでしょうね。
カラオケなんかでも、出来た頃は、決して上品なイメージではありませんでしたよ。
マンガも浮世絵も然り。
当初は、今のアキバ系に近い扱いだったように思いますが、やがて、ああいうのが市民権を得ていき、やがて、世界に誇る日本の文化になっていくのではないかと・・・。
Commented by チョットだけですが。 at 2008-02-16 21:34 x
説明が下手で申し訳ありません。今、500万あるとセルシオの安い新車が買えるでしょうか。当時50万でカローラ半分も買う事はできませんでした。こんな例えの方がお判り頂けるでしょうか。1970頃は平均の所得はあなたの予想よりは少し高いのではないかな~。まあ、今より大学生はずっと少ない状態でした。中学の私のクラス60人から大学に行ったのは15人に満たなかった様でした。
批判を受ける事はありましたが、都会では好意的だったと感じました。これは、現場が都会で主に起こっていたせいではないでしょうか。これは、70年代中期以後の政府の学校教育によって必要に封じられた様です。何時間もデモをしても、機動隊が阻止できる雰囲気にはならなかった事が一般的に起こっていたと思います。道端の家から、お茶の差し入れやミカンを貰った事もありました。こんな事、いまでは想像も出来ないでしょ。夜食に寄るラーメン屋のオヤジなどには、デモの帰りだと判ったら、ただで食わせて貰った事もありました。今では夢のまた夢ですが、現在の情報と事実とはかなり差があります。その差は誰が作ったかはお判りでしょう。
私の体験した範囲での話でひとつのケースとして見てください。
Commented by heitaroh at 2008-02-18 11:59
<チョットだけですが。さん

ご丁寧な説明を賜り有り難うございました。

実は、前回の話を聞いたときまでは、「殺気だった連中を前にすれば、誰だって、本心では思ってなくても、『がんばってね』くらい言うさ」と思っていたのですが、差し入れまであったとなると、話は違ってくるでしょうね。

まあ、物価に関しては、当時は車自体が高級品だったでしょうから、それとは一概に比較できないと思いますが(大卒初任給で言えば、1万何千円とかいう時代でしょうから。)、いずれにしても、私にしても親にしても、なにぶん、地方にいて、メディアを通じて見聞きしていただけでしたので、この辺は我が身の不明を恥じるばかりです。

当時は、ノンポリ・・・でしたっけ?
そういう学生の方が大半だったという話も聞いてましたので、すべてがすべて過激派だったとは思ってませんでしたが、差し入れまであったという話は意外でした。
大変、参考になりました。
ありがとうございました。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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