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驕れる者も久しからず
親愛なるアッティクスへ

今年は大河ドラマと言えば、昔あったNHKの大河ドラマ「新平家物語」を覚えておられますでしょうか?
当時、私は小学校の低学年だったと思うのですが、結構、それなりに覚えてます。
特にその第一回が、なぜかこのときの正月の風景とともに澄んだ印象として残っておりまして・・・。
常々、機会が有れば、一度あらためて見てみたいと思っておりましたが、先日、ようやく念願叶い、DVDを見ることが出来ました。
当時の印象としては、若き日の仲代達矢扮する平清盛の乾坤一擲の気迫と、斜陽化してからの、やることなすことすべてが裏目に出るという閉塞状態が再び強烈に焼き付いております。

で、それとは別に思ったのは、「清盛頼朝を助けたばかりに平家を滅ぼしてしまった」という、巷間、言われる「情けが仇」の見本のように言われることについてですが、私は清盛が源氏の幼子を助けたというのは、決して間違っていなかったと思います。
なぜなら、保元・平治の乱という熾烈な権力闘争の後、人々は新しく権力者になった平家という武力新興階級に対し、どのような人たちなのか不安があったはずで、それに対する不安感を払拭し、政権発足早々の人心掌握に意味があったと思うからです。

私が学生時代に愛読した本の著者である大橋武夫氏も「平家の滅亡の原因は、よく敵に情けを掛けたことのように言われるがこれは違う。平家の滅亡の大きな要素は清盛亡き後、平家の側に清盛に代わる柱石がいなかったことだ。その意味では、清盛の長男で、器量人、重盛の早逝が惜しまれる。その証拠に、現に平家を都から追ったのは頼朝でも義経でもなく、木曽義仲なのである。」と書いておられました。
たしかに義仲の将帥としての能力は非常に高く、大橋氏は「義経よりは上」とさえ言っておられたほどで、頼朝や義経、範頼ら義朝の子らがいなかったとしても、木曽義仲(それがだめだったとしてもあるいは他の勢力)によって、結局は滅んでいただろうと思います。

もっとも、ここまではいいとして、ここで私が疑問に思うのは、命を助けるのはともかく、なぜ伊豆になど流したのか?ということです。
関東はもともと源氏の地盤であり、今は平家に靡いているとはいえ、湿った火薬庫に、火の気を投げ込むようなものではなかったでしょうか?
私なら、頼朝はに留め置きます。
さらにベストの選択は貴族制に代わる武家政権の樹立という源平共通の利害目的を掲げ、その上で、一門の娘をあてがい、平家一門(武家側と言いかえても)に取り込みます。
それができないのなら、やはり殺すべきで、それをやらないなら、最低でも源氏の基盤である東国ではなく、平家の基盤である西国へ流すべきだったと思います。
                             平太独白
by heitaroh | 2005-05-20 23:59 | 歴史 | Trackback(5) | Comments(0)
Tracked from 司馬遼太郎を読む at 2005-12-31 23:22
タイトル : 義経
鞍馬山での幼少期から悲劇の最期まで。天才的戦術家義経の生涯を描く長編... more
Tracked from <徳島早苗の間> at 2006-01-01 02:53
タイトル : 司馬版「義経」読了。
 本年度NHK大河ドラマの主人公・滝沢タッキー義経は〝情愛の人〟と多少美化されているきらいがあるが、本書では彼の長所・短所がより露骨に端的に描かれていてまさに「司馬史観・義経」。  決して〝いい子ちゃん〟ではなく実に人間臭いんである。  作中の義経は「大人とは思えぬほどに甘ったれで、天才といっていいほどの政治的痴呆者で、物事に軽率で自尊心、名誉欲が強くて(名誉欲が強いのはこの時代の武士の一般的風潮だが)どうしようもなく好色で情緒的」、それでいて「戦術的判断は極めて冷徹で正確」。  そ...... more
Tracked from 本を読む女。改訂版 at 2006-01-01 13:23
タイトル : 「義経」司馬遼太郎
  えっと、先に2005年大河ドラマ「義経」について。 書き出したらきりがないので、箇条書きで。 ・タッキーの上半身裸とアクロバットが何故こうも何度も観られるのか? ・タッキーが長い台詞を言うたびに「かまずに言えてよかったね。」と母のように見てしまう。 ・那須与市は今井翼なのかよ。上の心配を彼にもしないといけないとは。 ・うつぼちゃんはここ数回は出演せず、バレーボールをしていたようだ。架空の人物は便利でいいな。 ・義経の郎党達はコントにしか見えない。ちゃんとした俳優のはずの松平健...... more
Tracked from 地味な女子の読書日記 at 2006-01-05 22:52
タイトル : 司馬遼太郎:義経
義経〈上〉司馬 遼太郎文芸春秋 2004-02おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools 絶対お兄ちゃんはわかってくれるよ!... more
Tracked from 源氏の歴史<NHK大河ド.. at 2006-01-25 01:18
タイトル : 平時忠〜「平家にあらざれば人にあらじ」
兵部権大輔正五位下・平時信の長男。 平時子・滋子の兄。豪気で理論派の政治家。「平関白」と呼ばれ人々から恐れられ、「寧平家にあらざれば人にあらじ」と豪語したことは有名。 清盛没後は、平氏の実質的な指導者として権勢をにぎりますが、壇ノ浦合戦に敗北し..... more
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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