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池田成彬という男にみる、つまるところ自分次第の理。
親愛なるアッティクスへ

私の、「池田」姓というのは、あんまり有名人にもパッとした人が居ないんですよね。
戦国武将では池田輝政というのがいますし、名君という点ではその孫で、池田光政というのがいるのですが、どちらも知る人ぞ知るって世界でして・・・。
他に政治家では総理大臣になった池田勇人がいるものの任期半ばで病を得て退陣してますからねぇ・・・。
そんな池田姓の中で私がもっとも傑出した人物だと思うのが三井の総帥にして、吉田 茂の財政顧問でもあった池田成彬(しげあき)という人です。

慶応3年(1867年)、米沢藩士・池田成章の長男として山形県米沢市に生まれ、米沢中学(現・米沢興譲館高校)を経て、慶應義塾別科、慶應義塾理財科に入学、明治23年(1890年)、ハーバード大学へ留学し、帰国後、時事新報社に入社するが、2週間で辞めて三井銀行に入行。
その後、三井の筆頭理事に登り詰めた後、日銀総裁、大蔵大臣などを務め、戦後、公職追放を受けて、大磯に引きこもり隠遁。
吉田茂経済政策指南役を務めた後、昭和25年(1950年)、享年83歳で没・・・という人なのですが、没後、半世紀以上経つ今となっては、なかなか、知る人もいないでしょうか。

この池田成彬ですが、実は、彼は、ときの三井の大実力者にして、福澤諭吉の甥、中上川彦次郎 三井銀行専務理事の長女をに迎えています。
そう聞けば、普通、「なんだ、大実力者の娘婿だから、トントン拍子に出世したのか・・・」などと考えがちですが、実は、池田が中上川の娘を嫁に迎えた時点では、中上川はすでに失脚寸前であったらしく、つまり、打算で考えれば女婿になることは最悪の選択肢だったわけですね。
実際、中上川はその結婚から間もなく失脚し、失意のうちに病死しており・・・。
こうなると、バック・アップどころか、池田は、「あの中上川の娘婿」という色メガネの元で、日々の勤務しなければならなかったわけです。

そして、新たな三井銀行の専務理事には、大蔵省から三井に迎えられた早川という人物が就任し、これで、誰の目にも、「不遇を囲う・・・」と思われていたところ、いつの時代でも、結局、誰よりも業務に精通し、誰よりも気骨のある人物というものは、なかなか、ないがしろに出来難いもののようで、池田は失脚するどころか、気が付けば、逆に「池田専務、早川部長」と揶揄される状態になっていたとか・・・。
早川専務理事が、外部の者と、何らかの取り決めをしてきても、38歳の池田営業部長が反対すると、専務理事は、「あのう、先ほどは、ああ申しましたが、うちの営業部長が反対しますのでこの件はなかったことに・・・」と電話をかけるようになったと言います。
何処にいようと、どのような境遇にいようと、結局は、自分次第・・・ということでしょうか。
ご健闘をお祈り致しますぜ、御同輩。
                          平太独白
by heitaroh | 2007-02-03 17:33 | 経済・マネジメント | Trackback | Comments(8)
Commented by D-KID at 2007-02-04 00:50 x
池田成彬、初めて知りました。いろいろとよそのサイトでも見ると、なかなかの気骨を持った方だったようですね。

結局は、自分次第…気持ちの持って行き方なんですね、自分の軸がブレないように。

最後の『ご健闘をお祈り致しますぜ、御同輩』は、勝手ながら僕に対する檄文と捕らえさせてもらいますね(^^)
Commented by Count_Basie_Band at 2007-02-04 06:14
>誰よりも業務に精通し、誰よりも気骨のある人物というものは、誰も、ないがしろに出来ないもののようで、

それはやはり明治人の社会だったからではないでしょうか。
昭和後半から平成の官界、産業界では間違いなく

>窓際族となって、不遇を囲う・

ことになると、自らの経験に照らして思います。
三菱自動車、雪印、ダイエー、パロマ、そして不二家にも「誰よりも業務に精通し、誰よりも気骨のある人物」はいたはずです。
Commented by へいたらう at 2007-02-04 14:28 x
<Count_Basie_Bandさん

仰るとおりですね。
実は、私も同じ事を考えていました。

ただ、平成の今となっては、逆に、そういう人材が窓際族で居たら、すぐに外資がヘッドハンティングに来るでしょうね(笑)。
Commented by へいたらう at 2007-02-04 14:32 x
<D-KID さん

>最後の『ご健闘をお祈り致しますぜ、御同輩』は、勝手ながら僕に対する檄文と捕らえさせてもらいますね(^^)

そのつもりです(笑)。
まあ、自分の軸さえ、ぶれなければ、周りが上がろうが下がろうが泰然自若ではないでしょうか。
昔、石田退三だったかが言った言葉に、「どの業界でも、**社にOO有り・・・と言われるくらいになっておけ。そうすれば、何とか食っていけるモンだ」というようなのがありました。
三洋電機の井植さんなどは、それでしょう。
ま、それが難しいんでしょうけどね(笑)。
Commented by Count_Basie_Band at 2007-02-04 16:24
>すぐに外資がヘッドハンティングに来るでしょうね(笑)。

御意。
近年、外資は外国語能力は二の次、三の次で「日本社会での実務能力」を最重視しています。幹部だけでなく、末端の職種についても同じ考え方をしています。つまり、異人さんに「買われている」のはゴルフ場や潰れた銀行といった物体や組織だけでなく、「使える人間」も買い占められつつあるのです。それに気付いていないお目出たい「お偉方」は妄言を並べるだけ。
Commented by heitaroh at 2007-02-05 12:36
<Count_Basie_Bandさん

そのようですね。
青色発光ダイオードが良い例でしょうか。

>「使える人間」も買い占められつつある

この点では、以前も申し上げたのですが、日本企業は銀行が良い例で、彼らは貸し出しの判断基準を、経営者の能力であるとか、決算書の数字などではなく、「担保」に置いているというアマチュアリズムだと思います。
この点は、銀行に限らず、すべての業界が似たり寄ったりで、これまでのぬるま湯体質では、プロである外資には太刀打ち出来ないのではないでしょうか。

 よろしければ→http://heitaroh.exblog.jp/211444/
Commented by Count_Basie_Band at 2007-02-07 09:53
いわゆる大手消費者金融は今年中に系列の大銀行に吸収されるか、廃業に追い込まれるでしょう。
外資はめぼしい「腕利き」に既にコナを掛けているはずです。
Commented by heitaroh at 2007-02-07 09:55
< Count_Basie_Bandさん

折から、大手消費者金融の政治絡みの会が解散するというニュースがでてましたね。
まあ、成るようになったと言ってしまえばそれまでなんでしょうが・・・。
<< 野村證券元会長、奥村綱雄の失意... 初雪と節分とバレンタインとシェ... >>


国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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