「君はフランス人になれるか?」にみる自己犠牲のあり方
親愛なるアッティクスへ

今日は久々、見事な二日酔いです。
従って、見事に脳がフリーズしており、急きょ、柔らかい話題に切り替えます(笑)。

過日、元巨人の名二塁手で、お亡くなりになった土井正三氏の現役時代を「送りバントの名手だった」と書いたのですが、この件で、先日、プロ野球OBで構成するマスターズリーグで土井氏が打席に立ったとき、「送りバント」のサインが出て、これに氏が怒った・・・という話を耳にしました。
曰く、「誰だってバントなんかやりたくないんだ。でも、チームが勝つために必要だから今までやってきただけのことだ」と。  

e0027240_11531858.jpgまあ、サインを出した側からすれば、「土井のバントをファンは期待しているだろう」ということだったのでしょうが、土井氏自身はあれほど「送りバントの名手」と呼ばれながらも、決して、好きでやっていたわけではなく、チームの勝利のために自分の恣意を殺して・・・ということだったのでしょう。

この点で、以前からたびたび紹介しております元西鉄ライオンズ豊田泰光氏がその著書の中で、「君はフランス人になれるか?」ということを書いておられました。

一部抜粋しますと、
『元阪神監督の吉田義男さんがフランス野球を教えていた時のこと。送りバントを命ずると、打者が「なぜ私が犠牲にならねばならないのか。私には打ってヒーローになる資格はないのか」と訴えてきたそうだ。
 もちろんフランスにはサッカーラグビーといった団体競技の伝統があり、犠牲の意味も説明すれば通じるそうだが、そこには確かに「団体競技としての野球と個人」という深い問題が横たわっている。「個人」が勝ちすぎると勝利は遠ざかる。一方では、個性の発露の場がないスポーツなんて何の意味がある? となる。』・・・と。
私としては、今の、やたらバントを多用する戦術は感心しませんが、ただ、今では、その分、犠打自体、結構、認められていることを思えば、それほど「自己犠牲」ばかりでもないような気もしますけどね。

ちなみに、豊田翁は、『 カウント0-3から打って出るかどうか。フランス人ならためらいなく打って出るだろうが、日本人はそうはいかない。1球、2球待って様子をみろ、というのが球史を通して浸透してきた定石だ。お客にみせるプロ野球で四球を待つという戦法は何とも後ろ向きの発想だが、これをひっくり返すのは難儀。
 昔、三原脩監督に聞いたことがあった。「0-3から打ってはいけませんか」。すると、「いいよ」と言う。話がわかる監督じゃないか……。しかし監督は付け加えた。「だが、打つならヒットだ。凡退したらまわりがうるさい」。いかにも外国語に訳しづらそうな「まわり」の目が日本にはある。フランスの打者ほど自己主張しかねる私は、0-3は「待ち」と決めたのだった。』・・・とも述べておられましたが、まあ、この辺は三原さんならではの言い回しなんでしょうが、確かに考えさせられることではあります。
                                         平太独白
by heitaroh | 2009-11-25 18:07 | スポーツ | Trackback | Comments(2)
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Commented by sakanoueno-kumo at 2009-11-25 22:18
日本人には「犠牲」は「美徳」という心がありますからね。他国人には理解できない優れた心だとは思いますし、失いたくない精神だとは思いますが、一方でその美徳の究極が、「日の丸特攻隊」であると考えれば、複雑な思いです。(例えが極端ですかね?)
Commented by heitaroh at 2009-11-26 15:10
< sakanoueno-kumoさん

二日酔いで、かなり、まとまりの悪い内容になっているにも関わらずコメント戴き、大変、恐縮です(笑)。

私は、バントすることに土井さんが、それほど抵抗を持っていたという方がむしろ、理解できませんでした。
自分に王・長島ほどの実力が無い以上は、自分を犠牲にしてでも、チームの勝利に貢献したい・・・というのが、仰るように、日本人ならではの「犠牲」は「美徳」という精神だと思います。
ただ、「日の丸特攻隊」はどうなんでしょうか。
彼らは、本人の意思とは別に、そういう所へ追い込まれた・・・という部分が大きかったように思いますけどね。
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国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し独自の歴史観で語ります。
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プロフィール
池田平太郎

昭和36年 福岡市下人参町(現福岡市博多区博多駅前)で代々大工の棟梁の家に生を受ける。

昭和43年 博多駅移転区画整理により、住環境が一変する。
物心付いて最初に覚えた難しい言葉が、「区画整理」「固定資産税」

以後、ふつー(以下?)に現在に至る。

平成16年 関ケ原の戦いで西軍の総大将に担ぎ上げられてしまったために、大国毛利を凋落させた男、「毛利輝元」の生涯を描いた小説、[傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯]を出版。

平成18年 老いた名将信玄に翻弄される武田勝頼を描いた[死せる信玄生ける勝頼を奔らす]を出版。

平成20年 共に絶版となる。

平成22年 性懲りもなく、黒田如水・長政・忠之、三代の葛藤と相克を描いた「黒田家三代―戦国を駆け抜けた男達の野望」を出版。

平成23年 処女作「傾国の烙印」がネット上で法外な値段で売買されている現状を憂慮し、「毛利輝元 傾国の烙印を押された男」として復刻再出版

平成25年 前作、「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす」が大幅に割愛された物だったことから、常々、忸怩たる思いがあり、文庫本化に際し、新たに5倍近くに書き足した「死せる信玄 生ける勝頼を奔らす 増補版」として出版。

平成29年 兄、岩崎彌太郎の盛名の影に隠れ、歴史の行間に埋没してしまった観がある三菱財閥の真の創業者・岩崎弥之助を描いた、「三菱を創った男岩崎弥之助の物語 ~弥之助なかりせば~」を出版。

わかりやすく言うならば、昔、流れていた博多のお菓子のCM、「博多の男は、あけっぴろげで人が良く、少しばかり大仰で祭り好き」を聞き、「人が良い」を除けば、何とピッタリなんだと思った典型的博多人にして、九州データブックという、まじめな本に「福岡県の県民性」として、「面白ければ真実曲げてもいい」と書いてあったことに何の違和感も持たなかった典型的福岡人
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