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朝青龍の出場停止処分に思うジャッキー・ロビンソンの理 2
親愛なるアッティクスへ

昨日の続きです。

とかく、プロスポーツ選手の中には「結果さえ残せば何をしても良い」勘違いしている人たちが多いようですが、彼らは「遠くまでボールを飛ばしたから」、「速く走ったから」報酬を得ているのではなく、「それらを見たさに客が金を払っているから」報酬を得ているのだということをよく理解するべきではないでしょうか。

この点で、私には、思い出す話があります。
かつて、「黒い霧事件」での主力選手の永久追放により、経営悪化を招いた西鉄ライオンズより、経営権を引き継いだ太平洋クラブライオンズでは、重度の経営不振に苦しんだことで、経営陣は、窮余の一策として、選手たちに、試合のチケット販売を依頼したことがあったそうです。
このとき、「スター」であるプロ野球選手たちは、「どうして、俺たちが切符売りの真似をしないといけないんだ!」と言って露骨に抵抗したといいますが、このとき、積極的にチケット販売に協力してくれたのは、メジャー経験があるドン・ビュフォード外国人選手だったとか。
彼らの感覚では、「選手が球団の経営が苦しいときに貢献するのは当然のこと」というものだったそうで、なるほど、この辺は「プロスポーツ」というものの史観が浸透しているアメリカらしいな・・・と思いました。
「経営」と「報酬」というものは、表裏一体の物である・・・ということを理解していると。
(この辺は、現在の日本でも、ノンプロ球団の相次ぐ廃部や、四国アイランドリーグの登場などで、随分、理解できる環境は整ってきたかと。)

その意味では、以前から、平太郎独白録 : 阪神、金本選手の世界記録達成に見るプロスポーツの本質!などでも、度々、述べてきたように、興業としてのプロスポーツとは、一般大衆から広く薄く金を集めるか、もしくは、パトロンに収益の多くを依存するか・・・ですが、この点で、力士とは、元々、古くは大名・貴族、近代でもタニマチと言われるスポンサーに依存していた業界であり、従って、今でも、純粋な入場料収入と別に、後援会などの存在が無視できないことも厳然たる事実だと思います。
しかし、相撲協会は最近の相撲離れから、これまでのようなやり方ではやっていけないという事実を突きつけられたことで、ファン層の拡大、掘り起こしに躍起となっているわけで、その意味では、朝青龍の問題も、私に言わせれば、受け入れの時点から、もっと、「相撲」というものの成り立ちから・・・、つまり、日本の相撲の歴史というものを、きちんと理解させることを放棄してきた・・・、いや、親方衆でさえも、深く考えてこなかったことへのツケが問題として出てきたということではないかと思います。
「強ければいい」というのではなしに、客から金をもらって成り立っている・・・ことの徹底ということですね。

その点では、モンゴル人と違い、高見山から、小錦武蔵丸などのハワイ勢はうまく立ち回っていましたよね。
が少し理解できていなかった程度で、後は皆、ひたすら、日本人の邪魔にならないことを心がけて振る舞っていましたから。
ちなみに、ジャッキー・ロビンソンへの、執拗な嫌がらせ罵倒に対して、怒りを爆発させたのはジャッキー本人ではなく、ジャッキーのチームメイトの白人選手たちだったそうです。
朝青龍は、オリンピックに出ているのではないということを理解するべきだったのではないでしょうか・・・。

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by heitaroh | 2007-08-03 17:43 | スポーツ | Trackback | Comments(8)
Commented by りつ at 2007-08-03 20:13 x
へいたらうさん、こんばんは。

同感です。
親方への処分がもっと厳しくてもいいのではと思ったくらいです。だってこの親方、完全になめられてますよ、部下に。

罵倒に耐えたジャッキー・ロビンソンという選手も偉いけど、球団社長はもっと偉いです。

朝青龍の闘争心むき出しの表情は嫌いではないので、一皮向けて飛躍してくれたらかっこいいんですけどね。
Commented by ねこママ at 2007-08-03 21:57 x
今晩は。
本当におっしゃる通りです。
また、ハワイにはモンゴル相撲のようなものがありませんから、その意味でも、ハワイの力士はモンゴル人の力士よりも日本の相撲界にスムーズに溶け込めたのかなという気もします。
けど、もしかしたら朝青龍の振る舞いは、モンゴル人引いては外国人だからというよりも、朝青龍の個性のせいではないかという気もしています。
日本にも輪島や双羽黒という、横綱の規格からいささか外れたような人がおりましたから。
徹底的教育も大切ですけれど、力士の個性にも目を向けていかなければなりませんね。
Commented by ねこママ at 2007-08-03 22:01 x
ところで今年は新弟子検査に応募してくる者が一人もいなかったそうですね。
「腹一杯白いメシが食える」という理由で、相撲界に身を投じるような時代ははるか彼方のことになりました。
角界の将来は大丈夫なんでしょうか。
Commented by D-KID at 2007-08-03 22:09 x
多分に、横綱からすると師匠たる高砂親方は現役時に大関どまりだったことである種の優越感というか軽く見ている部分がある、という意見もありますね。

あと先日のプロ野球中継時に解説者が「いわゆる外国人助っ人という面々は、『勝ち試合だから内容・成績が悪くとも関係ない』という考えを持っている選手が往々にして目に付く」と言うコメントを発していました。

まぁ結果を求めるのか過程を求めるのかという文化の違いと言い切ってしまえばそれまででしょうが、『所変われば、何とやら…』てな言葉もあるわけですし、ちったぁ横綱も考えるキッカケになりませんかね。
Commented by D-KID at 2007-08-03 22:11 x
あ、そうそう蛇足ですが今日も田中マーに勝てなかったホークス。

こちらはとにかく『結果出さんかい!!』と言いたいのですが…(--;
Commented by heitaroh at 2007-08-04 12:33
<りつさん

おお!
お久しぶりです!
お元気そうで何より。

名大関朝潮も、元々、管理者というタイプではありませんでしたからねぇ。
思えば、名選手だからといって、そのまま、監督になってしまう制度がおかしいのかもしれません。
Commented by heitaroh at 2007-08-04 12:43
<ねこママさん

そうなんですよね。
新弟子検査ゼロというのを見ると、否応なしに、海外から引っ張ってこざるを得なかったのがよくわかります。
だから、ある頃から突然、外国人力士が増えだしたんだ・・・と。
でも、これで、ますます、相撲人気が下火になり、また、新弟子検査を受ける日本人が減る・・・という悪循環になりそうな気が。

朝青龍の個性・・・という点ももちろん、あるでしょうし、闘志が表に出るというのも、決して、悪いことではないのですが、土俵外でも、猛々しいというのはちと、違うと思います。
それに、モンゴル勢は、旭鷲山なども、暴力団との関わりが指摘されるくらいですから・・・。
Commented by heitaroh at 2007-08-04 12:47
< D-KID さん

ホークス、本当に、まーくんには勝てませんねぇ・・・。
昨日も、それなりに、打ち崩しているんですけど・・・。
まあ、楽天はプレーオフには出てこないでしょうから、関係ないと言えば関係ないのでしょうが・・・。

ホークスは、やはり、中継ぎ投手陣・・・ですね。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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