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興業としてのプロスポーツのあり方
親愛なるアッティクスへ

以前、NHK「その時歴史が動いた」で、日本プロ野球の成立過程を取り上げた東京ジャイアンツ(現読売ジャイアンツ)のアメリカ遠征が放送されましたが、ご覧になられたでしょうか?
ご承知の通り、昭和9年、ベーブ・ルースなどの全米野球チームを日本に招いての日米野球を開催する為、急遽、その対戦相手として、読売の正力松太郎のその強引とも言えるやり方で集められた日本代表は日米野球終了後、そのまま、日本プロ野球を成立させる為にアメリカ遠征という武者修行に出されます。
結果として、正力らの思惑とは別に日本人の野球選手らは、128日間109試合、訪問した都市は63を数え、南はメキシコから北はカナディアン・ロッキーまで実に2万キロにも達する過酷な強行日程というの中で、プロの厳しさと、そして、「野球を職業とすることの意味」を学んだと。

このアメリカ遠征ですが、実際には、選手たちは華々しく送り出されたはいいが、遠征自体の資金計画は実にずさんなもので、移動、宿泊、食事代などの必要経費は、当初から、現地での「観客収入の中から」支払う仕組みになっていたそうで、つまり、次の試合に観客が入らなければ、一行はその日の食べ物さえ事欠くような状況となってしまったと言います。
となれば、食べる為には、毎日試合して、その日その日を稼がなければならず、ちょっと気の抜けたプレーでもしているとすぐに客が来なくなり・・・、選手達は必然的に、「観客に来て貰える野球をしなければならなかった。」と、この遠征に日本人として参加した後年の大投手、スタルヒンも言ってました。
「この遠征で、プロとは何かを学んだ。」と。
スタルヒンなどは、晩年まで、とにかく、試合前のキャッチボールなどでもファンを楽しませることを心がけたと言いますが、今のプロ野球が、今頃、ようやく、こういうことに目を向け始めたなどということはどうにも理解に苦しむことです。

その意味では、収入をその日の興行収入から確保するというプロスポーツの原点に照らすならば、サッカーはもっと試合数を増やすべきだと思います。
サッカーが野球と比べて、興行的致命的なのは試合数が少ないことです。
プロ野球が公式戦140試合に加え日本シリーズオールスターゲームばかりか、オープン戦等も含めると、何だかんだで一年の大半で興行しているのに対し、サッカーはJリーグ発足時に1週間に2試合だったのが、けが人が続出するということで、2週間3試合になったと記憶しております。

オフシーズンを短くしたところで、絶対数の不足感は否めず、となれば、野球並みに試合数増やすか、もしくは、一試合あたりの入場料引き上げるか、それが出来ないなら、選手の給料を適正に抑えるか・・・だと思います。
そういうと、「わかってない。サッカーはそういうものではないんだ。」と言われる方もいらっしゃるかと思います。
でも、よく考えれば、野球でも一人の投手が140試合投げる訳でもないでしょう?
であれば、サッカーもローテーション制を取り入れるべきだと思います。
それが出来ないのなら、やはり、興行的にはあわないと。
                              平太独白
by heitaroh | 2007-08-04 08:17 | スポーツ | Trackback | Comments(9)
Commented by ねこママ at 2007-08-04 13:25 x
そういえば、相撲もその昔は場所数も少なかったので、場所がないときは収入も少なく、それを何とかするために地方巡業が始まったのだというようなことを今朝のTVで言っておりました。
つまり、地方巡業は個人の問題ではなく角界全体の問題。
そういうことも朝青龍を初めとする外国人力士達によくよく徹底させておくべきでしたよね。

ところでアッティクスって何ですか?
Commented by へいたらう(管理人) at 2007-08-04 14:54 x
<ねこママ さん

まさしく。
ファン層拡大に目の色を変えている巡業部が怒るのも無理ないですよ。
王も長島も、オープン戦から打席に立ち続けたし、キックの鬼・沢村栄治は毎日、リングに立ち続けたのはなぜなのか・・・ということを、もう少し、参考にしてもよかったのでは。

アッティクスについてはこちらを
    ↓
http://heitaroh.exblog.jp/3070171/
Commented by ねこママ at 2007-08-04 21:58 x
今晩は。
アッティクスについて、拝読させていただきました。
全く未知の名前で、勉強になりました。笑

強ければそれでいいんだ(タイガーマスクみたい)的な考え方はプロスポーツにはふさわしくないですね。むしろ、強くなればなるほど組織全体のことを考える必要が出てくる・・・・。
Commented by pixy天邪鬼 at 2007-08-04 22:27 x
初めてコメントさせていただきます。

サッカーと野球を同じ扱いにするのはあまりにも無理があると思います。運動量が全然違います。それにバブルの頃はともかく、今のJリーグの年俸はかなり安くなってますよ。経営の健全化に関しては、野球よりはるかに厳しくリーグから監視されていますからね。今では億単位の年俸の選手が珍しいくらいです。高いのは日本代表監督と海外で評価される選手くらいじゃないでしょうか。

