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ドラマ「白洲次郎」に見る永野重雄との論争の是非 前編
親愛なるアッティクスへ

またまた、今更ではありますが、過日、NHKでNHKドラマスペシャル「白洲次郎」というドラマをやってましたよね。
なぜか、1話2話から半年も経っての第3話放送でしたが、以前から触れようとは思っていたものの、最近、なかなか、そういう心境にならず・・・で、今更です(笑)。

白洲次郎という人については、以前、1話2話を見た段階で、「坂本龍馬同様、絵に描いたような・・・、ケチの付けようがない素晴らしい人として描いてあることは大いに問題であり、もっと、批判されるような生身の部分についても描くべきだ」と申し上げましたよね。
つまり、「余りにも良く言われすぎている」・・・と。

以前、私はある愛国者の友人から、「日本は素晴らしい」ということを懇々と説かれたことがあるのですが、その折、彼の力説に対する私の返答がこれです。
「素晴らしいところは良くわかったから、同じくらい日本の素晴らしくないところを呈示してくれ。その上で、素晴らしいかどうかは判断する」・・・と。
これが私の基本的な考え方です。
素晴らしいところだけを並べ立てられて、「どうだ、素晴らしいだろう」と言われても、なかなか、すんなりとは頷けないもので・・・。
その意味では、このドラマは徴兵逃れしたことなど、かなり、不足気味ではありましたが、多少、デメリット部分についても触れてありましたよね。
(もっとも、私は、徴兵逃れなどというものが本当に可能だったのか少し疑問ではあります。だって、皇族でも範を垂れるべく結構、危地に出征したと言いますし、あの、近衛文麿家でも、長男・文隆は出征後、シベリアに抑留され、そのまま、現地にて死んでいるわけで、それらを考えれば、全くなかったとは言いきれないまでも、かなり、例外はなかったのではないでしょうか。)

で、そのドラマで、デメリット部分と言って良いのかわかりませんが、昭和25年(1950年)に広畑製鉄所が日本側に返還されることになったとき、白洲氏が外貨獲得のため、これをイギリスへ売却することを主張し、激しく反対する永野重雄と飲み屋で掴み合いの大ゲンカをするシーンがありましたよね。
永野重雄と言えば、財界四天王の一人・・・と言われ、私が若い頃は、日本商工会議所会頭として、おっとりした田舎の爺さん・・・みたいな感じの方でしたが、元々は、東大柔道部出身ですから、腕っ節にも自信がある、かなりの「お山の大将」タイプだったようですね。
後年、昭和45年(1970年)に八幡製鐵富士製鐵が合併して、新日本製鐵が誕生した際、代表権を持つ会長に就任した永野翁は、それまで官僚出身者の排除に共同戦線を張った「やり手副社長」で政財界の人気者・藤井丙午氏の排除を画策。
これに抵抗する藤井氏と激しく対立し、ついには政財界をも巻き込んだ社内抗争を展開し、結局、喧嘩両成敗で共に退陣することで決着した・・・と。
(もっとも、このとき永野翁は外部に対してはひたすら沈黙し、一方の藤井氏もかなり激しい戦闘姿勢を見せたものの、決して、徒党を組もうとはしなかった・・・と。これぞ、大物の喧嘩・・・ですね。)

前作も終わりきっていないにも関わらず、例によって、次回に続きます(笑)。

                                         平太独白

by heitaroh | 2009-11-26 18:49 | 歴史 | Trackback | Comments(0)
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。

by 池田平太郎
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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