福岡城抜け穴伝説を検証 その2
前回よりの続きです。

黒田氏の居城、福岡城よりの抜け穴が通じていたという福岡市南区の穴観音ですが、そこに赤穂浪士の墓(↓)が作られたのが昭和10年だそうで、その際、抜け穴は破壊されたのではないか・・・ということになっているようです。
e0027240_14092857.jpg

ただ・・・、私はこの説には極めて懐疑的です。
もっとも、では、抜け穴という物が一切、存在しないかというとそんなこともないわけで、長崎県五島列島にある福江島の福江城(石田城)には今も抜け穴(↓)がしっかり残っています。

e0027240_14362322.jpg

ただ、こちらは「日本最後の城」と呼ばれるように幕末の文久3年(1863年)に完成した城でもあり、また、そもそもが島である為、大軍が囲むことを前提にしていないと思われ・・・、
つまり、保存の点でも、距離の点でも、福岡城のそれと同一に考えるわけにはいかないだろう・・・ということです。

その上で、まず、抜け穴というと、帝国陸海軍が掘ったようなちゃんと人が歩けるようなトンネルをイメージされるかもしれませんが、むしろ、福江城の抜け穴のサイズを見てもわかるように、当時の抜け穴掘削技術ではむしろ、ベトナム戦争の時のベトコン・ゲリラが米軍撃滅のために掘ったような穴を想像したほうがいいと思います。

e0027240_14102728.jpg
(↑穴観音裏手からの風景。今も裏は小高い丘に成っており、意外に眺望はいいですね。)

もっとも、ベトコン・ゲリラは城攻めのために掘ったのではないので、抜け穴を蜘蛛の巣のように張り巡らせましたが、オスマン・トルコ武田信玄の武田軍などは逆に攻城側から穴を掘って城の内部に潜入しようとする戦法をとったように、迂闊に抜け穴をたくさん掘ると、それにぶつかってしまう可能性もあり、そうなると敵のために掘ってやったようなことにもなるわけです。

で、つまり、私がこの抜け穴の存在を疑問視するのが、ここまで述べてきたように、その距離と保存年数の問題なわけです。

次回に続きます。
                       平太独白

by heitaroh | 2013-12-16 07:30 | 歴史 | Trackback | Comments(0)
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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