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連綿たる息吹が伝わる遺跡と似ても似つかぬ日本人。
親愛なるアッティクスへ

まだ、パニくってます・・・。
来週、半ば過ぎると一段落するのですが・・・。
ヨーロッパの結婚における格言でしたでしょうか、「結婚前は両目で相手を見、結婚後は片目を瞑って相手を見よ。」と・・・。
何卒、しばし、片目で・・・(笑)。

実は私は中世以前の城郭建築などには、大変、興味があるのですが、近代建築には否定的なまでに興味がありません。
それは、ひとつには、コンクリートという、木造、石造、組石造などと比べて、極めて、造形に制約がない素材が使用されているということもあったでしょう。
もまたそうです。
韻律を踏むなど、多少の制約はあるにしても、他の俳句短歌、五言絶句、七言絶句などと比べたならば、コンクリートと同様、あまりにも、制約がないのです。
つまり、どうにでもできるでしょ・・・みたいな。
だったら、どんなものでも、出来たからって、驚くには値しないのでは・・・と思うんですよ。

それとはちょっと違いますが、私は何故か、日本の古来からの仏像彫刻などを見ても、あまり感動がありませんでした。
何か余りにも現実感が感じとれなかったからです。
それが何故か、以前、テレビでやっていた世界遺産、パルミラの遺跡を見ていて気付きました。
それらの日本のものは、あまりにも我々の現世から隔絶しすぎているのです。

私は、その番組は、古代ローマ叛旗を翻したと言われる、パルミラの女王ゼノビアに興味があったから、ちょいと見てみたのですが、パルミラを始めアジアやヨーロッパの遺跡の中には、水道など、今でも、そのまま、使われている設備がありますよね。
私が着目したのは、それよりもむしろ、そこにいる人たちが当時と大差ないのであろう風俗で、今も変わらず、そこにいることでした。
それらの人々を見た上で、視線を改めてそういった遺跡に落とすと、そこに綿々たる連続性、即ち、「そこにパルミラ人がいた!」という現実感が感じられるのです。
翻って、日本にはそれがない・・・。
同じ時代のものであっても、日本の方が国宝として、きちんと保存されている。
にも関わらず、風俗、生活様式はもとより、そこにいる人たち自体、日本人とは名ばかりの、我々、現代日本人とは似ても似つかない人たちなのです。
(特にここ最近は、着物、畳、土壁といった、かつての日本人の日常にあったものが、我々の生活から、著しく排除されるようになってしまったように思えます。)
これが、私に、それらのものから、現実感を遠ざけていた遠因なんだろうと思いあたりました。

数年前、奈良に行った折り、奈良国立博物館に行きましたが、「国宝何たら菩薩」とか言われても、ただ、漠然とそこにあるだけで、何の感銘も受けませんでした。
(そもそも、その時代って、日本人の顔も人種的に交配が進む前なんだろうから、もっと、違う顔してたんじゃないの?という不埒な疑問さえ持つ始末・・・(笑)。私は、同様に、「イスタンブールの空は本当に青いのか、喜望峰の海は本当は白いんじゃないのか・・・。」という想いをいつも持ってます。当時の日本人は今と同じ日本語を話していたのか?今と同じ気候だったのか・・・etc。基本的に、何でも、自分の目で見てみないと納得出来ない性格なんでしょうね。)
むしろ、私が興味をそそられたのは展示してあった、最古の戸籍の方で、そこには、「戸主 何某、妻、ハシタメ、子供誰それ」など、そこに書いてある人たちが、まぎれもなく、そこにいたという証、間違いなくそこに存在していた、生活していたという足跡のように思え、理屈抜きに興味津々で眺め入りました。

その意味では、日本の遺跡はショーウィンドウに入れて飾ってある遺跡であり、メソポタミア中央アジアなどでは、今も同じような生活様式をした人たちが、往時を偲ばせてくれることを目の当たりにすると、明らかに、「そこに本当に人がいたんだ!」ということを実感させてくれる遺跡なのです。
確かに、散逸と言う観点からみれば、日本の方が順当なのでしょうが、何か日本のそれは、根本のところで、「違うのでは?」と思えてなりません。
平太独白
by heitaroh | 2006-03-08 08:13 | 社会全般 | Trackback | Comments(6)
Commented by FUSA at 2006-03-08 15:34 x
家内が数年来、遺跡発掘のアルバイトをしています。お世話になりながらこんなことを言うのもなんですが、日本は遺跡に対する基本的なポリシーがないような気がします。やたら掘り返すのですが、どうしようとしているのかよくわかりません。つまようじの先ほどの発掘に、大木のような推測をくっつけて観光地化しているような所もありますしね。
Commented by へいたらう at 2006-03-08 18:07 x
> FUSA さん

遺跡発掘へのポリシー・・・ですか。
なるほど、何となく、わかるような気がします。

観光地化と言えば、「神の手」騒動の時、原人せんべいを売り出していたところがありましたよね(笑)。
これも、結局、今の耐震偽造問題と根っこは同じなような気もします。
Commented by odette at 2006-03-09 05:40 x
お久しぶりです。なんとなく興味を持ちましたので少しだけコメントを。
私は古代建築やお寺、教会には関心があります。旅行先なんかでも由緒のあるお寺などには必ず立ち寄ることにしているのですが、その時に思うのは「信仰」の場であるということです。確かに博物館の展示ケースに収まった仏像には興ざめしてしまうのですが、お寺に納められた信仰の対象としての仏様には尊い気持ちにさせられます。必死の思いで巡礼を続けた昔びとの息遣いを感じるのもまたいいかもしれませんよ。
Commented by へいたらう at 2006-03-09 12:48 x
>odetteさん

コメント有り難うございます!

なるほど、その意味では私はむしろ、野にある石仏にそれを感じます。
誰が彫ったか、いつ彫ったか、名もわからず、想いも伝わらず・・・、しかし、確実にそこに誰かがいた・・・ということだけは、感じ取れるようです。

ま、何せ、無粋な人間ですから・・・(笑)。
Commented by Sarhto at 2006-03-09 12:57 x
[玄関]・▽・)ノ おじゃまします♪

>結婚前は両目で相手を見、結婚後は片目を瞑って相手を見よ。

@(・ェ・)@φメモメモ
なるほど~~これいいかも
あたしの教訓にしたいと思います~
結婚すると相手のいろんなところが目に付いて
すべて見てたらストレスとかもたまっちゃいそうですしね~
ま、結婚できるかどうかは微妙ですけどね‘‘s(・゛・;) 

応援ポチ凸
Commented by heitaroh at 2006-03-09 13:14
> Sarhto さん

そうなんですよねー。
でも、わかっちゃいるけど、現実には「結婚前は片目で見て、結婚後は両目でみてしまう」ものなんですよー・・・(笑)。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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