私もこのタイトルをみて大相撲が頭に浮かびました。
ただ、年4場所だった昔に比べれば年6場所になって怪我は増えていると聞きます。それだけに興行重視で6場所としているのなら、元々は神事だからと今の相撲取りに文句を言うのは間違っているのではないかと逆に思ってしまいます。神事だというのなら興行の利益を考えるものではないでしょう。

見る側にとっても試合数も必要かもしれませんが、それで質が落ちるのであれば痛し痒しといったところではないのでしょうか。
むしろそれよりも、これだけ騒ぎがありながら経営が透明化できない野球や、人気があった頃に努力を怠った相撲協会に問題ありだと思えるんですが…。

長文で失礼しました。
Commented by D-KID at 2007-08-04 22:52 x
嗚呼、今晩も逆転されてもうた orz
明日の和巳に託そう、輝かしい勝利を…


オッホン、もとい。
確かにJリーグの公式戦数はプロ野球と比すると少ないと思います。一方でナビスコ杯や天皇杯、更にはリーグ上位チームはアジアチャンピオンズリーグ等の海外試合、日本代表メンバーは国際大会での遠征もありますので年間の総試合数は結構な度合いになると思います。
そう考えると、個人的にはより試合数を増やすことは如何かな、と。

ただヨーロッパでは欧州クラブ覇者を決めるチャンピオンズリーグに勝ち残っていけばチームに数十億もの莫大な利益がもたらされるようになっていますから、よりサッカーのステータスを上げる点でも日本協会もみならって大規模イベントの再構築をする必要があるかもしれませんね。
Commented by heitaroh at 2007-08-06 11:45
<ねこママさん

「強ければ~それでいいんだ~♪ ひねくれて育った僕は~♪」ですね(笑)。
すぐに、これが思い浮かぶ辺り、世代を共有しているようですが、今考えたら、かなり、放送禁止的なものですよね。
まあ、時代背景を考えれば仕方がないのでしょうが・・・。
Commented by heitaroh at 2007-08-06 12:29
< pixy天邪鬼さん

コメント有り難うございます。

仰るとおりで、サッカーが興行的にあわないと言っても、何も野球を基準に考える必要はないわけで。
ただ、であれば、サッカーはどうしても年俸を低く抑えざるを得ない構造になっているといえるでしょうか。
(確か、サッカーで1億円以上もらっているのは、以前聞いた話では、楢崎一人だったと記憶しております。今はどうかは知りませんが。)
ただ、サッカーしかない国ならともかく、野球やゴルフなど別のプロスポーツがある国では、どうしても、片方と比較してしまうわけで・・・。
さらに、報酬を低く抑えていれば、優秀な人材がどうしても、報酬の多い方へ流れてしまうのでは・・・ということで。
この辺は、どうしても、南米などと違い、プロスポーツという意味で、様々な選択肢がある国のジレンマだと思います。
Commented by heitaroh at 2007-08-06 12:29
<pixy天邪鬼さん


大相撲も、以前、あまりにも怪我が多いというので、公傷制度を導入したら、皆、怪我で休んでしまったので、興行的に問題があると言うことで、撤廃されたということがありましたよね。
神事といえば、神社だって、過疎化や信仰心の変化などから、「食っていけない神社」が存在するわけですが、彼らを、戦前のように国家公務員にするわけにもいかないでしょうし、となれば、資本主義社会に生きている以上、神社も相撲も、今後も継続してそれを職業としたいのであれば、興業としての側面を重視せざるを得ないと思います。

>経営が透明化できない野球や、人気があった頃に努力を怠った相撲協会に問題あり

この辺に関しては、全くその通りだと思います。
よろしければ、こちらを参照ください。
   ↓
http://heitaroh.exblog.jp/267503

ということで、今後とも、是に懲りず、よろしくお願いいたします。
乱筆乱文ご容赦。
Commented by heitaroh at 2007-08-06 12:38
<D-KID さん

何だか、以前の、千葉マリーンに似てきましたね(笑)。
そういえば、王さんも、現役時代、どうしても、広島の平山(でしたっけ?)という投手だけが打てなかったような・・・。
うーん・・・、体質でしょうか(笑)。

サッカーのステイタスが高い国というのは、まあ、ヨーロッパがそうなるのでしょうが、他にサッカーほど人気が高い種目がありませんよね。
興業という意味で考えてみれば、かつて、プロ化を目指して、Vリーグを作ろうとしたバレーボールがわかりやすいと思います。
毎日試合しても、座席数があれだけ少なければ、入場料収入という点でかなり、限界があるのではないでしょうか。

つまり、プロスポーツとは、「内容の充実」と「収益(競技者への報酬)」というものを両立させていくことを宿命づけられた世界なのだと思います。
<< 日本の実情に適した相続の在り方... 朝青龍の出場停止処分に思うジャ... >>


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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