親愛なるアッティクスへ
ところで、チロリアン・・・って、知ってますよね?
博多のお菓子ですけど・・・。
別に、このお菓子の宣伝をするわけではないのですが、博多には、何故か、お菓子メーカーで有名どころがいくつか有ります。
聞いたら、結構、びっくりされるかもしれませんが、ひよこや、チロリアンの千鳥屋などもそうです。
(ひよこを東京銘菓と信じて疑わない方が、結構、多く・・・(笑)。)
あと、もうひとつ、どこだったか忘れましたが、それを併せて、博多の三大銘菓というらしいのですが、なぜ、博多にこういうお菓子メーカーが集まったかというと、かつて、福岡県では石炭が採れたので、その炭坑夫相手にお菓子を売っていたのが、その後、石炭が斜陽化したことで、博多の方に出てきた・・・ということだったとか。
(炭坑夫というのは、
肉体労働で
甘いモノが食べたくなる一方で、いつ、
落盤があって死ぬかもしれないという危険な仕事だったから、
給金は割りと良く・・・つまり、
金回りがいい・・・ということで、昭和三十年代くらいまでは、この荒くれの炭坑夫という人たちが、福岡県の経済を動かしていたと言ってもいいほどだったそうです。)
で、博多と言えば、もうひとつ、忘れて成らないのが
明太子です。
こちらは、元々、
ふくやというところが始めたのですが、ここは、驚くことに、
特許も
登録商標もとらなかったのだそうです。
それどころか、逆に作り方を聞きに来た人には
教えてあげたとか・・・。
その結果、博多の明太子は、専門メーカーは元より、
寿司やから
料亭・・・、果ては一般家庭などでも自由に作ることが出来たことから、一気に明太子店が拡がり、本家本元のふくやの前にさえ、別の明太子の店が出来るほどだったとか。
そこへ、
新幹線が博多に乗り入れることになって、一気に、
全国ブランドになったとのことでしたが、これって、まさに、
驚嘆すべき発想!端倪すべからざる卓見!ですよね。
この辺は、まさしく、
平太郎独白録 「桿木風に弱し!」でも
西武の創業者、
堤康次郞の
至言としても申し上げた、まさしく、
「喬木風に弱し」ではないですか!
もし、これを、
専売特許や
登録商標などで
がんじがらめにしていたなら、果たして、明太子は今ほどの
隆盛を見ていたでしょうか・・・。
それに、特許などは、口で言うほど絶対的な物ではないようで、
中小企業が苦労して
取得しても、
大企業は中小企業の側に訴える能力がないと見て取れば、平気でこれを
侵害してくると言います。
さらに、訴えたところで、膨大な
手間と
時間と
コストがかかり・・・。
そう考えれば、この明太子の戦略というモノは、ちょっと前の
「阪神優勝」や
「ホリエモン」の
商標問題のように、今や
特許や
登録商標を取るのが、一種の
社会現象のようにさえなりつつある観がある現代、一考の余地があるように思えます。
登録商標も、今や、膨大な順番待ちだとか。
さもありなん・・・と思いますよ。
少し、こういうものは、見直した方がいいのではないでしょうか?
住友の家訓でしたっけ?
「浮利を追わず」と言ったのは・・・。
平太独白